12月6日の「ども歳忘れ興行」でひと枠いただいたのです。
今回は『ポへポへミアン・ラプソディ』というお話で、いつものようにいもやこうのさんとおイモたちが活躍する影絵&芝居です(ちなみに「ポへポへ」はこうのさんの農園名)。
いつにも増してドタバタの、濃〜い味付けとなった劇団いもやでした。
(お客さんもたくさん来て入ってくださったようです。ありがとうございます!)



この、すっかり年末の恒例となった劇団いもや、誕生は一昨年のことです。
実はその前年もこうのさんたちと「ども興行」には出演していましたが、まだ違う名でした。演目もアイヌ神話の朗読劇のような感じでした。
一昨年も当初はアイヌ神話を演る予定だったのですが、なかなかピンとくるものに出会えず、僕はこうのさんに持ちかけました。
「いっそのこと焼きいもの話にしよう。こうのさんのいも屋の宣伝になればいいし。練習あんまりできないから、影絵ならセリフ覚えなくてもいいよね」
そして、こうのさんの承諾を受けたかどうかも怪しいまま、「焼きいも屋ならではの<美味しいいも>ってどんなの?」とリサーチし、1作目『吾輩はいもである』の脚本を書きました。
はっきり言って「こういう焼きいもは美味しい」ということを伝えるためだけのお芝居なのですが、いも美姉さん役に大工のCさんがハマったことで、この劇団のカラーがばっちりと決まりました。
翌年2年目の『ミッション・イモ。ポッシブル』は、「サツマイモ栽培でこうのさんが大事と思ってることを伝えよう」とネタを聞き出し(自然栽培とか畝立て大事とか)、僕が大まかな脚本をつくりました。
面白いなあ、と思うのは、集まったメンバーでお話も演出もどんどん変化していくところ。
2作目からはメンバーも増え、器用な人たちは影絵や小道具を凝り始め、役者として出る人たちはキャラクターを色づけていき、まさに「あーだこーだ」とみんなで創っていく感じが強くなりました。
みんな伸び伸びと、自由に芝居づくりに参加しているのです。
そして3作目となった今年。
みんなで創っていく雰囲気はさらに強くなりました。
今年のネタは、こうのさんから発せられた「クリスマスにはイモが売れないんです…」「新商品のシルクスイートを推したい」という2点をヒントに僕が脚本を書き、アイデアを出し合ってつくっていきました。
例えば、僕が自分のイメージややりたいことの純度を高めていったら、ああいうものにはならないでしょう。おそらく他の人たちも、ソロ活動?では違う表現スタイルになるのではないかと思います。
「劇団いもや」という鍋に入ったとき、僕らはそれぞれの持ち味をいもや的に発揮して、それらが混じり合って「いもや」のお芝居が出来上がるのです。
・・・などとカッコつける程のモノでもないですね。演ってる僕らが楽しい、悪ふざけができる、それだけのことかもしれません(笑)。
だけれど、その…チャンプル感、ごった煮感、順度が低い、混じりっけ有りな感じ…そういうのは何だか素敵だなあ、と真剣に思ったりもします。
純度が高いものよりも、いろんな人が集まって、混ざり合っている雰囲気が、僕は好きなのですね。
カッコ悪い自分もさらけ出してしまえるような、安心感もまた。
実は今日、今年の劇団いもやの打ち上げがありました。
今年の上演をみんなで鑑賞して、笑いました(みんな客席視点で見るのは初なので)。
ご飯を食べながら、次作のアイデアを(悪のりしながら)考えて、笑いました。
来年の年末も「ども興行」に出ることができたらいいな、と思います。
続けていけたらいいな、と思っています。
みんなが健在で、そういう自由な世の中でありますように。