2016年04月28日

近づいたり、離れたり。

15羽のピヨこたち、元気です。
ここ1週間くらいで羽が生え変わり始めました。
このくらいの月齢で、雛は一時期、おミスボラ(見窄らしい感じ)になります。
トサカも出始め、顔つきも鶏らしくなってきました。

15羽とも、元気です。
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育雛、今年はまあまあ上手くいってる気がします。
このまま気を抜かずに育てれば、8月前半から産み始めてくれるでしょう。



育雛をしながら思い出すのは、これまでで一番上手くいかなかった4年前のこと。
あの年は、強い鶏にしたいと考えて、少し厳しめに育てました。
でも、きっと慣れや慢心もあったのだと思います。
ほとんどの子を死なせてしまいました。
毎日弱り、死んでいくのが辛かったあの春。
僕にとってトラウマになりそうなくらい厳しい春でした。
その時のこと

さて、15羽の元気なピヨこたちの成長が嬉しい半面、それは今いる子達とのお別れが近づいていることも意味します。
そんなに鶏舎のスペースを取れないし、今産んでくれてる子達はだいぶ産卵率が落ちているからです。
(昨冬は30%程度まで落ちました。この時期は60%くらい産んでくれますが、きっと次の冬はほとんど産まないでしょう…)

卵自体も、(一般流通で言えば)B級になってしまうものが多くなります。
大きすぎたり、小さすぎたり(黄身なし)、シワが寄っていたり、殻が薄かったり…。
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それは、これまで一生懸命生み続けてくれた故の変化だし、それでも尚こうして2日に1個は産んでくれることを僕はありがたいと感じます。
見た目が悪くても、愛しい愛しい卵さんです(一般的にはこうなる前に「処分」されるので、普通はこんな卵を目にすることはないと思います)。

まだ2歳ですが、卵がはっきりと「老い」を示しています。
日向ぼっこする彼らに、「いつもありがとう」「お疲れ様」と声をかける毎日です。
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そして、うちのCoccoさんの中でも「長老」と言えるのがこの子、通称ぽっぽこ。
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4歳です。
もう、1年以上卵を産んでいません。
でも飼い続けています。
実はこの子は、育雛に失敗した4年前、たった1羽生き残ったCoccoなのです。

この子は決して強かったわけではなく、足の指が小さい頃に骨折して曲がってて歩くのもヨタヨタだし、何度も何度も死にかけました。
最後に生き残った子を「死なせるものか」と徹底看護しながら育てた、それがこのぽっぽこです。
情を注いだ分だけ人にも慣れて、僕らの後をいつもついてきます。
「ぽっぽこー」と呼ぶと、「ぽっぽー」と返事をします。
僕はCoccoさんを家畜として飼っていますが、この子は・・・ペットと呼ぶべきかもしれません。

そんなぽっぽこも、このところかなり弱ってきました。
抱くと、ビックリするくらい軽くなっていました。
エサもあまり食べません。
目もよく見えていないみたい。
寝てばかりいます。
呼んでも、・・・もうあまり返事をしてくれません。
先日、大好きなはずのミミズをあげてみましたが、ちょっとつついてやめてしまいました。

死を受け入れたイキモノ特有の、「世界に薄く広く溶け出していってるようなたたずまい」を感じます。
お別れはきっと近いでしょう。
最後の1日まで、穏やかにお日様に抱かれて過ごして欲しいな。



生と死が交錯する春。
まあ、こういう暮らしではいつものことなのですが。
いろいろなことを日々、静かに、丁寧に、受けとめたいものです。


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posted by 野良人イトウ at 08:13| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月16日

鶏舎問題。

立春を過ぎて数日、随分と暖かな日が続きました。
うちのCoccoさんもお日様のよく入る新しい鶏舎で元気に過ごしています。

そしてなんと・・・
一昨日の卵、7つもありました!
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12月末から1月の前半までは毎日1個程度でした(メス11羽いて1個ってのもサミシイ話ですけど、まあ仕方ない…)。
ですから、これはスバラシいことなのです。
頑張ってくれてます。
「おお、春だ!」って気分です。



そして、現在の新しい鶏舎、家に併設して建てたので随分世話がしやすくなりました。
家にいて、いつもCoccoさんの様子を感じることができます。
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それはとても嬉しいことなのですが、問題が2つ。

1つは、(この鶏舎が完成した時の記事で書きましたが)夜中の3時からの「おっかねぇよお!」です。
だいぶ慣れましたが(慣れるもんなんだなあ)、今でも時々「おっかねぇよお!」に起こされることもあります。
*こんな感じ

そして2つ目。
連日の暖気によって発酵した鶏舎の床が、じわじわアンモニア臭を発していて、それがじわじわ家の中にも入りこんでくるのでした。
じわじわ、じわじわ。
春になってもっと暖かくなった時、さらに夏場、どうなるのかは・・・未知。
鶏舎のニオイは嫌いじゃないけど、家中鶏舎のニオイってのはさすがにマズイ気がしますね・・・。


それにしても・・・ほんと、やってみなきゃわからないことばっかりだなあ。
試行錯誤の繰り返し、ですね。
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posted by 野良人イトウ at 20:24| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月06日

生命の尊厳。

Coccoさんはしばしば脱走する。
鶏舎を囲むネットの隙間から出ることもあるし、羽ばたいて出ちゃう子もいる。
自分が外で仕事してる時は、お散歩させておく。
本当に嬉しそうで生き生きしているから、見ているこっちも楽しくなってくる。
あんまり楽しそうだから、ネットの中に戻すのはかわいそうになってしまう。
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さすがに外出するときは鶏舎に全部入れて戸締まりするようにしているのだけれど、天気が良い日に閉じ込めちゃうのはかわいそうで、ついついそのまま遊ばせてしまうことが多くなっていた。
最近はキツネが来ている様子もあまり感じなかったし、すっかり油断していた・・・。

昨日も、「まあ、いいか」と鶏舎に戻さずにネット内で遊ばせておいて、数時間後に帰宅し鶏舎を見たら、・・・3羽、足りなかった。
間違いなく、殺られた。
羽がたくさん散っていた。
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100%、僕のミスだ。
しっかりしていれば防げた事故だ。
すぐに張ればいい電ぼく柵すら放置していた。
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人懐こくて元気な3羽がやられたっぽいな・・・。
かわいそうなことをしてしまった。
悔やんでも遅いけれど。



ただ・・・
「憎たらしいキツネめ!!」
「見つけたら撃ち殺してやりたい!!」
と、思う一方で、「しかたがないか…」という気持ちもある。
うちのニャンコだって毎日小鳥を捕まえて食べている。
僕も、毎日たくさんの生き物を食べている。
自分や自分の大事なものは食われずに、あくまで食う側でいたい、と思うのも本音だけれども。

もう一つ、「餌も水もあり獣も来ない安全な鶏舎で存命する」のと「思いっきり自由に散歩し土を掻き虫を食った挙句にキツネにやられる」のとではどちらが生命として幸せだろうか、なんてことも今更ながら考えた。
たまたま高齢者施設が舞台の映画を見た後だったからかもしれない。



とは言うものの、これ以上キツネにご馳走する気もない。
また狙ってくるだろうから、緊張して過ごそう。
「かわいそう」という以上に、家畜という財産の損失は避けたい。
しばらくはCoccoさんにも退屈で緩慢な生で勘弁してもらおうと思う。

なんとなく、気分は重たい。


posted by 野良人イトウ at 20:39| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月06日

半年ぶりに。

現在、うちには15羽のCoccoさんがいます。
諸々の理由(!)で結構増えたり減ったりしますが、ここ5年くらいは、だいたい20羽くらいのCoccoさんと暮らしています。
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一番元気なのは、もちろん昨年の春に育雛した若Cocco10羽。昨年は初めて1羽も死なせることなく育てることができました。とても健康な子たちです。
冬のあいだ、1月は10羽で6〜7個の卵でしたが、2月後半からは8〜10個の卵を毎日産んでくれます(当然うちでは食べきれないので、お友達4〜5軒に届けて買っていただいてます)。
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この子たちと一緒に暮らす黒一点のチビキックは、4年前に人工孵化させた子。僕以外の人にはかなり攻撃的でしたが、歳のためか最近は少し大人しくなりました。


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もう一つのCoccoハウスにいる4羽の♀は、1羽が2〜3日に1個産む以外は、まったく産まない子たち。
最初から弱かったり、苛められて死にかけたりするCoccoさんは、正直言うと悩みの種です。
そういう特別なケアが必要な子には残念なことに過剰な情が沸いてしまうため、屠畜対象からも除外されてしまったりするのです(いや選んでるのは僕なんですけど…)。
健康で「高生産率」を誇る子が〆られる一方で、生き残って名前も付けられ「ペット」と化しています。
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・・・と思ったら、その中の1羽が、先日半年ぶりくらいに産んでくれました。わーーい。ありがとう。
そういうことも、時々あります。
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雪解けが進み、春の日差しが心地よくなってきたこの頃。
Coccoさんも間違いなく「そわそわ」しています。
早く思い切り土をつつかせてあげたいなあ。

この春は、いつもひなを譲っていただいてる方が「入れない」そうなので、もしかするとまた人工孵化を試してみるかもしれません。そうなったらドキドキしますね。どうしようかな。

人間も「そわそわ」する春です。



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エコビレッジライフ体験塾

posted by 野良人イトウ at 09:54| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月10日

立春過ぎて。

先週前半はやたらと寒い日が続きました。まさに「大寒」の季節。
で、立春を迎えてからの週後半は、「もう春なんじゃないか?」と油断しそうな気候でした。(またここ数日は寒いですけどね…)


まだまだ僕ら人間は冬の只中にいますが、Coccoさんはしっかりに春を感じています。
産卵率がじわじわ上がっているのです。
しばらく前まではメス10羽の鶏舎で日に6個程度だったのが、ここ数日は7〜8個。なんと先日は10個(100%!)でした(まあそれはたまたまタイミング揃っただけなんですけど)。

鶏の産卵率は、主に日照量と気温に影響すると言われます。
お日様の時間が14時間以下になれば産卵は減ってしまうので、平飼いの養鶏場でも照明によって日照量を維持するのが一般的。夜中の2時からタイマーでライトをつけて「朝だ!」と感じさせるのを知って「そんな不自然なこと!」と最初は驚きましたが、生産業として行う以上、そのくらいは仕方ないと今は思っています。
そもそも生き物を「飼う」ってことが自然ではない上に、「業」とするならいろんな歪みは受け入れなければならないところ。その中で、「どこまでをアリにするか?」がかかわる者のスタンス、倫理観の分かれ道なのでしょうね。

もちろん、寒さでも卵の数は減ります。
−20℃まで冷え込んでも案外みんな元気にしていますが、さすがにお腹で卵をつくってる余裕はないようで、冷え込む日が続けばガクッと産卵率が落ちたりもします。
なので、販売目的で飼っているわけではないウチのCoccoさんは、冬至から立春にかけては夏場の7割くらいしか産まなくなります。(これは1年目の子たちの「成績」で、2年目以降になるとどんどん落ちていきます。4年目の子なんて冬はほとんど産みません…)

でも、だからこそ、この時期に卵の数が増えてくるのが、「春近し!」を感じさせてくれる「便り」でもあるのでした。
卵の数が多くなってくると、Coccoさんが春を感じているのが分かるのです。
厳しい冬を一緒に乗り越えているCoccoさん。彼女たちが命を削って産んでくれる卵を今日も僕らはありがたくいただきます。



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勤め仕事で夕方に採卵できないときは、どんなに夜中の帰宅でも鶏舎に卵を採りに行くようにしています。忘れちゃうと翌朝・・・こんなことに。凍ると割れちゃうのです。こういうのは僕の朝食になりますけど。

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先日の100%。
「お!春が来るんだね〜」とCoccoさんに話しかけながら採りました。

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水が凍っちゃうのがこの時期の悩みです・・・。

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それでもみんな、元気です。
CoccoHouseに行くと、卵だけじゃなく僕自信に元気ももらいます。
ありがとう!!

posted by 野良人イトウ at 20:11| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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