2014年09月20日

稲育ち・・・。

最近は1年に1冊くらいのペースだから、気づいたらしばらく前に出ていた。
『バガボンド』37巻。
武蔵がもう3巻以上も田んぼづくりばっかりしてるので、ついていけない読者も多いらしいけれど(そりゃそうだよな)、僕はもちろん毎回大興奮で読んでいる。
今回もすごかった。

自然に翻弄されながら水を引き、田をつくり、タネのひと粒に祈りを込め、育つ苗を慈しむ。
己がちっぽけな存在であることを識り、村人に助けられ、飢える村人を救うために頭を下げる。
自分が「生かされている」ことを体感していく武蔵・・・。
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「農」が僕らに伝えてくれることを剣豪・宮本武蔵の物語で読めるとは。
まあ、1年で土が変わるほど簡単なものじゃあないでしょ、というツッコミもなくはないけど、それでもとてもとても丁寧に、「土と共に生きる精神」を描いていると思う。
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田にたわわな穂が実り、師である秀作は土に還った。
人間としての逞しさや豊かな感情、かよわきものへの眼差しを得ると同時に、純粋な「斬り合う者」の強さとは違う方向に向かい始めた武蔵がこれからどうなるのか。
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あ〜、武蔵にこんな経験させちゃって、この先どうすんの?
マンガとして作者が小次郎との決戦に対しどういう意味付けをするのか、非常〜に興味深い。
・・・なのに未だ休載中(38巻は早くて来秋か)。

・・・しょうがない。年に1回、田んぼと同じペースで楽しみますか。
posted by 野良人イトウ at 23:06| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

彫って刷って。

今年も「えべつ脱原発芸術祭」に出展させていただくことになり、数日前にいくつかの作品(大半は年賀状…)を刷り直し。
やっぱり版画は楽しいなあ。やり始めるとアイデアや感も生き返るんだよなあ。
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今日の午後は、搬入ついでに少しだけど展示のお手伝いをしてきました。
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江別の「ドラマシアターども」さんでこの時期行われるこの芸術祭も今年で4年目。僕は3回目の参加です。
文字通り「有志」でつくられるこの芸術祭の、「丁寧に暮らしながら社会と向き合う」感じが大好きです。
(「芸術祭」は明日3月1日から3月末までやってますよー。)
江別脱原発芸術祭2014情報はこちら

3月21日の『つくるみ劇場』には、昨年末に(一部で)大好評を得た「劇団いも屋」も再登場いたします(「いも美姉さん」の美脚が見れる最後のチャンスかも…)。


posted by 野良人イトウ at 18:49| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月30日

彫って刷った。

昨夜、何とか年賀状出来ました(「出しました」ではありません)。
最近は1年に1回2回しかやらないから、1つ彫って刷って…ってして初めて、「ああ、ここはこれじゃあダメなんだった!」とか基本的な技術を思い出します。
毎年、年賀用に版画をし、「いやー久しぶりだから半端な出来だな。でも版画はやっぱ面白いな!」となるのでした。
ということで、今年も半端な出来の年賀状を送ります(苦笑)。

今年も(あ、もうすぐ去年になっちゃうか)この機に版画熱が上がりそうですが・・・でも、やる時間はあるかなあ。
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そして今日はいよいよ、ガー子のXデー・・・。
手打ちそばでかも南蛮を喰う日です。
posted by 野良人イトウ at 06:52| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月09日

劇団いもや、出陣。


12月7日は体験塾2013の最終日。しかし、その余韻に浸る間もなく、翌8日には「劇団いもや」の初舞台を迎えてしまいました(なので7日の夜はその準備でまた結構忙しく…)。
江別市の文化拠点でもある「ドラマシアターども」さん主催の、「ども年忘れ興業」に参加した我ら「劇団いもや」。

「劇団いもや」は、友人である焼いも屋のコーノさんを(勝手に)座長にして、お芝居を楽しんでしまう適当な集まりです。
最初はちょっとマヂメにネイティブアメリカンかアイヌの神話、民話を影絵でやる予定だったのですが、何だかそれじゃあツマラナイ気がしてきたので、「コーノさんのいも屋をプロモーションする時間にしちゃおう!」と、最初は微妙な反応をしていたコーノさんを無視して、僕がほぼ勝手にズンズンお話をつくってしまったのでした(あ、一応コーノさんにいも屋話を聞いて参考にしながらね)。

「協力してもいいよー」という心優しきメンバーがあつまり発足した「劇団いもや」、練習は3回ほどでしたが、まあそれなりにオモシロイお芝居に仕上がりました。素晴らしいメンバーのおかげですねー。

14時過ぎ、いよいよ公演スタート。
結構緊張しましたねえ・・・。
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いくつかミスや予定外の出来事がありましたが、でも、会場からは大きな笑いと拍手をいただきました。
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(ここはある意味ハイライトシーン!)

楽しかったなあ。みなさん、ありがとうございました。
またやりたいねー。
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ちなみに「ども年忘れ興業」には、アマチュアの市民からセミプロの方まで約50組!くらいが参加していて、音楽、芝居、語り、落語など様々なステージが2日間にわたって繰り広げられます。
これに出ることを毎年楽しみにしているおじいちゃんや市民サークルの方々もいらっしゃるような、素敵な時間です。
なにより「ども」さんの、多種多様なオモシロき人々が集まっている雑多な空気感が、僕にはタマラナイのでした。

江別くらいの規模の町でこういうスペースが維持されていること、スゴイですよね。
「ども」さんがあるだけで、「豊かな文化、芸術が生きている魅力的な町だな」って思えてきます。

劇団いもや、次の公演はいつになるかな〜。
posted by 野良人イトウ at 18:23| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月27日

スッキリなんて望まない。

札幌に行ったついでに久しぶりの蠍座。やっぱりいい。
こういう素敵な映画館が在り続けてくれるのは嬉しいね。

さて、今日観たのは『ゼロ・ダーク・サーティ』
一言でいえば、無茶苦茶面白かった。2時間半ドキドキしっ放し。

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... タイトルは「午前0時30分」の意で、CIAがビンラディンを襲撃した時刻を表している。内容もそのまま、そこに向かって突き進む。
視点は100%アメリカ、CIA、そして若きCIA分析官女性・・・とくれば、アクション&サスペンスで最後に「悪いヤツ」をやっつけてドカーンとカタルシス、「あーすっきりした!」って話かと思ってしまうんだけど、全然そうじゃない。
全然スッキリなんてしない。
徹頭徹尾、重い雰囲気で、暗い(ビンラディンらしき男を殺した後も…)。
パレスチナ人捕虜への拷問シーンには目を覆いたくなる。
勇ましい女性主人公にまったく共感できない。
最後の、ビンラディンを匿ってた家の子どもたちの泣き叫ぶ声が耳に残る…。

僕がたまたまパキスタンやムスリムの風景、人々に馴染みがあって白人よりもそちらに強く親しみを感じてしまうからなのか、その重たさ自体が作り手の意図なのかわからないけど、とにかく「正義が悪を倒す」なんて子ども騙しの物語ではないことは確か。
でも、この「スッキリしなさ」こそこの映画の重要な点だと思うし、それは作り手の誠実の表れな気がする。最後のシーンの主人公の表情がそれを象徴してたんじゃないかな。

例えば経済や国防の問題で、勇ましく断定的な言葉で語る人を僕は信用しない。けれど、食べ物の問題にしろ原発の問題にしろ、何かを「悪」と見立てて「わかりやすい正義」でものを語るのも、好きじゃない。
そんな簡単なものじゃないでしょ。
桃太郎はおとぎ話。現実の世界では、「鬼」には鬼の事情がおそらくあるだろう。見方によっては彼らが被害者であるかもしれない。完全無欠の正義など、存在しない。事態はどこまでも、事情や感情が複雑に入り組んで成されている。

だから、複雑な事情や感情をそのまま受け止めるのが誠実さだと思うし、そこを直視してこそ解決の糸口が見つかるのだと僕は思う。
そうなんだ。「憎しみの連鎖」をたどれば、必ずどちらにもそれなりの理がある。

他者の悲しみや苦しみ、喜びに寄り添える人間でありたい。それは、「正しくありたい」と言語表現することもできるのかもしれない。
けれど、「自分には正義がある」なんて間違っても思ってはイケナイと感じる。そんな空っぽな、自分の外の曖昧な何かにゆだねることはしたくない。自分の行為の裏付けは、あくまで自分の思考や感情に基づくものでありたい。
むしろ、「悪いヤツ(と自分には思える人)」の、彼らなりの理を見つめることを、自分の思考の出発点にしたいと思う。
そうすることで、僕らは今よりも少しはマシな世界に向かっていけるんじゃないだろうか。

・・・あらためてそう思わせてくれる映画だった。

7月8日まで蠍座でやっております。
http://zdt.gaga.ne.jp/
おすすめの1作です。

posted by 野良人イトウ at 22:37| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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