僕はその時、アフリカ大陸を旅行中でした。
アフリカの真ん中へん、ビクトリア湖の近くにある小さな村で孤児院の手伝いをさせてもらっていたのです。
ある日のことでした。
子どもたちがうひゃうひゃ言いながら集まって地面に這いつくばっています。
「何やってんの?」と、近寄ってみると・・・彼らは、アリの巣をほじくっています。
で、そこからわらわらと飛び出してくる羽アリを、先を争い口に放り込んでいたのです!
「うわ!」
いたずらっ子が僕の口にも一つまみ押し込もうとするのを年上の子が制して、「こうやって食べるんだよ」と虫の一部をむしってから僕にくれました。
口に入れると、はたしてその味は・・・「う〜ん、まぁまぁ」。
ギラつく赤道直下の太陽の下で食べたアリ、匂いはあんまりなくて、ちょっと甘かった気がします…。
虫食。
たいていの人は「うぇ…」と顔をしかめるけれど、世界中で子どもたちにとっては貴重なおやつです。
大人にとってももちろん御馳走で、炒って塩で味付けたものは地酒を飲むときのおつまみにちょうどよかったりします。
アジアでもアフリカでも、何種類もの「虫」がバケツに山盛りで、市場で堂々と売られているのを目にしました。
よく食べられるのは、バッタやコオロギ?の仲間かな。
そう!「虫食」は、世界中いたるところに今でもある習慣なのです。
20年くらい前に「虫入りキャンディ」が流行ったことがあって(飴の中にイモ虫=ミールワームが入っていた)あれは「キワモノ」として流行ってたけど、あんなのは実は本来、ゴチソウの部類なのだと思います。
調理方法も、炒ったり焼いたり蒸したり煮たり、スープに入ってたり、といろいろあるけど、一番食べやすいのは「油で揚げる」でしょう。揚げてしまうと、人間はたいていのものをまぁまぁ美味しく食べられる!
これはホントです。
天ぷらにすると何でも結構旨いでしょ。
・・・と、いうわけで。
採取した「ハチノコ」を食べましょう。

まずは乾煎りで・・・。
生でも食べられると言いますが、やはり少し熱を通した方が「安心感」がありますので。
このあたりのリスク回避は結構重要だと思います。

美味いです。
ちょっと癖はあるけど、白子のような、濃厚なミルクのような。
タンパク質の塊ですからね。
美味しいけど飽きるので、たくさん食べるには揚げるのが良いかもしれません。
天ぷらに。
美味いです、普通に。
醤油味の佃煮にもしてみたけれど、素揚げくらいが一番旨い気がします。
どんどん生きが下がってしまうので、残りは冷凍しました。
これで好きな時に食べられます。
まあ、今の日本じゃキワモノ扱いの「虫食」ですが、身の周りにいる虫のほとんどは、実は食べることができるようです。
僕もさすがにまだ食べたことないけど、ハエの幼虫(=ウジ)などはかなり美味しいようだし、すりつぶしてお団子にしてもいいかもしれません(つみれ風)。
厄介者のカメムシなんかも上手に臭みを取れば食べられるみたいです。
イナゴの佃煮なんかは、今でも信州や東北で売られていて、あれはふつうにご飯のおかずです。
だって、エビみたいなものですからね(足が口触り悪いのもエビに似てる)。
日本だって、かつてはなかなかの虫食国だったのに、もったいないですね。
そもそも、ヒトの食生活において、昆虫食は重要なものでした。
虫は、もともと人間の主食!だったという話も聞いたことがあります(そこから果実食となり、狩猟肉食、農耕穀物食をするようになっていった、と・・・)。
タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル…僕らが必要とする栄養のほとんどが、虫の体には含まれているのだそうです。
そんなわけで、「貴重な食材である虫を見直そう!」とする動きがあります。
豚や牛に比べ、タンパク質を効率的に生み出してくれるため、養殖すれば人類の食料問題・環境問題を解決するかもしれないのです。
僕も、以前からの課題としての「虫食」、勉強していきたいと思っています。
発酵食もそうなんだけど、「ゲテモノ」としてじゃなく、食文化の研究として、マジメにね。
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