2013年09月18日

落水の記憶。

稲刈りの2週間前だったので、先週日曜に「落水」をしました。
田んぼの水を抜いて、稲刈りに備えて田を乾かしていくのです。
水を抜くことで稲の登熟が完了し、熟れすぎも抑えるとのこと。倒伏防止にもなるので、これから稲刈りまではあまり雨は降らないでほしいものです。

晴れが2日間続き、水はすっかり抜けていました。
このまま順調に乾いてくれたらいいのですが。
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さて。
「落水」は米作りにおいては「オトシミズ」と読むことが多いようです。
田から水を落とすのですから、わかりやすい読み方ですね。
でも、僕はこの文字を見ると思いだす景色があります。
それは中国雲南地方にある「濾沽湖(ルーグーフー)」という湖周辺のこと・・・
バスに乗るとき必ず保険に入らされる、やっぱりね.JPG

山また山.JPG

落水に戻ろう.JPG

たしかモン族の方々が多い土地だったと思います。
麗江という町からバスで7時間ほど崖のような道を走り続けてたどり着いたそ湖畔の、集落の名前が落水(ルオシュイ)でした。

そのころ、何だか精神的にあまりいい調子ではなかった僕は、濾沽湖周辺で随分いやされたことを覚えています。
落水から4〜5時間歩いて隣村へ向かう途中の集落で出会った人たちとのかかわりも素敵なものでした。
笑ってくれた。.JPG

蛙をさばくおじさん.JPG

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湖はとにかくキレイで、あまりの空の青さに涙が出そうになったことも記憶しています。
チベット文化も入ってきているらしく、ところどころにタルチョがはためいていました。
うわあ….JPG

空があまりに大きい….JPG

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「オトシミズ」のタイミングを計りながら、「ルオシュイ」のことがボンヤリと思い出されていたここ数週間でした。
あの地に生きる人たちが、クダラナイ文明に飲み込まれずに今も同じように幸福な笑顔を交わしていますように・・・。



そして田んぼは・・・
ちょっと遅いのですが、稲刈りは29日(日)に決めました。
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まずまずの出来のようなので、収穫が楽しみです。
posted by 野良人イトウ at 20:50| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月14日

イキモノを喰うこと。

「うにゃにゃー」
何やらモゴモゴしゃべりながら猫のコーネリアが帰宅。
ああっ、やっぱり口に何かを咥えています。
今朝も鳥だ・・・。

1日1羽は捕まえるんじゃないか?と思っていたら、最近はいとも簡単に飛んでる鳥もジャンピングキャッチするようになったので、日に何度も捕まえてきます。
その度、誇らしげに僕らの周りをウロウロ。報告してくれるのです。

そして捕まえた鳥は・・・

もちろんムシャムシャ、バリバリ・・・
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以前は、捕まえてきたら「わーやめてくれー」と取り上げて、生きてるものは逃がしたり、死んでるものは埋めたりしてたのです(取り上げても「いいよ、あげる」って感じ)が、最近は「食べたらいいんじゃない」と思っています。

家のアチコチに食事跡が残ってるのは、片づける身としては嫌なのですけど。
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でも、「肉食動物が狩りをして捕えたものを食べる」という当たり前の姿を見られるのは悪くないかな、とも思っています。
それに、キャットフードのような「死物」のみを食べているって、よく考えたら恐ろしいことですよね。
栄養云々の話ではなく、「イキモノが生きているものを食べる」ということは本来欠かせないハズなんだということを僕は鶏のヒナを育てながら何度も感じました。
どんどん弱っていくヒナが、堆肥(微生物の塊)やミミズを食べて元気を取り戻すのを見た時、単純に栄養学的な視点では見えてこない生命のエネルギーのようなものの存在を感じずにいられなかったのです(もちろん酵素の関係とかもあると思いますけど)。
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それは、もちろんペットや家畜のエサ、飼い方に示唆を与えてくれる経験であると思いますが、もちろん人間にとっても同じことなのでしょう。
現代の人間が自己を「家畜化」した生物だとして、だけれど出来るだけ自然の力・生命力を信頼して暮らすのか、それとも近代的飼育のように環境管理を徹底して暮らすのかでは、きっと大きな差があるはず。

僕は、ウインドウレスの完全管理状態で飼われる鶏よりは、放し飼いでミミズを追いかける鶏でありたい、と思います。
社会としても、人間を「野良化」していく方向に明るさを感じるのですけど・・・。


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虫も結構好きです。
posted by 野良人イトウ at 08:08| Comment(4) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月01日

今日も空振り。


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こんな写真を見れば誰だって、「お気楽に遊んでていいねえ」と思うかもしれません。
でも、この時(昨日の8時半ころ)の僕は、実はあんまりお気楽ではなかったりします。
いやむしろ、かなり気が焦ってて「困ったなあ」という心境だったりしたのでした。

「暇でノンビリ」なんて時がないのはもう当然と思っているのですが、このところはまたやけに忙しい毎日なのです。
「アレもコレもやらねばー」と思いながら、その半分もこなせない日々が続いています。
例えば、畑の除草も途中で留まっているし、秋野菜の播種も7月中にしたかったのにできず、ニンニクやラッキョウ、小麦の収穫も中途半端…、そして今週末の体験塾の準備もかなり遅れがちです。
ドラム缶の五右衛門風呂も週末にやりたいことの一つなので、その予行演習をしてたわけです(・・・いや五右衛門風呂をやらなきゃならない理由なんてないかもしれないのですけど、僕の頭の中の展開では諸々の理由により「五右衛門風呂はあるべきだ!」と思っちゃったので)。

なので、五右衛門風呂に浸かりながら、頭の中では「今日も全然仕事すすまなかったなー…、風呂あがったらアレとコレ(パソコン仕事)は今日中にやっちまわんとなー…いやー参ったなー」などと不安げにグルグル考えていたりしたのでした。ぐるぐる。



忙しさの理由は簡単で、単純に自分のキャパを超えた仕事をやろうとしてるからだとわかっています。

昨日なども、朝7時半から学童保育の仕事に出かけ、退勤後は帰宅途中で福島キッズの受け入れボランティアの打ち合わせをして13時半過ぎに帰宅、大急ぎで昼食を掻き込み、畑の雑務をしばしやって今度はカイロの治療へ。17時半に戻ってからは1時間ほど麦刈り、その後火起こし体験の準備をして(上手くいかないので諦めて)五右衛門風呂の予行演習となったわけです。そして風呂の後はパソコンで諸々仕事。
まあ、今日もおおむね似たようなバタバタとした1日でした。
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(弓切り式火起こしが上手くいかないのね…)



「すべきこと」は見えていてそっちに向かっている確信はあるのだけれど、追いつかず。
やれどもやれども、「ああ、今日も全然終わらなかった・・・」という思いばかりが積み重なる・・・てなことになりがちなんですね、気を許すと。
だってホントに、毎日、やろうと考えてることの2〜3割くらいしかできないんだもの。

ついつい「できなかったこと」ばかりを見ちゃうんだけれど、やっぱり「積み上げてること」もしっかり自覚しないとね。
そして、計画段階で仕事量を減らすことも考えないとね。
優先順位をちゃんとつけてさ。
(五右衛門風呂は優先順位高いよ!)



今日は午前中、学童で子どもたちと楽しく過ごした。
昼からは大学生を受け入れて、小屋に土を盛ったり火起こし実験の手伝いもしてもらった。
彼らは梅ジュースを美味そうに飲んでくれた。
そして今、自分の考えを整理するためにこうしてブログを書いている。

それでいいじゃないか。

今日もダイコンやハクサイの播種、できなかったけど。
ニンニク放ったらかしだけれど。
草もボウボウだけれど。
掃除もまだまだだけれど。
火は結局、点かなかったけれど・・・。

それはそれでいいじゃないか。

今日はとても良い日だったし、今日の経験はこの先の糧になるはずだ。
それでいいじゃないか。

頭の中はグルグルでも、五右衛門風呂自体はほんとに気持ちが良かったし、実際にやってみなきゃわからないこともたくさん発見した。
やって良かったよ。

・・・と、慰めつつ、寝る前にもうひと頑張り。
イイこともイクナイことも内包しつつ、僕らは明日へ向かうのだ。
そんなものなのだ。


posted by 野良人イトウ at 21:34| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月15日

見えぬけれども。

どこでも農業関係の方は困っていたでしょうけど、2週間以上まともに雨が降らなかったから、ウチもからっからに乾いてました。

6月初めに植えたピーマンなどもしおれてきてて、やむを得ず水をやりました。
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通常、僕は定植後、ほとんど灌水はしません。しっかり根を伸ばしてほしいと思うからです。
でも、割と乾燥が好きなピーマンなどは、この畑の粘土では水はけ悪すぎてちょっと雨が降ると水分過多になるので、高畝にしています。乾燥しているところに高畝にして植えてしまったので、根も伸びようがなくってしおれてしまったのですね。
「強く育てよ!」
と厳しめに扱いますが、枯れてしまっては元も子もありません。


けれど、枯れかけの野菜に水を撒きながら、畑のアチコチ、敷地内のあちこちで茂る草を見ていると、「天晴だなあ」「こうならないものかなあ」と思います。
カラカラの地で、踏みつけられながらもしっかり生きている雑草たち。エライもんです。
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スギナなんかもね、ちゃんと水源見つけて、こうやって地表まで運んでるんですよね。
スゴイよなあ。
スギナは好きな草の一つです。
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「それに比べて栽培作物は・・・」
と思ってしまいますが、雑草に比べると弱っちい「栽培作物」だって、実は案外たくましいもの。
特に、播種後放置され、こんな雨の降らない時期に少量の水分で芽を出してきた豆類なんかは、実にしっかりしています。
もちろん発芽に時間を要しますが、地表に芽を出す前にしっかり根を伸ばし、自分が生きるための水源を確保しているんですね。
だから、2週間雨なしで、地表がからからになったって、全然平気なわけです。
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僕らはどうしても、目に見える部分だけで判断してしまいます。
「なかなか芽が出ないなー」とかね。

目に見えぬところで伸ばしている根、それをイメージできる想像力を持ちたいものです。
きっと人間も同じ。
心の中で伸びている根、それはなかなか他者の目には見えにくい。

見えぬけれどもあるんだよ。(byみすゞ)
そう思える人間でいたいな。



今日の雨、ほんとに恵みです。

posted by 野良人イトウ at 07:17| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月08日

水によってつくられた文化。

ここ数日、日に何度か田んぼに足を運びました(田んぼまでは車で20分)。
水の管理をするためです。
(ホントはもっと除草もしなきゃならなかったんだけど、それはちょっとだけ。諦めました…)

水曜日に苗をいただいて自分の田んぼの「水貯め(正式な用語は知らない)」のところに入れたのですが、見ると肝心の田んぼに水が全然入っていなかったのです。
その数日前に行ったときはちゃんと水位があったのに、どういうことでしょうか。
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奥の方はほとんど水、ない状態・・・。
水門よりもずっと低い水位なのです。
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「どこか畔が決壊して漏れているのか!?」
と思い、スコップを手にぐるっと見てまわったけれど、そんな様子は見当たらず。
どうやら上の田んぼから流れてくる水の量が圧倒的に少なく、またこのところの暑さで蒸発が上回ってしまったようです。

あわてて、別な用水路から水を引き、田んぼに流し込みました。
水貯めに水がいっぱいになると、田んぼの方に流れていきます。
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その時、水が(下の田へ行かずに)ウチの水貯めに留まるよう、下側の水門は高くしておきます。
「自分の田へ引き込むための水門」「下の田の水貯めへ流す水門」それぞれの高さを調整して、田の水量を確保するのですね(・・・ということがやりながらわかりました。う〜ん、伝わるかなあ…)。
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でも、用水路を流れる水はもちろん僕だけのものじゃなく、僕のやり方次第で下の田は水不足になってしまったりします。
オカシナものを流せば、それは皆、下の田の人たちを困らせることにもなります。
会ったこともない、上下の田んぼの方と、僕らは水をシェアする共生関係にあります。

水は、誰にとっても命のようなもの。
用水路を皆で維持・管理する農村の習慣がはじめてちゃんとわかったような気がしました。
そして、時に閉鎖的・排他的になってしまう「ムラ社会」にも一定の理があることも、当然に思えてきます。
だって、自分の上の田の人が傍若無人で他の人のことを考えないような水の扱いをしたら、大変だもの。
アヤシイやつはできるだけ入れたくない、と感じるのも仕方がないことかもしれません。
「日本人の特性」って、こういう用水の管理から形成されてきた面がおおきいのでしょうね。



以前は大っ嫌いだった「日本の村的感性」
「温故知新」なんてクソ喰らえ!…とも思ってました(「温故」ってとこがキライだったの)。
「古い習慣なんてぶっ壊せばいい!」なんて思ってたのは若気の行ったり来たり。
今はようやく、「くだらねえ新しい価値観」があることも、「守るべき素敵な古の知恵や習慣」があることも理解できます。
そんなの、自分で選択、判断していきゃいいんだよね。


・・・なんてことを考えながら田に水を引き込み、昨日の夕方にはまた水を抜いてきました。
田植えの時は水がない方がいいので。
いよいよ今日、田植えです。
(田植えが終わったらまた水を入れます)
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posted by 野良人イトウ at 05:47| Comment(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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