2020年05月03日

考える個人。

畑のシーズンが始まっています。
4月末にジャガイモを植えました。
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近日中には、キヌサヤとかインゲンのタネを播きたいと思っています。
僕自身の「暮らし」は、感染症などとはあまり関係ないところで続いていきます。
(まあ・・・タネを播いて育てることもできないのなら、喰えずに死ぬだけのことです(本気で…笑!))

放っておいても元気に越冬して育つもの。
昨年9月に植えたニンニクなどは、しっかり葉を伸ばしています。
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融雪しなきゃダメだと分かったから、燻炭を撒いて早く雪を解かして、なんとか春を無事に迎えたもの。
秋まきの小麦(ユメチカラやキタホナミ)は、この地に越してから何度かダメにして、今年は結構たくさん越冬出来ました。
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そして、同じように融雪しても、あんまり冬を越せなかったもの。
スペルト小麦は、今年もほぼヤラレてしまいました。
カビですねー。
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そもそも乾燥地帯で栽培が始まった小麦という作物。
原種に近いほど、湿度に弱いのだと思います。
ここは雪が多いので、それだけ湿気を帯びる期間が長くなり・・・小麦の栽培には不適切なのでしょうね。



う〜ん。
・・・どの程度手をかけて育てるか、いつも迷います。
そもそも栽培は「不自然」な行為なわけで、「苗を育てる」ことはもちろん、「タネを播く」ということ自体が「反自然的行為」だと僕は思っています。
それでも尚、「こうしなければ僕らは生きられない」という状態であることを受け入れて僕はタネを播きます。
そこで「肥料を使うかどうか」や「農薬を使うかどうか」は、明確に(善悪の)線引きをできるものでもないと思っています。


ですが・・・・

「たくさん手をかけなければ育たないもの」は、それだけ「不自然」なのです。
「スペルト小麦は良いものだ」なんて考えは、実は「人間中心主義」の最たるもの(勘違い)で、それをこの地で育てることはやっぱり「不自然」極まりないことなのです。
手をかけなければ育たないものは、この地で生きる者が食べるには相応しくないものなのだろう、と僕は思っています。
それでも食べたいもの(例えばオクラとか!)は、不自然であることを踏まえた上で育てます。
それは、「人為」と「他者(自然)に対する敬意」との揺れ動きの中で、考え続けながら決めていくことです(「善」なんかじゃ、絶対にないのです)。



閑話休題。

この春、やむを得ずいくつかの講座を延期しています。
やむを得ないと考えつつも・・・それを「良いこと」とは僕は思っていません。
「悔しいこと」だと思っていますし、緊急アラームで恐怖を煽る「思考停止」のやり方には異を訴え続けるつもりです。

現実を見れば・・・
蔓延する感染症で、今の時代に生きている人間がある程度死ぬことは、避けられないでしょう。
感染症が蔓延する「パンデミック状態」は、きっとしばらく続くでしょう。
(交通事故死や自死だって、それ以上にいます)

もちろん同時代に生きている命を軽視はできないけれど・・・
「後世に何を残すか」を同じくらい重要なこととして、考えなければ、と思うのです。
100年先くらいを想像しながら、今を生きたいものです。

今を精一杯生きながら、でも、過去から学び、過去を尊重し、同時に未来に生きる人を想う。

ああ・・・

それは、<保守的思想>です。
いつの間にか<保守>になっていた自分に気づき、可笑しくなります。
(あんなに「温故知新」とか嫌いだったのに…!)

そして・・・
現政権などは「思想を持たない拝金主義、もしくはカッコつけたいだけのチャンバラ(坊ちゃん)主義」だと確信します。
断じて<保守>ではありません。

「過去」「故人」から学び、「未来」へ何を継げるのか。
それを煩悶しながら暮らしています。



で・・・
「外出自粛」って何なんですかね。
僕はいくらでもやる事あるから元々どこへも行きたくないstay homeだけど。

「三密」は理解できるます。
僕も飛沫感染しないよう、させないよう、家族以外とは距離や向きやマスク等々気をつけてます。換気も大事。
でも、それと「外出自粛」は関係ないですよね?
一人でツーリング行く人とか、人の少ないとこで家族でキャンプとか登山とか、ダメな理由がわかりません。
(豊平川の滅茶混みバーベキューはああいうの近づきたくないけど…それも悲しい「都市」なりの工夫でしょ?オマエラが都市を創ったんでしょ?と思ってしまいます)

感染確率は、誰しも「0」には絶対なりません。
だから「0に近づける積み重ね」をするのです。考えながら。

人間を「馬鹿」にする教育が続いているせいなのだろうか?
ビービー鳴らして緊急メッセージとやらを送ってビックリさせて思考を止めさせるようなやり方は、ほんと嫌いです。

個として「考える」ことで、僕らは人間となるのだと思います。

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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報

『オサムさんの刃物教室』
米バークレーで20年以上「日本の刃物やさん」をしていたオサムさん(現・こぐま座料理人)に様々な刃物の違い等を教わり、「砥石のこと」や「研ぐコツ」「刃物の扱い方」を習いましょう。

 〇日時 5月16日(土)12:00〜15:00
 〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
 〇参加費 3500円*こぐま座ランチ付き
         *こぐま座内刃物関係特価販売アリ
〇講師 弘山監さん
〇定員 8名


『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
手前味噌の仕込み、今年は「大豆の栽培」から始めてみませんか?
自分でタネを播く。お世話をして、収穫する。そんな「手間」の中で、いろいろな気づきや学びが生まれます。
味噌だけでなく、毎回、様々な「大豆の加工品」づくりも行います。また、「栽培の基礎」や「農的な暮らし」になどについて、体験的に学んでいただく講座です。

 〇第1回の日時 5月24日(日)13:30〜16:30  
      *2回目以降の予定 A6月後半 「豆腐造り、大豆の観察・管理など」
               B8月半ば 「石臼きな粉づくり、大豆の観察、土壌の話」
               C10月半ば 「納豆づくり、大豆の収穫」
               D11月末 「味噌仕込み」
       *2回目以降の日程は、近日決定しますが、それも参加者さんのご都合も含め、調整しながら決めていきます。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾(石狩郡当別町金沢147‐1)
 〇参加費 10000円(全5回分)/小学生以下(2000円)
       *1回目の単発参加2000円
       *通しでの参加の方を優先させていただきます
〇定 員  12名(要予約)

*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。










posted by 野良人イトウ at 20:27| 北海道 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月28日

今日を生きたい。

昨冬はまれにみる降雪の少なさでした。
なので、今年は雪解けも2週間以上早かったと思います。
3月末には、山も、家の周りでもほとんど雪が残っていませんで

4月の半ば、裏山に登ってみました。
2月前半に『裏山トレース<冬>』でスノーシューをつけて登って以来、2ヵ月ぶりです。
(当然のことですが)2ヶ月前とは、別な世界が広がっていました。


そろそろかな…と思っていた、ギョウジャニンニクが大きくなっていました。
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エゾエンゴサクはすでに満開。
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ニリンソウも、咲きそうです。
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フキノトウは、今はもうすっかり開いてしまっています。
この時が今季最後のフキノトウでした。
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ただ、これらを撮ったのはすでに2週間前…
この文章も実は10日前に書いて放置していたものです。
その間にも、雪が降ったりコロ介騒ぎが拡大?するなどいろいろあって、気づけば今日になっていました。



さて・・・
4月16日、こんな文書が届きました。
町の役場から出たものです。
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1.町内イベントの中止
2.町が管理する施設の臨時休館
3.不要不急の外出の自粛
以上3点について、5月15日(金)まで取り組みを実施します。


・・・と書かれています。

まあ、<2>はわかります。
どうぞお休みください。

<1>は微妙です。「町内イベントを中止」するのは誰でしょう?「町主催」のイベントを中止します、とも受け取れるけれど、町民が町内で開催する行事に対して言っている可能性もあります。
でも、そうすると、末尾の「実施します」へのつながりが見えません。この文書の発信者とたとえば僕は主体が違うからです。

<3>は、最近よく聞くようになった言葉です。なので、おそらく「町民」の行動に対してのものでしょう。
ただ、やっぱり「実施します」とは主語がつながりません。「取り組」むのは、文章としては「町」「行政」です。
(ここが北朝鮮なら、「実施します」と言われれば「民」が従うことになるのでしょうけれど…)
この部分はおそらく「要請します」と書くはずの文言なのでしょう。でも、だとしたら。
独自の文書を出して「自粛」を要請する(つまり商業活動の邪魔をする)のなら、国や道がそうすべきであるように、町もまた何らかの補償をすべきかと思います

しかも・・・・・
道や国の宣言が6日までであるのに対し、何故か「15日まで」。
なにか根拠はあるのでしょうか?


いろいろ不明・不可解なことが多いので、翌日、この文書を出した担当部署に電話をしてみました。
上記のような僕が感じた点について問うてみたところ、担当の方は「上と相談します」と仰って、数時間後に返答がありました。

結果。
「指摘の通り、文書としては至らない部分がある。が、<1><3>については町民への<要請><お願い>である」
「道など、上からの指示があったわけではなく、<町独自の判断>で行っている」
「<15日まで>としたのは、念のため長めに設定した」
とのことでした。

まあ・・・そうでしょうね。
想像以上でも以下でもない返答。

そうそう。
この文書の元は、「当別町新型コロナウイルス感染症対策本部」という機関。
ちょっと角が立つ表現であることを承知で書きますが、田舎の役場が「アリバイづくりで出した文書」と感じました。


彼らを批判する気はありません。
彼らは不親切でも不誠実でもなく、自治体としての仕事をまっとうに行っている、のだと思います。

でも・・・

だからこそ、怖い。

・・・と、僕は感じました。

空気のように「自粛」を強制する社会的雰囲気。
暮らしを補償するでもなく、一枚の紙を渡して「はい、皆さん自粛して。不要不急の外出はダメ!飲食店なんて行っちゃダメ!イベントは中止!15日まではその手の企画は町内では止めなさい」と言っているわけです。


地方行政が「よかれと思って・・・」出した1枚の紙。
それが、いや〜なムードを積み上げる一因にならないことを祈るばかりです。
こういうことの積み重ねで、社会の空気が固まっていく気がします。



「国は、何故もっと早く検疫強化などしなかったのか?」
「自粛要請するなら、政府の補償が必要だ」
という意見があります(僕も同意見です)。

また、
「もっと早く緊急事態宣言を出すべきだった」
「東京はロックダウンした方がいい」
という意見を言う人もいます。

さらに、
「この期に及んでまだ出歩いている奴がいる」
「自粛ムードが足りない」
「海外のように罰則規定を設けるべきだ」
「休業しない店の名前を公開して晒し物にしろ」
「みんなが協力して敵に向かっているのに同調しないヤツは許せない」
・・・という意見も、目に、耳に、入ってきます。


新型コロナウイルスでの感染症が、どの程度のものなのか、実は正直未だに僕にはわかりません。
感染率や致死率の、世界、国内データを見ても、「?」がつくことが多いです。

もちろん、医療設備や専門職員が不足して、通常の医療も立ち行かなくなる、というのが一番避けなければならないポイントだということはわかります。
けれど、一方で、「何故、死をそんなに拡大して意識づけるのか?」という疑問も消えません。

極端に、「死」や「病」を「あってはならないもの」と恐れているようにも見えます。
未知の感染症はもちろん慎重な対応が必要だと思いますが、根底にある恐れはウイルス自体ではなく「未知であること」の方ではないかと感じてしまいます。
つまり、「この世界のすべてを把握して、コントロールできるようになったハズなのに…!」という驕りが、パニックを生んでいる気がするのです。



死は、本当はもっともっと身近です。
自分の周りで、毎日大小さまざまなイキモノが死んでいきます。
暮らしは、「何かの死」によって成り立っているのが、現実です。
その「順番」が自分には回ってこないだろう、なんてのは、虫の良すぎる話です。

そして・・・
人間に把握できることなど、この世界のほんの一部でしょう。
(もちろん「少しでも理解したい」と学ぶのが人間でもありますが、「そもそも<未知の海>にいるのだ」という原則が大事なんじゃないかと思います)



春。
Coccoさんは鶏舎から飛び出し、力いっぱい羽を広げ、土を掻いて虫を食べます。
生命を謳歌しようとしているのが、伝わってきます。
「明日には病で死ぬかも?」とか「首をハネラレて喰われるかも?」なんて、考えたりはしません。
無数のイキモノたちと共に、この世界で、土の上で、美しく、生きています。
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森を見れば、もっと思います。
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「彼らのように、イキモノらしく生きたいものだ」と。
「明日死ぬことを怖がるよりも、今日を生きよう」と。

(まあ、人に会う時はマスクしますけどね・・・)
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★イベント情報

映画『世界でいちばん美しい村』上映会
雄大なヒマラヤの大自然、その懐で慎ましく暮らす人々。こどもたちの輝く眼差しと明るい笑顔。
2015年、大地震直後のネパールを取材したことをきっかけに製作されたドキュメンタリー映画を上映します。

 〇日時 <日程変更>5月17日(日)@10:30〜 A14:00〜 B17:00〜 *3回上映
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
     (石狩郡当別町金沢147-1)
 〇参加費 1200円(前日までに予約) 1500円(当日)
     *1ドリンク付き *中学生以下半額
 〇定員 各回15名


『オサムさんの刃物教室』
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 〇日時 5月16日(土)12:00〜15:00
 〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
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         *こぐま座内刃物関係特価販売アリ
〇講師 弘山監さん
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『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
手前味噌の仕込み、今年は「大豆の栽培」から始めてみませんか?
自分でタネを播く。お世話をして、収穫する。そんな「手間」の中で、いろいろな気づきや学びが生まれます。
味噌だけでなく、毎回、様々な「大豆の加工品」づくりも行います。また、「栽培の基礎」や「農的な暮らし」になどについて、体験的に学んでいただく講座です。

 〇第1回の日時 5月24日(日)13:30〜16:30  
      *2回目以降の予定 A6月後半 「豆腐造り、大豆の観察・管理など」
               B8月半ば 「石臼きな粉づくり、大豆の観察、土壌の話」
               C10月半ば 「納豆づくり、大豆の収穫」
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       *2回目以降の日程は、近日決定しますが、それも参加者さんのご都合も含め、調整しながら決めていきます。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾(石狩郡当別町金沢147‐1)
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posted by 野良人イトウ at 06:14| 北海道 ☔| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月04日

利他的なウイルス。

4月3日の新聞に載っていた生物学者の福岡伸一さんのコラムが非常に面白かったです。
「面白かった」などと書くと不謹慎でしょうか?
この記事の内容も、もしかしたら不快に感じる人もいるだろうけれど、「世界の見方」として、こういう視点も持っていたら良いんじゃないかと思うので、記しておきます。



まずは、そのコラムを紹介しましょう。

タイトルは『ウイルスという存在』
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これが「生物」なのか「無生物」なのか・・・未だ判断が難しいのは、自分のコピーを増やし続けようとする一方で、「代謝」や「呼吸」など生命が持っているハズの能力を持たない点においてです。

単なる生物でも、無生物でもない不思議な存在「ウイルス」とは一体何なのでしょう・・・?
(宇宙からやってきた!なんていう説?もありますね…)



以下、原文ママです。

>ウイルスの振る舞いをよく見ると、ウイルスは自己複製だけしている利己的な存在ではない。むしろウイルスは利他的な存在である。

>今、世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルスは、目に見えないテロリストのように恐れられているが、一方的に襲撃してくるのではない。




福岡さんは、ウイルスが宿主の細胞に入り込み「感染」する様を解説してくれます。
そして、それを「宿主が極めて積極的にウイルスを招き入れているとさえいえる挙動をした結果」だと表現します。

つまり、ウイルスは「宿主との共同作業」によって、宿主の細胞に入り込むのです。



どういうことでしょう・・・?
僕らの身体が、積極的に「感染」させている・・・?


ウイルスの「起源」に答えがありました。



ウイルスとは何か。

それは、高等生物が進化していく過程で、我らの「遺伝子の一部が外部に飛び出したもの」なのだそうです。
つまり「ウイルスはもともと私たちのものだった」というのです。

だからこそ、宿主は、かつて自分の一部だったウイルスを「家出人を優しく迎え入れるように」受け入れるのだ、と福岡さんは説明します。



だけれど、何故そんなシステムがあるのでしょうか・・・?
不要なものとして放り出した「敵?」を再び取り込む・・・?
「感染」には様々なリスクがあるのに・・・?


>それはおそらく、ウイルスこそが進化を加速してくれるからだ。親から子に遺伝する情報は垂直方向にしか伝わらない。しかしウイルスのような存在があれば、情報は水平方向に、場合によっては種を超えてさえ伝達しうる。

>それゆえにウイルスという存在が進化のプロセスで温存されたのだ。おそらく宿主に全く気づかれることなく、行き来を繰り返し、さまようウイルスは数多く存在しているだろう。




僕らはウイルスに「感染」した時、しばしば身体に大きなダメージを負います。
時には死に至ることさえ。

でも、それさえも「生物の進化」という観点で見た時には、「利他的なツール」としての役割を果たしているに過ぎないわけです。
ウイルスは、この地球上の生命にとって、「個体の免疫システムや生態系の動的平衡を促進する」ための存在なのです。


僕はこれを読んで、すごく合点がいきました。
オモシロいなあ、と思いました。

一言でいうなら、ウイルスとは「生命が用意しておいた進化促進剤」ということですね。
でもって、(これはさすがに福岡さんは書いていないけれど)人間という種(その社会)がもう「頭打ち」だと、このタイミングでウイルスは伝えに来たのかもしれません。
大幅な「進化」が必要なのだと。

これはもちろんスピリチュアル的な意味合いではなく、「生命科学」の観点で、そう読み取ることができると思います。


もちろん、ウイルスによって家族や知人が苦しんだり死に至ることは怖いです。
けれど、「科学的にはこういう面もあるのだ」と知ることは重要だと思うのです。
こういう事態においては当然「当面の対処」「医療的ケア」が必要ですが、同時に、一歩引いて長期的にとらえておくことも必要じゃないでしょうか。

何か月、何年かかるものやら見通しは全くありませんが、今の事態がおさまっていった時に、どういう社会ができていくのか。
僕らは生物として、イキモノとして、何を食べ、どういう環境で、どう生きるのが相応しいのか。
イメージを持ちながら、今を生きたいものです。


新型コロナウイルスのことを「COVID-19」と記しているのをしばしば目にします。
それは間違いです。
「COVID-19」は、病名。
恐ろしい病原体によって引き起こされた新型の感染症の、病名。

新型コロナウイルスの正式名称は「SARS-CoV-2」です。
「そんなの些細なことだろう!」
という方が多いかもしれません。

「SARS-CoV-2」だって、人間が勝手につけた呼び名にすぎませんが、ウイルス自体と病名を混合するのはやっぱりおかしいのです。
それでは、ウイルスを「災いをもたらすもの」としか見られないですから。

微生物の代謝現象を「腐敗」と「発酵」に勝手に分けて、一方を忌み嫌うのと同じ、「人間中心主義」です。

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ウイルスはもともと地球上に(彼らも進化をしながら)ずっとあって、僕ら生命にしばしば働きかけては進化を促してきました。
過去には幾多の生物種を絶滅させたり、免疫強化させたり、選別したりしてきたのでしょう。


最後に福岡さんはこう綴っています。

>かくしてウイルスは私たち生命の不可避な一部であるがゆえに、それを根絶したり撲滅することはできない。私たちはこれまでも、これからもウイルスを受け入れ、ともに動的平衡を生きていくしかない。
と。


人間が、人間社会がどう「進化」していくのか、見られたら面白いな、と僕は思っています。
(僕自身はもともとそんなに生き延びることに熱心ではなくて、今回も「COVID-19で自分が死ぬことがあっても仕方ないなー」と軽く思ってるのですが、この先を見てみたい気が強くなると、もう少し生き延びたい欲も出てきますねー。)

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★イベント情報

『農的養蜂のススメ〜農的暮らしとミツバチ』
実はとても身近で、なくてはならない存在なのに、意外と(具体的なことは)知らないミツバチのこと。
石狩で養蜂をされているJayanand Goyaさんに、ミツバチの視点、養蜂家から見た自然との共生、暮らし方等についてお話していただきます。

 〇日時 4月11日(土)14:00〜15:30
     *12:15よりミツバチを扱った映画の上映も行い、Goyaさんにちょっと解説もしていただく予定です。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所(当別町金沢147‐1)
 〇内容 ・ミツバチという生き物について
     ・養蜂の1年
     ・農的な暮らしとミツバチのかかわり etc...
 〇参加費 2000円(*1ドリンク付き)
 〇講師 Jayanand Goyaさん


映画『世界でいちばん美しい村』上映会
雄大なヒマラヤの大自然、その懐で慎ましく暮らす人々。こどもたちの輝く眼差しと明るい笑顔。
2015年、大地震直後のネパールを取材したことをきっかけに製作されたドキュメンタリー映画を上映します。

 〇日時 5月3日(日)@10:30〜 A14:00〜 B17:00〜 *3回上映
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
     (石狩郡当別町金沢147-1)
 〇参加費 1200円(前日までに予約) 1500円(当日)
     *1ドリンク付き *中学生以下半額
 〇定員 各回15名


『裏山トレース〜<春>春の野草を味わおう』
図鑑を片手に裏山を歩き、特徴をおさえて名前を確認したり、食べられるものを選んだりしながら、山頂近くにある大きな桜の木を目指します。下山後は、採取してきた食べられる野草を簡単な調理で味わいます。是非、身体で春を感じてください。
*ちなみに、この日は「札沼線」の最終運行日です…!

 〇日時 5月6日(水) 10:00〜14:00
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
       (当別町金沢147−1)
 〇参加費 1800円
   *おむすび、食器等ご持参ください。
 〇定員 12名


『オサムさんの刃物教室』
米バークレーで20年以上「日本の刃物やさん」をしていたオサムさん(現・こぐま座料理人)に様々な刃物の違い等を教わり、「砥石のこと」や「研ぐコツ」「刃物の扱い方」を習いましょう。

 〇日時 5月16日(土)12:00〜15:00
 〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
 〇参加費 3500円*こぐま座ランチ付き
         *こぐま座内刃物関係特価販売アリ
〇講師 弘山監さん
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『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
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               C10月半ば 「納豆づくり、大豆の収穫」
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2020年03月31日

科学する心。

半年くらい前に、池澤夏樹さんの『科学する心』を読みました。
なんで今更そのことを書くのかというと、今、まさに、とても重要なのがこの「科学する心」だと思うからです。
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内容は、昭和天皇裕仁くんが力を注いでいた「クラゲの研究」の話に始まり、「料理」や「映画」など身近な話題から「宇宙」「AI」「原子力問題」といった割と大きく複雑な話まで。
子どもの頃から科学が大好きで理系の大学にすすんだものの、挫折して文筆の道に進んだという池澤さんが、面白いと感じたことを幅広く綴っています。
(面白いのだけれど、内容が結構難しいしやや読みづらいので、おススメする相手は選ぶかな…)



半年前に読んだときに、箇条書きでメモしておいたことをいくつか記します。

・言ってみれば、道路沿いの施設しか記載されていない地図をもってハイキングに出るようなもので、行く手に何があるかわからない。事故が起こるというのは、いきなり深い森に追い込まれ、西も東もわからぬままさまようようなものだ。
(これはフクシマの原発事故に対しての記述。幸運が重なって?最悪の事態は逃れたけれど、「専門家」たちは起こり得る事象のほんの一部しか対応策を考えていなかったのです…)

・先が読めないまま、高速で走っている。カーブの先が見通せない。この車にはブレーキがない。
(これは農業に対しての記述。少し農の歴史を学べば感じることだけれど、やはり「タネを播く」というのは禁断の果実でした。加速していくしかないジェットコースターに乗っているようなものです。狩猟採種時代には、貧富の差もほぼなかったと言われます)

でも・・・
上記のことって、実は「文明社会」自体に当てはまる・・・な気がしますね。
「今」世界で起こっている惨事もまた、「カーブの先」に待っていた出来事なのだと思います。


夏樹さんは、こうも書いています。
・科学が日常から遠くなってしまった。
・科学の進歩の一方で、すべてがブラックボックスになった。
・科学は、知識ではない。
・五感をもって自然に向き合う姿勢なのだ。


深く共感します。
(残念なことに)社会は、個人が「科学的な思考」を持つことから遠ざけるように発展してしまいました。

何の知恵も技術も感性も持たずに、指先で居住空間の温度調整をし、エネルギー摂取を(とりあえずは)出来てしまいます。
自分でやっている気分になっているけれど、それは実は「依存し与えられているだけ」の状態です。
現代の暮らしは、生存に対する「安心」や「安全」を圧倒的に社会インフラに依存することで成立しています。

僕のブログでも10年以上前から繰り返し書いてますが、それは「自己家畜化」の道でした。
人間の文明は、ひたすらに「自己家畜化」の道を突き進んできたのではないでしょうか。

その対照的な在り方の一つが、レヴィ・ストロースが50年前に提唱した『野生の思考』なのだと思います。



閑話休題。

2月24日に、タネ交換会『ひとつぶのタネのチカラ』を行いました。
少し迷った末の開催でしたが、僕自身もまだ、今よりずっと緊張感は低い頃でした。

イベントの最初の挨拶で、僕は「ウイルス感染が広がっていますが、正しく恐れて対処したいものですね」とお話しました。
そして、その時も「科学的であることって大事ですよね」ということを言いました。
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よく考え、観察し、状況を踏まえ、随時更新していく。
それが、「科学的な心」です。


「この考えが100%正しい!」
なんていうのは、まったく非・科学的です。
そんな風に言う人は、どんなにエライ研究者さんでも「科学的な人」ではありません。

「今のところ、客観的情報(調査・統計)で、この線が濃厚」という判断が、現時点での科学的見解。
それは、「明日には、もっと確からしい情報によって変わり得る」可能性を常に持っています。



僕は、2月末頃から、「自分が感染者であること」「感染源になることを出来るだけ避ける」ことを考えるようになりました。
手洗いをいつもより多くし、アルコール殺菌もしばしばし、人前では出来るだけマスクをしています。

ヨーロッパの状況を見たり、日本政府がまったくマトモな対応をしていないこと(情報発信含め)がはっきりしてからは、特に気をつけるようにしています。
(こういう時に、信用性0の政権であることの妙を感じますね…)

以前よりずっと気をつけていますが・・・でも、あくまで「できるだけ」です。
基本的には、いたって普通に暮らし(講座もそれなりに開催し)、精神的にも大してストレスなく穏やかに暮らしています。
(いつだって数か月暮らせる程度の備蓄・自給があるからかな…)

家族は保育園や外勤で常に外部と濃厚接触しているので、100%感染を防ぐなんてそもそも無理ですし、それを求めることは他者にどんどん不寛容になるでしょう。
「出来るだけ気をつける」しかないと、今でも思います。
だって、今の状況、何か月も続きますよ、きっと。

そして、残酷なようだけれど、死ぬときは死にます。
(できることは、「確立を下げる」ことだけです)


それよりも大事なことがあります。

暮らしは、止められません。
ニュースやスマホにくぎ付けになってノイローゼになってる暇など、ないのです。



「家畜」は、与えられ、お世話し続けられなければ、病んで、死にます。
最初からそういうイキモノです。
それだけのことです。

「野のイキモノ」から何を学ぶか。
きっと僕らは、そういう岐路にいるのだと思います。
貴重な機会です。



もう1冊。
レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』。
ここからも少し引用します。
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・人間を超えた存在を意識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。
・わたしはその中に、永続的で意義深い何かがあると信じています地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。



科学的な思考は、本来、とても謙虚なもの。
「打ち勝つ!」とかではなくて、状況から謙虚に学んでいきたいものですね。

以前書いた『沈黙の春』についての記事が、今の状況でも同じ思考で対応できる気がするので、載せておきます。
【賑やかな春を求めて。】

Youtubeでも日々の様子をお伝えしています!
 今回のテーマは「育苗」
なるべく定期配信していますので(週イチくらいだろうけど)、チャンネル登録などして見ていただけると嬉しいです(知らない方にも目につきやすくなるようなので…)。


北海道で【ぐるりの暮らし】#12 「育苗」が始まりました〜ナス、ピーマン、トマト、キャベツ…。タネの特性を考えながら、播いています。

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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報

『農的養蜂のススメ〜農的暮らしとミツバチ』
実はとても身近で、なくてはならない存在なのに、意外と(具体的なことは)知らないミツバチのこと。
石狩で養蜂をされているJayanand Goyaさんに、ミツバチの視点、養蜂家から見た自然との共生、暮らし方等についてお話していただきます。

 〇日時 4月11日(土)14:00〜15:30
     *12:15よりミツバチを扱った映画の上映も行い、Goyaさんにちょっと解説もしていただく予定です。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所(当別町金沢147‐1)
 〇内容 ・ミツバチという生き物について
     ・養蜂の1年
     ・農的な暮らしとミツバチのかかわり etc...
 〇参加費 2000円(*1ドリンク付き)
 〇講師 Jayanand Goyaさん


映画『世界でいちばん美しい村』上映会
雄大なヒマラヤの大自然、その懐で慎ましく暮らす人々。こどもたちの輝く眼差しと明るい笑顔。
2015年、大地震直後のネパールを取材したことをきっかけに製作されたドキュメンタリー映画を上映します。

 〇日時 5月3日(日)@10:30〜 A14:00〜 B17:00〜 *3回上映
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
     (石狩郡当別町金沢147-1)
 〇参加費 1200円(前日までに予約) 1500円(当日)
     *1ドリンク付き *中学生以下半額
 〇定員 各回15名


『裏山トレース〜<春>春の野草を味わおう』
図鑑を片手に裏山を歩き、特徴をおさえて名前を確認したり、食べられるものを選んだりしながら、山頂近くにある大きな桜の木を目指します。下山後は、採取してきた食べられる野草を簡単な調理で味わいます。是非、身体で春を感じてください。
*ちなみに、この日は「札沼線」の最終運行日です…!

 〇日時 5月6日(水) 10:00〜14:00
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
       (当別町金沢147−1)
 〇参加費 1800円
   *おむすび、食器等ご持参ください。
 〇定員 12名


『オサムさんの刃物教室』
米バークレーで20年以上「日本の刃物やさん」をしていたオサムさん(現・こぐま座料理人)に様々な刃物の違い等を教わり、「砥石のこと」や「研ぐコツ」「刃物の扱い方」を習いましょう。

 〇日時 5月16日(土)12:00〜15:00
 〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
 〇参加費 3500円*こぐま座ランチ付き
         *こぐま座内刃物関係特価販売アリ
〇講師 弘山監さん
〇定員 8名


『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
手前味噌の仕込み、今年は「大豆の栽培」から始めてみませんか?
自分でタネを播く。お世話をして、収穫する。そんな「手間」の中で、いろいろな気づきや学びが生まれます。
味噌だけでなく、毎回、様々な「大豆の加工品」づくりも行います。また、「栽培の基礎」や「農的な暮らし」になどについて、体験的に学んでいただく講座です。

 〇第1回の日時 5月24日(日)13:30〜16:30  
      *2回目以降の予定 A6月後半 「豆腐造り、大豆の観察・管理など」
               B8月半ば 「石臼きな粉づくり、大豆の観察、土壌の話」
               C10月半ば 「納豆づくり、大豆の収穫」
               D11月末 「味噌仕込み」
       *2回目以降の日程は、近日決定しますが、それも参加者さんのご都合も含め、調整しながら決めていきます。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾(石狩郡当別町金沢147‐1)
 〇参加費 10000円(全5回分)/小学生以下(2000円)
       *1回目の単発参加2000円
       *通しでの参加の方を優先させていただきます
〇定 員  12名(要予約)

*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。










posted by 野良人イトウ at 10:49| 北海道 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月26日

醤油が教えてくれること。

3月14日に、醤油講座『My醤油を仕込もう』を行いました。
社会状況的に「同じ空間に複数人が集まること」の自粛を求められる中でしたが、マスク着用や手洗い、換気をするようにしながらの開催。
こういう折にご参加くださる方は、呼吸が合うというか、僕がお願いすることも阿吽で感じ取っていただき、お互い気持ち良く学びの時間を持つことが出来ました。

講座では、いつもの流れで、「搾りの実演」をしたり、「味見」をしたりしながら、「醤油とは何か?」について学び・・・
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各自、My醤油を仕込んでいただきました。
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そして・・・
他の会場で行う出前「醤油講座」では出来ない、今回の講座ならではの場面が一つ。

それは、「醤油麹の種きり」の様子を見ていただくことです。
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この、講座内での「種きり」から、僕の今年の「醤油麹の製麹」が始まるのでした。



講座では、皆さんに仕込みをしていただき、味噌とはまるで違う「お世話の仕方」をお伝えした後・・・
「発酵の本質」について、僕が考えていることをお話しました。

この世界での、発酵の役割。
僕らがそれをどう捉え、どう付き合うべきか。


僕なりに、経験から学び、整理したことをお伝えしました。
きっと他の発酵系の講座などでは、あまり話題にならない内容だと思います。
それは、僕の思考のベースが「生態学」にあるからこそ感じる視点なのだと思います。


実は、それを伝えたくて、このお醤油講座をやっている、という面もあるのでした。
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さて、僕の醤油は・・・
3日間の「製麹」を行い、3日目の夕方に「仕込み」をしました。
*その様子は、動画でもお伝えしていますので、覗いてみてください。


今は、毎日のお世話が続いています。
このお醤油を搾るのは、来年の秋。
材料の栽培から数えると、3年がかりのMy醤油です。



余談ですが・・・新型コロナウイルスの勢力拡大が続いています。
「終息」などは当面あり得ないでしょうし、ひとまずの「収束」にもこの先何か月もかかるのでしょう。

もちろん、現時点で「被害を少なくする対策」が必要なのは言うまでもありません。
ウイルスの特性も次第に明らかになり、僕自身も、1か月前以上に緊張感を持っています(あくまで予定通りに暮らしますけど…)。

でも、忘れてはいけないのは、すべては対処療法に過ぎないということです。
残念ながら、「ニンゲン」というイキモノは、生態系の中でキョーレツに歪な存在になってしまいました。

個体数も、生息密度も、生態(暮らし方)も。
結果、他の生物の領域を荒らしまくって、あらたな病原体やウイルスを自らの社会に引き入れ続けています。
おまけに持つべき健康な身体や免疫系をどんどん手放していっています。
(大きな声では言えませんが、ニンゲン以外のすべてのイキモノが、新型コロナを応援していることでしょう・・・それが、今の地球の現実だと思います)

「ウイルスに打ち勝つ!」
とか勇ましいことを言いたくなるのもわかりますが・・・
その原因をあらためていかない限り、きっとこれからも次々と「人類の脅威」を僕らは招くのでしょうね。


僕らが知るべきは、たぶん、「身の丈に合わせる暮らし方」や「人間中心主義の限界」なのだと思います。

「瓶の中の醤油」も、実は、それを僕らに教えてくれる存在です。
(思えば、僕の「最初の醤油仕込み」は、ちょうど10年前。311の混乱の中、いろんなことを考えながらの作業でした)


Youtubeでも日々の様子をお伝えしています!
 今回のテーマは「醤油造り」
なるべく定期配信していますので(週イチくらいだろうけど)、チャンネル登録などして見ていただけると嬉しいです(知らない方にも目につきやすくなるようなので…)。


北海道で【ぐるりの暮らし】#11「醤油を仕込む」〜10年目の醤油造りの様子です。「醤油講座」から、種きり、製麹、仕込み、そして材料の準備まで…。

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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報

『農的養蜂のススメ〜農的暮らしとミツバチ』
実はとても身近で、なくてはならない存在なのに、意外と(具体的なことは)知らないミツバチのこと。
石狩で養蜂をされているJayanand Goyaさんに、ミツバチの視点、養蜂家から見た自然との共生、暮らし方等についてお話していただきます。

 〇日時 4月11日(土)14:00〜15:30
     *12:15よりミツバチを扱った映画の上映も行い、Goyaさんにちょっと解説もしていただく予定です。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所(当別町金沢147‐1)
 〇内容 ・ミツバチという生き物について
     ・養蜂の1年
     ・農的な暮らしとミツバチのかかわり etc...
 〇参加費 2000円(*1ドリンク付き)
 〇講師 Jayanand Goyaさん


映画『世界でいちばん美しい村』上映会
雄大なヒマラヤの大自然、その懐で慎ましく暮らす人々。こどもたちの輝く眼差しと明るい笑顔。
2015年、大地震直後のネパールを取材したことをきっかけに製作されたドキュメンタリー映画を上映します。

 〇日時 5月3日(日)@10:30〜 A14:00〜 B17:00〜 *3回上映
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
     (石狩郡当別町金沢147-1)
 〇参加費 1200円(前日までに予約) 1500円(当日)
     *1ドリンク付き *中学生以下半額
 〇定員 各回15名

『裏山トレース〜<春>春の野草を味わおう』
図鑑を片手に裏山を歩き、特徴をおさえて名前を確認したり、食べられるものを選んだりしながら、山頂近くにある大きな桜の木を目指します。下山後は、採取してきた食べられる野草を簡単な調理で味わいます。是非、身体で春を感じてください。
*ちなみに、この日は「札沼線」の最終運行日です…!

 〇日時 5月6日(水) 10:00〜14:00
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
       (当別町金沢147−1)
 〇参加費 1800円
   *おむすび、食器等ご持参ください。
 〇定員 12名


『オサムさんの刃物教室』
米バークレーで20年以上「日本の刃物やさん」をしていたオサムさん(現・こぐま座料理人)に様々な刃物の違い等を教わり、「砥石のこと」や「研ぐコツ」「刃物の扱い方」を習いましょう。

 〇日時 5月16日(土)12:00〜15:00
 〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
 〇参加費 3500円*こぐま座ランチ付き
         *こぐま座内刃物関係特価販売アリ
〇講師 弘山監さん
〇定員 8名


『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
手前味噌の仕込み、今年は「大豆の栽培」から始めてみませんか?
自分でタネを播く。お世話をして、収穫する。そんな「手間」の中で、いろいろな気づきや学びが生まれます。
味噌だけでなく、毎回、様々な「大豆の加工品」づくりも行います。また、「栽培の基礎」や「農的な暮らし」になどについて、体験的に学んでいただく講座です。

 〇第1回の日時 5月24日(日)13:30〜16:30  
      *2回目以降の予定 A6月後半 「豆腐造り、大豆の観察・管理など」
               B8月半ば 「石臼きな粉づくり、大豆の観察、土壌の話」
               C10月半ば 「納豆づくり、大豆の収穫」
               D11月末 「味噌仕込み」
       *2回目以降の日程は、近日決定しますが、それも参加者さんのご都合も含め、調整しながら決めていきます。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾(石狩郡当別町金沢147‐1)
 〇参加費 10000円(全5回分)/小学生以下(2000円)
       *1回目の単発参加2000円
       *通しでの参加の方を優先させていただきます
〇定 員  12名(要予約)

*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。










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