2010年10月04日

もうけた気分。


雨どいを作って数日。「稲刈りも終わったし、そろそろ降ってもいいよー!」とつぶやいていたら、降りました降りました。久しぶりのゲリラ豪雨(…って程でもないかな)。

僕は外の仕事に出ていたので見られなかったのですが、あっという間に水が溜まって、タンクからドバドバ溢れ出ていたとのこと。スゲー!!

RIMG0495.JPG
溢れんばかりに満タン。

蛇口からも、快適に出てきます。
RIMG0496.JPG


「雨水溜めて、洗い物や農作業に使えたらイイね」との思いで作ってもらった雨どいですから、タンクに一杯になってる水を見て素直に「使える使える!やったー!」って喜んでいればいいはずなのです・・・が、タンクから溢れてなお注がれ続ける水を見ると、何故かもったいないように思えてくるんですね。「タンク、もう1個あってもいいか?」「あと2、3個あってもすぐ溜まるんじゃない?」「こぼれてく水、もったいない!」・・・と、損した気分にすらなってくるのが不思議。
何ですかね、この感覚・・・。

まあ確かにこれだけ上手く溜まるなら、タンクを増やすことで飲み水や調理以外の水はすべて雨水でまかなえそうですし、それは決して悪くない案なんですけど。

とにかく、「もったいない」がいつの間にか「モウケタ」「ソンシタ」って話になって、やがて「もっとたくさん」「もっと大きく」「もっともっと!」・・・になりがちなのが、人間。
「もっともっと!」を繰り返して、今のような肥大化した歪な世界が出来上がったんですから、自分の立ち位置や適正規模を図り間違わない目やそれを確認する習慣はいつも持っていなきゃなあ、とあらためて考えたりするのでした。



いやいや、雨どいは最高なんです。
雨どいはスゴイのです。
雨どいはカッコいいのです。
理にかなってるし、かなーりサスティナんです。

つまり問題は、雨どいじゃなく、それを使う側の意識だってことですね。



“文明”はどう言い訳しようと、本質的に“反自然”の発想にもとづいています。
そして、今流行りの“持続可能性”も結局、人間中心、文明維持の考え方であると思います。
このまま人間が生き延びるためにどうするか?って話ですから。

文明の本質(反自然的思考や暴力性)を認めたうえで「どう使う?」っていうのが、たぶん、持続可能な技術のスタンスなんじゃないでしょうか。
決して“イイコト”してるわけじゃない。
せめて、100年先くらいは想像して、この先の人々が人間らしくいられる世界を“維持”する。
そのくらいの節度を持って生きる。

そのために、技術を選択的に、制御しつつ使う。
ないから使わないんじゃなく、目の前にあっても使わない。


・・・試されてますねえ。
posted by 野良人イトウ at 06:29| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月26日

雨、降れ!・・・・い、いや、降るなー!!


コモンハウスの難点のひとつに、水の問題があります。

農作業など屋外での使用、多人数での使用が頻繁にあるにもかかわらず、水源が1個しかないのです。普通の住宅のキッチンの水道、それだけで賄っています(正確には風呂場の水道もあるので、そっちでなべ洗ったりすることも・・・)。
水撒きに使いたいと思ってキッチンの窓からホースをつなぐと、もうキッチンでは使えなくなってしまうのでした。

いや、蛇口を二股にするとか管を伸ばして屋外にも蛇口を取り付けるとか、そういうこともももちろん可能なのだと思いますが、そんなことでもないんだよなーとも思っています。
多少の不便は、別にかまわないんですよね。
そうじゃなくて、一番気になってたのは、「水撒きの水や長靴の泥落とす水は、こんなキレイじゃなくっていいんだよなー」ってこと。



ちょっと話題がそれますが、お店で購入したペットボトルのミネラルウォーター飲んでる人を以前僕は「ケッ!」と思っていました。
が、最近は、それもアリかなあと考えています。
何故なら、日本の上水道のレベルまで浄化された水が必要な場面など、実はあまりないからです。火を通さずにそのまま飲用する水以外は、あんなにキレイである必要がないからです(逆に“キレイ”を意識しすぎて薬害が気になりますけど)。
上水道を風呂や手洗いができるくらいの浄化にして(もっといえば“火を通せば調理に使えるくらい”かな)、直接飲用する分のみ買う、っていう方が、社会全体としてみたらずっと効率いいんじゃないかと感じます。

もちろん、正確な数値は知りませんけど。
ただ、足洗う水もそのまま飲用する水も同じ、ってことに抵抗があるのでした。
(それを実感したのは、やはりアフリカの村での生活です。貴重な水を無駄にしないため、用途に応じて「井戸水」「雨水」「池の水」などを使い分けていて、それがかなり“当たり前”に感じられたのです)



さて。
というわけで、今回の本題。

「雨どい」ができました。やったー!
RIMG0423.JPG


おなじみ「建築工房らくだ」の千葉さん作です。かっこいい!
これで、屋外の水は結構いけそうです。

夏より試験的に行っていた井戸掘りは、ちょっと休止中ですが、こちらもあきらめずに続けたいと思っています。
DSCN5434.JPG



「水」について、アレコレ書こうと思いましたが、長くなるのでやめます。

コレはウガンダの小さな村の写真。
子どもが毎朝近く(と言っても300mくらい離れてる)の沼から、タンクに水を汲んできて、洗濯とか食器洗いに使います。
朝の一仕事.jpg
ウンコ流す一瞬で消えていく10数リットルの水の為に消費されてるエネルギーなど、その水の背景を想像する力は、たぶん人間にはないです。
流れ去ったウンコ水の行方を想像する力もないです。
つまり、人間の想像力は、上下水道を正しく適切に使うレベルには達していないということだと、僕は思っています。
だからどうする、ってわけでもないけど、少しでも“現実の姿を想像しやすい構造”を生活空間に置いておきたいと思うわけです。



とりあえず、千葉さんが「(試したいから)早く雨降れ!」と願っているので、大慌てで「いや、降るのは明後日以降に・・・!!」と変更してもらいました。

そうです。いよいよ、本日、稲刈りです。
「雨、降るなー」
暖かい日になりますように。
ラベル:雨利用 水資源
posted by 野良人イトウ at 06:43| Comment(2) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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