9月1日(土)に行った『アースカラープロジェクト』は、「身近な土を採取して染料をつくって布を染める」というなかなかディープな講座でした。
講師として来ていただいたのは、大阪「古色の美」の職人である小渕さん。
かなり本格的な「ベンガラ染め講座」です。
企画の立ち上げもいつもと違いました。
大阪にベンガラ染めを学びに通っている友人・新さんが「北海道でも是非!」と持ちかけて下さり、僕は「学びの場」を提供させてもらうことになったのです。
こういう「持ち込み企画」のようなものも、とてもありがたいお話です。
僕がここで行っていることの趣旨にもピッタリ合う、とても素敵な企画でした。
(大阪から来ていただくこともあって、参加費も決して安くはないのですが、あっという間に定員の15名を満たしてしまい、数名の方がキャンセル待ちの状態でした。ベンガラ染めに関心を持つ方の多さに驚きました。)
事前の準備として一番重要なのは、もちろん土の採取です。
せっかくだからバリエーションを、と思い、質感や色合いの異なる土を3種類、選びました。
染料をつくるには乾燥していた方が良いとのことなので、数日前に採取し、乾かしておきました。
黄色味の強い土、畑の黒土、そして山の中で1m程掘った深部にあった青い土。
(青土は掘り出してしばらくすると黒ずんでしまいましたが)
そして当日を迎えました。
今年は雨が多く天気予報をにらみっぱなしの数日間でしたが、午前中少し小雨がパラついたくらいで、その後は気持ちの良い夏の終わりの青空が広がりました。
初めは、山の小屋にて座学です。
小渕さんがスライドを写しながら、ご自身の取り組みや泥染めの歴史などをお話してくださいました。
ちょっと演示も。
焼くことで鉄分を酸化させ色合いを変化させる技術です。
1時間弱の座学の後は、屋外で染料づくりです。
用意しておいた3種の土は、乾くと色が少し変わっていました。
乳鉢で土を砕き、細かな粒子にしていきます。
呉汁を加えるなどして、染料をつくっていきます。
ただの土が布に染まる変化や色味のつくられ方など、「科学の面白さ」も感じられたのではないかと思います。
染料が出来たところでお昼となりました。
今回、希望される方には、近所のカフェ・MEGIさんのお弁当を注文させていただきました。
自分の畑や当別産の野菜をふんだんに使い、丁寧につくられたお弁当。
(とても好評でした!MEGIさんありがとうございます)
ランチタイムを終え、午後はいよいよ「染め」を行います。
まず、小渕さんが様々な技法を伝授してくれました。
急きょ物置に転がっていた塩ビ管も使って…(さてこれがどうなるやら…)。
染め物は開いてみる時まで出来あがりは未知です。
小渕さんも仰っていましたが、「人間の考えの及ばない領域」のあるところもまた、染めの魅力ではないかと思います。
塩ビ管から布を外すと、こんな模様が現れました。
さあ、参加者の方々も挑戦です。
先ほどつくった染料以外の数種類の色も使いながら、やってみたい技法で作品づくりを行いました。
「わあ、いいね!」
一つひとつ、開くたびに歓声が上がります。
次々と素敵な作品が出来上がりました。
朝から始めた講座も(予定時間をだいぶオーバーして)あっという間に夕方となりました。
「え?もうそんな時間!?」という声が飛び交う程、盛り上がって作品づくりを行う濃密な時間でした。
最後は、全員で記念写真です。
講師の小渕さん、企画して下さった新さん、そして道内各地から集まって下さった参加者の皆さんありがとうございました。
(実は、鎌倉で素敵な服をつくっている「アトリエゑん」の岩本さんもゲストでいらしていました。岩本さんも、染めを学びながらご自身の作品をつくっておられます。今回は、作品の展示も行ってくださいました)
僕自身も「土」に対してのコダワリや関心をそれなりに強く持っていますが、今回あらためて「土ってスゴイ!」と感じさせられました。
イキモノを育む存在であるとともに、「泥」は、おそらく人類最古の絵具であり染料でしょう。
土で家をつくる人たちだって、今でも世界各地にいます(僕もアフリカでしばらく家づくりを行いました)。
そんな、自分の立っている足の下の素晴らしい存在に目を向けていたい、と感じた1日でした。
本当に大切なものは足元に。
自分の足元から、世界はつくられていくはずです。
大地を感じながら、土とつながりながら、地を這うように生きたいな、と思います。
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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
★イベント情報
『ウンコは地球の宝物〜糞土師の糞土教室2018』<参加受付中>
今年も、糞土師・伊沢正名さんを講師に招き「本物のエコロジーとはどういうことなのか」、「生き物として人の生活はどうあるべきか」などについて、大いに語っていただきます。もちろんフィールドワークでは、糞土師の野ぐそ術もお伝えします。
〇日時 10月7日(土)13:30〜17:00
〇場所 石狩郡当別町金沢147-1
〇参加費 3000円
〇講師 伊沢正名さん
『明日のためのタネ採り講座』<参加受付中>
当たり前にあるけれど、タネっていったい何?・・・というところからスタートし、タネという存在についてちょっと考えてみましょう。
タネに親しみ、「自家採種の意義」を考えながら、実際に10種類ほどのタネ採り実習を行う講座です。
〇 日時 10月14日(日)10:00〜12:00
〇 場所 当別町金沢147‐1
〇 内容 ・自家採種の目的、意義(座学)
・タネとり実習
〇参加費 1500円
〇定員 12名
*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。