例年、秋に収穫したヒョウタンたちは、すぐに穴を開けて水に浸けておきます。
本当は寒くなる前にキレイにしてしまいたいのだけど、北海道ではどうしても秋のうちに腐植はすすまず、腐ったワタを抜いて洗う作業は春に行っています。
今回は作業はさらに遅れ、1月に家の中で穴あけを行い、茶の間の片隅や風呂場などに水漬けしたバケツを保管することになってしまいました。
きっちり封をしていても、なんだかニオって来るようになったこの頃(そう!ヒョウタンを腐らせる時のニオイってスゴイんです!!)、思い切って風呂場で「洗い」を行いました。
ニオうだけあって、いい感じの腐れ具合です。
水をかければ、簡単にワタやタネが取り出せます。
換気扇を廻し、風呂の残り湯で流しながら、タワシで一つひとつ磨いていきます。
今回はビニル手袋をつけて行いました。
以前素手でやったら、何日も完全にはニオイが取れずに参ったことがあったのでした。
まあ、この、「ニオイ」というやつばかりは、文字で伝えきれないのですが、嫌気性発酵というかドブというか、ウ〇コというか・・・(いやウ〇コはウ〇コでも、あまり新鮮じゃない感じの公衆トイレの…(苦笑))
とにかくそんな「スゴーイニオイ」が作業現場の風呂場には充満し、もちろん僕の服や髪にもニオイ成分は付着し、僕が通ると家人が「うわーん、オクサレさまが通るよー・・・」と力なく笑うのでした。
*洗ってすすいでも、ヒョウタン自体のニオイはなかなか取れないのです・・・。
「今の家の風呂場で出来るのはせいぜい千成ヒョウタンまで!」と判断し、大ビョウタンはまだそのままです。
それでも、乾燥中の家の中には、何とも言えない「臭気」が漂っています。
怖いのは、その中にいるとどの程度クサいのかがよくわからなくなること。
「もうそれ程クサくないんじゃないか・・・?」
と思って外出し、リセットされた嗅覚で帰宅すると、やっぱりしっかりクサいのでした。
まあ、そんなヒョウタンですが、僕は大好きなのです。
このフォルム、質感。
人類が最初に意図的に育てたのはこの子たちだったんじゃないか、と思うくらい、僕らの傍らで役立ってきた植物。
着果している様子も可愛いのです。
実が大きくなってぶら下がるさまも、ああ見事!
このビョ〜〜ン、も好きですねえ。
ドロドロヘドロのオクサレに包まれたものを洗って乾燥させて、創り出されたものたちは、「再生」を感じさせる美しさを持っています。
そして・・・
オクサレさまですら、僕には愛しいものに感じられます。
だって、「何かが腐る」という現象は、浄化していく過程ですから。
「現象」と言ってもただ勝手に起こるのではなく、これもまた、小さなイキモノたちの「生命活動」そのものです。
彼らは、腐らせ(または発酵させ)、食べて出して増えて死んでいきます。
ただそれだけ。
ただそれだけだけれど、その繰り返しによって、この世界は浄化され、生命は繋がっていくのです。
全てが繋がり、生まれ変わりっていく。
素晴らしい世界の理を、僕はオクサレさまの作業をしながら、そっと心の奥底で感じたりもするのでした。
雪が解けて暖かくなったら、残りのヒョウタンを洗ってあげようと思います。
今日は、今回洗ったヒョウタンを持って、豊浦町での「ひょうたんランプづくり」です。
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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
3月までは随時、味噌や醤油仕込み、ひょうたんランプ制作などの出前講座も承っています。
★イベント情報
『My醤油を仕込もう』
〇日時 2018年3月18日(日)13:30〜15:30
〇場所 当別町金沢147−1
〇内容 ・お醤油の話
・醤油の仕込み
・醤油麹づくりの実演 ect...
〇参加費 2500円
〇定員 12名
『樹から生み出すバターナイフづくり』
〇日時 3月25日(日)13:30〜16:30
〇場所 当別町金沢147-1
〇参加費 3000円(1ドリンク、おやつ付き)
〇定員 12名
〇講師 草刈万里子さん
*お問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページにて承っています。
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