2013年05月25日

勢力争い。

一気に暖かくなってくる季節は、嬉しいと同時に、一つの恐怖が僕を包む時期でもあります。
草。
草たちが、本当にどんどん伸び始めるのです。

茶色だった畑が緑に覆われていく・・・
これはこれで(たとえ草だろうと)嬉しくもあるのですが、やはりここは畑。作物を植えてナンボの場所です。
「草とだってできる限り共存していよう」
なんて思うのものだから、(それに草取りに費やす労と時間がもったいないから)放置してしまって、ついつい気づくと大変なことになっています。
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「うわーーーー。ただの野原になってくよ―――!」



まあ、もともとここはそういう土地
たくさんの草が生え、虫やミミズ、小動物たちが「自然に」生息していたであろう土地。

そんな土地を僕らは「畑」という人工的な空間につくり変えます。
人間が、喰って、生きていくために。

今日も明日も、「畑」にとって邪魔なものたちを引き裂きながら、僕は耕運機を動かします。
(小さな機械なので、これだけでも1〜2時間かかります。トラクターなら5分かなあ)
今年も、畑を耕し、起こす(畑として目覚めさせる)季節が始まっています。
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5月初めまでに1度軽く起こしておくとその後の草の生育も抑えられるし楽なんだろうけど、そんな時間はとれないので、結局この時期にいつも苦労するのでした・・・。

まさに今の時期は、「草(自然)と人間の勢力争い」です。



そして、最近日中は外で暮らしている元気なピーヨたち(はげまし学級チームはハウスの中でピヨピヨ)。
移動式のケージ内の床をホントきれいに草取りしてくれます。
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わかりづらいかもしれませんが、昨日までの3日分の「チキントラクター」の成果です。スゴイです。
もうちょっと大きな移動式ケージがあれば、畑でも十分働いてくれそうですね(作物植える前限定ですけど…)。



「畑」にした場所に、今週末は体験塾で、残りのジャガイモと青大豆、トマト類、キャベツ、レタスなんかを降ろします。
来週から暖かくなることに期待!(今日も寒いぞ)

posted by 野良人イトウ at 05:45| Comment(3) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月16日

寒さの春にオロオロ歩き。

本当にもう、参ってしまう。
昨日少し暖かいなーと思ったら、今日は再び雨。
寒い。畑が乾かない。地温があがらない。
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気温も地温も、10℃ちょっと・・・

苗も、寒さに強いものはどんどん伸びちゃう一方(根が巻いちゃうよ〜)、ある程度の温度が欲しいものは全然生長しない。
寒いけど、大きいものは時々外へ出して風に当てている。出したり入れたり、忙しいけど…。
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先日、2階の暖かい部屋に置いていたヒヨコを縁側に移動させた。
自分も同じ2階の部屋で寝てたのだけれど、さすがに「鶏臭い、限界かも…」と思ったからだ。体も大きくなったし。
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でも、縁側、寒いのだ。
今の時期になれば、日中はもっとしっかり温度が上がるはずで、「日向ぼっこ気持ちいいな〜ぴよぴよ〜」ってなるはずだったのに。
なのに、寒い。
朝晩が室温一桁なのは仕方ないとしても(夜は毛布でくるむので平気)、昼に温度が上がらないのは困る。数時間晴れ間が出れば温室や縁側は一気に暖かくなるのに、・・・ならない。
おかげで、ヒヨコも若干元気がない気がする。
元気な10羽は狭いカゴから出られずストレスフルだし、弱虫の5羽は、「寒いよー」って震えている。



本当に、太陽が恋しい
晴れておくれ―・・・(悲痛な叫び)。



けど、毎年出る「野良生え」のゴボウ。
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こぼれダネのこの子たちは、ちゃんと自分のタイミングを知って、こうして芽を出す。
秋にタネ採りして、手間かけてポットに播いたゴボウよりずっと元気だったりする。
地温、こんなに低いのにね。
う〜ん・・・、「人為」「農」の意味と限界を考えさせられるよなあ。



そうなんだ。
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僕らが「寒い寒い」「暗い暗い」とブーたれ、憂いでいても、ちゃんと畑は緑に塗られていく(ほとんどザッソウだけど)。
漠然と、「生命に対する敬意」を植えつけられる時期なんだ。
あなたたちはスゴイよ。

明日晴れたら、畑を起こそう。
(雨は今朝やんだけど、濡れててできないからね)
僕なりに、生き抜くために。



posted by 野良人イトウ at 07:22| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月01日

「仕事」と「暮らし」。

先週土曜日、体験塾の今年の通年プログラムがスタートしました。
会場はもちろん、ここ。
体験塾を行う施設、長沼コモンハウスと呼んでいる場所。そして、それは日々暮らす僕の住処。
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僕はここで、鶏を飼い、苗を育て、醤油や味噌を醸しています。
瓶詰めしていた去年のトマトでパスタを作り、小麦を挽いてパンを焼いたりします(あ、パンを焼くのは相方ですけど)。
小屋や家を自分で細工してみたり、薪を割ったり、ソーラーパネルをいじったり、ウンコをコンポスト化したりしながら、「どういうやり方が気分よく暮らせるのか」「どうしたら100年後の人たちに胸を張れる暮らしができるのか」「お世話になったアフリカや世界中の友人から奪ったりせずに暮らしていけるのか」・・・試行錯誤しつつ、日々を送っています。
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つまり、体験塾の活動の7〜8割は僕の暮らしと結びついていて、それがそのまま「教材」となることが多いのです。そんなわけで、体験塾は僕にとって「仕事」であると同時に、「暮らし」そのものだったりします。

ただ、問題は、その「仕事」という側面。
通年で受講して下さった方とは、だんだん「単なる主催者と参加者」以上の嬉しい関係になるので、「どうぞどうぞいらして下さい」「こんな企画やるんでどうですか?楽しいですよー」と、参加費なんて関係なく何にでも誘いたくなるのですが、「仕事」でもあり僕にとって貴重な現金収入源の一つである以上、それなりにお金もいただかなくてはならないわけでして、そのあたりが非常にムズカシイ。僕にとっては、一番苦手な分野だったりします(公務員あがり故の悪癖なんだろうなあ)。



それはともかく、今年も2月から少しずつ準備してきた「体験塾2013」、いよいよ開講いたしました(メンバー固定しての本格始動は5月25日!)。

例年この時期は塾の準備や苗管理などでバッタバタなのですが(落ち着いてる時があるのかといえば…ないけどね、この時期は特にね)、いつにも増して今年はひときわ慌ただしい開講前1週間となってしまいました。
何故なら、急遽、年間スケジュールや募集要項を大幅に変更したからです。

別に隠すことでもないので書いてしまいますが、その理由は、「思うように受講生さんが集まらなかったから」です。
開講1週間前で、「これじゃあやれないかも〜・・・」と、本気で困ってしまう状態(受講生数)だったのです。

特に大きな助成金をもらっているわけでもないこの塾は、受講される方からいただく受講費が収入のほぼ全て、です。
そしてその額は当初の予定で言えば、「お一人年間9万円×15名」で、135万円(←もちろんこれは、定員いっぱいになった時の収入)。
ここから講師謝金や資材費、諸経費を引いて、残るのは・・・せいぜい100万円弱。
体験塾は、HEPPという法人の事業でもあるので、受講収入は法人の会計に一旦入りそこから僕の「人件費」を一定額いただく・・・てな具合になっています。
15名受講される方がいてようやく100万円弱の利益(=人件費)を出せるのですから、受講生が半分であれば、当然、人件費だって大幅に削らなくてはならなくなります。

じゃあ、「受講生半分で収入も半分なら、半分の労力でやればいいか?」って言えばね、できないのですよ。
結局、僕は15人だろうと5人だろうと同じように塾運営に時間と手間をかけるだろうし、「そうあるべき」と考えています(だって、受ける方にとっては一緒でしょ)。
だけれど、僕の生活としては、収入が半分になったなら別な仕事をして稼がなくてはならない状況になりますから、これはもう、どんどん追い詰められちゃうのですね。
・・・う〜ん、困った。

そんなわけで、苦肉の策として出したのが「改訂版プログラム」でした。
回数を半分にし、受講費も半分。
受講しやすいお手軽なメニューにしてみたわけです。
月2よりは月1の方が僕の時間も多少はゆとりが出ます。よって多少稼ぎ仕事を折れられます。
既に受講を決めて頂いてた方々にも、これは実は喜ばれました。
「全部出られるか不安だったけど、これなら参加できそう」と、新たに申し込んでくださる方も現れました。
確かに隔週末のプログラムと10万円くらいの受講費、これはかなり思い切らないと参加できないでしょう。相当高いハードルだと思います。

・・・定員には未だ達していませんし、経費的には紛れもなく厳しい状況ですが、とにかく方針が決まって動き出し、今年の塾が始まりました。
そして、(少し少ないながら)とっても素敵な参加者の方も集まって下さり、大いに楽しくなりそうな予感がしています。あ〜良かった良かった。



「んじゃー、最初からこのプログラムにすりゃ良かったね!」
と思われるかもしれません。
(僕もちょいと、そう思ったりもします。)

けど、そんな簡単でもないんですよね。
やっぱり、「体験塾らしい学び」を確立するなら、18回くらいはやる必要があるように思っています。
外部講師の方の講座を組み、畑をして、田んぼをやって、食品加工をして、タネをとって、みんなで食べて、すべてを循環させて、途切れずに継続していく暮らしの体験・・・。それをしっかりやるには、18回だって足りない気がします。
でも、結局全10回に圧縮しました。
それによって参加できる方が増えるのなら、きっとそれは正解!なのだと思います。

10回では入れられなかった田植えや稲刈りは、別枠のイベントにしました。
月1では間の空いてしまう栽培関係は、間に自由参加の日を入れることにしました。
で、「僕のやること」は、18回→10回になっても結局さほど変わらないのでした(苦笑)。
だけど、気持ちはなんだかスッキリしています。
<仕事>と<暮らし>、振り分けるのが不可能なことをしているのだという自覚や覚悟が、あらためてできたからです。

「体験塾」は、僕の仕事であると同時に、生きる目的の一つ。
この場所は、「体験塾コモンハウス」であると同時に、僕が暮らす場所。
得られるお金が少ないのなら、その2つを融合していくことです。


できるだけお金を使わない生活を実践し、「僕の暮らし」自体を教材化していく。
閉じずに開き、シェアしながら伝えていく。
そして、共感してくれた方から、ちょうどいい塩梅の現金をいただく。
今更だけど、それが今のところ、唯一の生き残る術なんだろうなー。

その「ちょうどいい塩梅」ってのがまた、ムズカシイんですがねえ。

ともかく今年も始まります。
自分の「暮らし」をエンタテインメント化すること、それが僕の「仕事」です。


posted by 野良人イトウ at 18:49| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月30日

ヒヨコと原発とTPP

ヒヨコは(今のところ)とても元気で、「嬉しいことこの上なし!」という感じです。
今回は床がうまく発酵していい具合の発熱をしているので、ヒヨコたちは遊び疲れると「ぺたーん」とぼたもち状態で眠っています。
う〜〜〜ん、カワイイ・・・。
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今回15羽のヒヨコを譲ってもらったのですが、たとえばこのまま皆育って卵を産むようになれば、日に10個以上の卵を得ることになります。それは「自給用」としては多いので、おそらくちょぼちょぼおすそ分け販売することになると思います。
自給用としてなら、今いる大人のCoccoさんたち3羽(そのうち2羽はもうおばあちゃんですけど)で十分。毎日1〜2個の卵を得られるので、それを大事にいただきます。お菓子づくりなんかでたくさん使いたい時は・・・1週間ほど貯めておけばいいんですね。
別に毎日卵を食べる必要はありません。
Coccoさんが体を酷使して産んでくれるのを見たら、とてもじゃないけど「バクバク食べるものじゃないなー」と感じます。大事に大事に食べたい。
卵はきっと、そのぐらい「高価値なもの」です、本来。



ところで、先日観た『東京原発』という映画があんまり面白かったので、つい中古DVDを見つけて買ってしまいました。
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ネタバレになるので詳しくは書きませんが、映画としては、「超B級」という感じ。
ストーリーも登場人物たちも「よーく練られている」というよりは漫画的(といったら漫画に失礼かと思うくらい)なあり得なさなんだけれど、頭空っぽでもゲラゲラ笑って見られる感じがむしろいいし、発せられる言葉の端々にドキっとするようなリアリティがあって、全体のバカバカしさがそれを際立たせるので非常にシュールな世界になっていると思います。
とにかく、なかなかの娯楽映画。
人に貸せるようにと思って買ったので、見たい方はどうぞ!貸出します。

もしも泊原発で事故があったら、ヒヨコを育てて卵を得ることも、微生物の力をお借りする暮らしも立ち行かなくなるわけで・・・どんな事しても再稼働は防がなきゃ、と思うこのごろ。暮らしは電気によって成るものではありませんから。



原発のこと書いたので、ついでにちょっとTPPのことも書こうかな。
僕はこのブログの趣旨というか自分への基本ルールとして、「自分が日々やってることを通して見えたものを記す」ことにしています。なので、TPPにしても原発にしても教育問題にしても、単に新聞やネットの記事を読んだりして(テレビはない)考えたことなどはできるだけ書かないことにしているのですが・・・
少しだけ、書きます。

TPPの問題は、なかなか難しいと思います。
原発なんかは、おそらく基本的にはほとんどの人が「反対!」「ない方がいい!」と感じてるはず。
「電気がなきゃ困るし…」「産業が停滞するかもしれないし…」みたいな理由で「まぁしょうがないんじゃない…?」「ちょっと怖いけど、(自分は)大丈夫なんじゃない?」と考える人は多いかもしれませんが、よっぽどの○○でない限りは「放射能?…恐るるに足らず。むしろ体にいいし、原発大好き!原発産業万歳!!」なんては思わないでしょう(国会議員の中に残念ながらこの「よっぽどの方」がいたりするので困りますが)。

けど、TPPについては、「よくわからないけどメリット大きいような気が?するような気がするかも?」って人も含めて、「賛成」「推進すべし」って人がかなり多いように感じます。
さらに、「反対」している人たちの理由が多様なので、なかなか広く訴えられないのが現状のように思います。なんだか「農業vs他産業と消費者」みたいな構造にされてますしね。
僕だって、たとえばJAが「大地を守るために!(TPP反対!)」なんてエラソーに言ってるのを聴くと白々しく感じてしまいます。JAが牽引してきた日本の農業は、決して「大地を守る」ような方法ではなかったと思うのですが・・・(まあ近代農業の国はどこでもそうですけど)。



僕は、2年前にTPPについて知ったとき、もちろん大反対でした。
けど、その後しばらくは迷っていました。迷っていたというか、「自給暮らしをする身には関係のないこってす」と感じたし、「どうせ自由貿易で散々世界中の環境や文化をぶち壊してきてるんだから、今更だよなあ」とも思ったからです。
「一度この大量消費社会をぶっ壊すのには、とことん悲惨な状況になる必要があるのかも・・・TPPはそのいい機会かもしれないなあ」なんて思ったりもしました。
実は、今でもその思いはあります。「やっぱりTPPが特別に問題なわけじゃないだろう?」と思っています。

けど、賛否をはっきりさせるなら、やっぱり賛成はできないです。
その理由は、「日本の食料自給率」のためでも「日本の農業を守る」ためでもなく、「自由貿易なんてクソくらえ!」と感じるからです。

まず、「貿易」自体がやっぱり超不自然な物質循環で、特に高開発の豊食の国の土地が富栄養化する一方で砂漠化のすすむ地域が増えていくという現実があります。
貿易によって生態系は地球規模で乱れていくし、世界中の伝統的な文化も地域社会も破壊されていきます。

「変化」が必ずしも悪いわけではないとしても、問題はその度合い。自由主義経済において貿易によってもたらされるのは、今のところ決して「節度ある変化」などではないでしょう、欲望のままに他者や未来を食いつぶしている状態です。
そんな「自由」な「貿易」による無法状態に歯止めをかける最も現実的な方法が、「関税」なのではないかと思います。それぞれの国が、多国籍企業から国民の暮らしや産業、文化、自然を守ろうと考えたとき、高税を課して輸出入を抑制するのは当然のことだったはずです。(さもなくば鎖国?!)

だから、外国で日本の工業製品に高い関税がかけられて売れなくなるのも仕方のないことじゃないかと思うのです。産業振興を図るある国が「外国製品よりも(質が悪くても)自国のものを」と市場操作するのとか、「伝統的な文化を守る」という理由で欧米的な文化が入り込むのを制限するのとかだって、仕方のないことな気がします。

一昨年、ブータン国王が来日した際に、あの国の「幸福度」をもてはやした人達、メディアは今、TPP問題に対して何を訴えているのでしょう?
あの国に、欧米の価値観や商品がなんの歯止めもなく流れ込んでいったら・・・(ヨーロッパの国々はそうやってアジアやアフリカの地域文化を破壊していったんだよなあ)。



僕は、数年前に世界中を旅したとき、アジアやアフリカ、中東、中南米などの小村で育まれてきた文化や風習を垣間見せてもらいました。
その土地その土地で得られる食材を使い培われてきた食文化を、本当に豊かなものだと感じました。
「豊か」というのは、欧米風の近代的な感覚から見たときのグルメな「豊かさ」などではもちろんありません。
モンスターさながら欲望のままに、消費していくためだけの搾取を繰り返し続けることで成り立つ多国籍企業がTVCMに載せて提供してくる「モノ」「タベモノ」とはまったく違う、地域の環境と暮らしに基づいた物や食べ物たち。知恵と歴史の産物
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火を囲み太鼓を叩いて歌い祈りながら飲んだ地酒も、村で獲れた小魚で作られたスープも、圧倒的な自由主義経済によって、近い将来消えていくのかもしれません。
TPPの問題は、そんな「豊かとは何か」を真剣に考える機会になり得ると思うのですが・・・。
「誰が儲かるか」ってことだけに焦点が当てられてるのが現状。本当に残念な話です。

大規模で大量生産できる「強い農業」や外国の富裕層に売るための「高付加価値農産物」をつくる生産者が支持され(そこに大量の補助金が注ぎ込まれ)、「本来の有機農業」の思想に則って小規模で行う生産者などは淘汰されて当然…となるのでしょうねえ。
(GDPに計上されない自給養鶏などは最初から「無価値」という扱いなので影響はないかもしれませんが、もしもこの先それが多くなってきたら「企業に不利益」だとしてISD条項によって少数羽を個人が譲り受ける事が禁止されたりするかも…)



裸足でいることに何の不便も不幸も感じていない人たちに、「靴がないなんて、なんて気の毒なんだ!この靴を履いて暮らせばこんなスバラシイ生活になりますよ!」・・・と自由に商品を売りつけにやってくる商人。
そんな「自由」はクソくらえ!なんだけどな。
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posted by 野良人イトウ at 06:48| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月14日

「必要をつくる」んじゃなく「必要ならつくる」。

たとえば、
「あー、カレンダー足りないねえ」
となったとき、
「買ってこなきゃ」
とまずは思っちゃうのですが、
「まあ、でも作ればいいかあ」
と思い直して、すぐに思考はそのデザインに向き、足は材料探しや調達に向かいます。

そんなことが習慣化しています。

なんでもそうなんだけど、「ここにあんなものが必要だな!」と思ったとき、それに合うものを<買う>のじゃなく<つくる>のはとても楽しいこと。
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ちなみに、<創作団ダイダラボッチ>は、モノづくりするときの僕らの屋号です。
ヒョウタンランプも味噌もドブロクもフェルト細工も、<創作団ダイダラボッチ>。
メンバーは、ニンゲン(若干名)とネコとニワトリとタネとミミズとコウジキンとコウボちゃんと・・・う〜ん、他多数。いや無数の僕の周りのイキモノたち。

「必要なものを買う」よりもまずは「つくる」という発想なのだから、「必要(需要)をつくる」なんてこと言われると、口がぽかんと空いてしまいます。
ずいぶん不可思議な発想じゃないかなあ。



新政権は、自らを「危機突破内閣」と呼ぶのだそうな。
金融緩和とか公共事業を増やしたりとか、経済に疎い僕には「なんとも前時代的な…」としか思えないのだけれど、たとえそれが「経済を活性化」させるとして、それが何になるのでしょう?
僕にはさっぱりわかりません。
バブル崩壊後、今までだって、それなりに景気がよかったり悪かったりしてきてるはずなのに、一般市民的にはひたすら「低迷してく感」ばっかり。どういうことなんでしょう?

テレビ持ってないから人の家にお邪魔した時に流れてるのを見ると、街頭インタビューなんかで「新政権には是非この不況を何とかしてもらいたい!」とか「景気が良くなって欲しい!」とか普通のオジサンオバサンが話してるのだけど、そこでいう<景気>ってのが何なのかすら、僕にはさっぱりわかりません。
感じるのは、「政府や経済学者が言う<景気上昇>と、この(インタビュー受けてる)人の思い描いてるものは違うのだろうなあ」ということ。
結局さ、庶民にとっては「モノが売れる」こととか「流通が活性化する」とか「企業所得が上がる」なんてことはどうでもよくて、要は「所得が上がる」ことが重要なんですよね?当然のこと。
一部の企業の儲けが多少上がったところで、それはそのお金が一般市民の方々の懐に入るのとイコールなんかじゃないと思うんだけどなあ・・・(つまり格差ばっかり広がるって話じゃ?これまでみたいに)。

まして、「無理やり需要を作ってモノをたくさん生産して買わせる」「モノもお金も動いて経済が活性化してみんなハッピー♡」・・・そんなやり方、この先も続けられるとは思えないのですけど。



僕は経済の話には弱い。経済誌とか読んでも全然面白いと思えない。だからこれは経済政策に対する考察なんかではありません。
ただ、感覚として、「必要なかったはずのものを必要な気分にさせられて買わされる」「誰かがたくさんつくって誰かがたくさん動かしてきたモノをたくさん買いそろえて暮らす」「たくさん儲けてたくさん買う」・・・なんてのは「つまらない!」って感じるだけです。

それよかさ、自分の手でつくった方がずっと楽しいって!
自分ではつくれないとしても、人となりの分かる人が大事につくってくれたモノをそれに見合うお金を払って買う方がずっと嬉しいって!

別に何してくれなくてもいいからさ、そういう暮らしの邪魔だけはしないでくれよな、安倍さん。
ほんとお願いします。

posted by 野良人イトウ at 07:45| Comment(1) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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