2017年11月08日

そして僕は田んぼに向かう。

(忘備録も兼ねて)
10月22日に脱穀、30日に籾摺りを終え、今年も「新米」がやってきました。
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6月初めに田植えを行い、除草だ水の管理だと長沼に通い、9月末に稲刈り。
苦労の成果として得られたお米は、青米などを除くと52kg程です。
田んぼは6畝位なので、反収にして2俵弱。
笑われちゃうような収量ですが、それでも代掻きもせず肥料も入れず薬も使わず、人の手だけで管理した稲なので、自分としては喜びもひとしおです。
自分の育てたお米を日々食べられる(数か月ですけど)のは、やっぱり「幸福」と表現していいんじゃないかと思います。

この喜びは一人じゃモッタイナイ。
やっぱり手伝ってくれた皆さんと共有しなきゃ。
・・・ってことで。

今年も「新米祝いの会」を開催。
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(前日に、おすそ分けを準備しました)

11月3日当日は、「キッチリ白米」と「小豆入り3分づき米」を焚きました。
水加減は0.9倍ほどで。
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普段の「持ち寄りらんらんランチ」ではオカズ1品を持ってきてもらうのですが、新米祝いはお米を楽しむ会なので、「新米に合う1品」をご持参いただきました。
漬物やふりかけ、佃煮、筋子など、新米の友が並び・・・
今年の田んぼに感謝して、「いただきます!」
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ご飯と味噌汁に添え物という簡素ながら、じっくり新米をかみしめるひと時。
和やかに歓談しながらの食事は豊かな時間です。

会の最後には、お一人ずつ、おすそ分けを手渡しました。
(もう少し収量が上がったら、もっと差し上げられるのですけどね…)
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手元に残っているお米は40kg弱です。
地代や苗代と相殺すれば、どエライ高級米でも買った方が安いくらいです。
ていうか、約4か月ほぼ毎週通った燃料費や労働時間を換算すれば、結構な赤字になるでしょう。

それでも田んぼを続けるのは、やっぱりそれが気持ちの良い「集いの場」になるからです。
自分で育てたお米を食べたいという以上に、「皆で田植えや稲刈りをしたい」というのが、田んぼを続ける僕の一番の動機です。
(毎年多少は工夫していますが)ほとんど同じことの繰り返し。何回かやったら「もういいや」と感じる感覚も現代としては当たり前だと思いますが、この「繰り返し」こそ人間の営みの神髄ですし、そこに面白さや喜びを僕は感じてしまうのです。

そんな思いを共有したい。
・・・という思いで、来年も田んぼに向かうつもりです。

とは言え、せめて3俵くらいは採りたいですけどね。
来年の目標は100kg!
春先の除草と地温を上げる工夫、頑張ります!
(その前に稲架の片付けしなきゃ・・・)

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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
自主企画の講座の他、随時出前講座も承っています。


『つけもの日和。』←受付終了しました
実りの秋。食欲の秋。どして、秋と言えば「漬物仕込み」の季節!
ご好評いただいた「漬物講座」、今年も開催いたします。
仕込むのは、漬物の基本「たくあん」と、北海道のソウルフード?「ニシン漬け」。
たくあんは、シンプルで誰でも失敗ナシの技をお伝えします。

〇日時 11月12日(日)13:00〜17:00
〇場所 エコビレッジライフ体験塾(当別町金沢147−1)
〇参加費 3500円
〇定員 10名

  *講座の詳細については、HPまたはFacebookにてご確認ください。

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2017年11月03日

秋の日々。

なんだかバタバタと忙しくて、そうなるとパソコンに向かう時間なんてどんどん削られちゃって、大事なメールを送るくらいしかできません(僕はスマホがないので、ネットもPC開いた時だけ)。
ブログに書こうかなーと思う出来事や考えてることは、それなりにあるのですけどね・・・。


さて。
2週間くらい前のことだけど、ようやく山ブドウを採集。
すでに結構落ちちゃっていたので、傷んだ部分を除きながら集めました。
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木についてるものは脚立に乗って棒で叩き落しましたが、届かないものもたくさん。
まあ、それは森の生き物たちに。
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つぶして糖度を計ると、16.5%。
これなら加糖せずにやっても良さそうです。
せっかくなので、イーストも入れずに、野生の方々にお任せします。
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3,4日すると、プツプツと湧いてきました。
ビンの蓋を開けるたびに、「シュワ〜!」。
2週間ほど経った今でも、シュワシュワは続いています。
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このままもう半月ほど置いて、試飲してみます。


それから、いただいた鹿肉を燻製にしたり・・・
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切り干し大根をつくったり。
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小屋の屋根貼りをしたり。
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小屋の周りに明渠を掘ったり。
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畑の最後の収穫や仕舞い仕事、漬物仕込み、ひょうたんの加工等々・・・。
「家仕事」の日は、あっという間に1日が過ぎ、寝る時間になってしまうのでした。
1日が25時間あったら、1時間くらいパソコン作業に使えるのになあ(そうなったらそうなったで外にもう1時間いるんだろうけど…)。

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2017年10月23日

森の中の解体。

「鹿打ち」に連れていってもらいました。
これまでにもハンターをしている方にお誘いいただくことは時々あったのですが、なかなかタイミングが合わずにいて、今回初めて「現場」に同行させていただいたのです。

雪の降った、寒い日でした。
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暗いうちに現地に向かい、夜明けとともに行動開始しました。
森の中を動きながら、鹿を探すこと約2時間・・・。

僕の前方を歩くハンターのEさんの動きが変わりました。
彼の数m前に、1頭の雄鹿がいます。

静かに狙いを定め、引き金を引くEさん。
森の中に銃声が響き、走り始める鹿。
落ち着いた様子でEさんが鹿を追いかけます。

鹿の動きは緩慢で、20mも進むとうずくまりました。

もう一度、銃声が響き・・・

・・・「狩り」は終了しました。
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首のあたりから、煙硝が立ち上っています。



そして、解体作業が始まりました。
鳥の解体は何度も経験していますし、学生時代にニホンカモシカの解体(研究の為)のお手伝いをしたことはありますが、こういう環境で動物を屠り、解体するのは初めての体験です。
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血抜きをし、内臓を除けながら、肉を切り取っていきます。
ここでは(たぶん伝わらないと思うので)具体的な写真は載せませんが、とても美しい光景でした。
鮮血も、顕わになる内臓も。

普段なら、残酷さやグロテスクさを感じずにはいられないような光景を「美しい」と感じたのは、きっとそれが森の中だったからです。
「イキモノを殺して(喰う為に)解体する」という行為が当たり前で、自然なことなのだ、と僕の身体が感じていました。
室内の人工的な場所の屠畜では感じたことのない感覚でした。
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Eさんは、実にスムーズにその行為を終え、僕らは森を後にしました。
残してきた鹿の内臓や肉や皮や骨は、無駄にはならず、森の様々な生き物の糧となるはずです。
生まれて、食って生きて、死んで糧になる・・・
イキモノは、所詮他の生き物を殺して喰らいながら生きていくのだ、ということの「まっとうさ」を感じた1日でした。



社会的に見ても、エゾシカを獲り喰うのは実に自然なことです。
捕食動物を失ったエゾシカは、このままでは増える一方で、いずれは植生を乱し生態系を破壊し、いずれは自身をも絶滅に追いやってしまいます。
現状では、人間が喰って個体数を調整するのが不可欠だと思います(きっと100年前のアイヌの人たちは、その「生態系維持」を文化として持っていたのでしょう)。



さて・・・
帰宅後の、家での精肉作業。
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・・・それはやっぱり、実に「不自然」と感じる作業でした。
それが今の人間の現実ですし、受け止めるしかないのですけどね。


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2017年09月29日

また、麦を播く。


8月頭に刈って、その後干しっぱなしにしていた小麦、大麦をようやく脱穀しました。

足踏み脱穀機で穂から外したものをさらに手でもみながら脱粒させ、ふるいにかけ・・・
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唐箕で風選。
唐箕かけ.png

何度か繰り返して、やっとそれなりにキレイな麦粒が現れました。
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今年の収量は、キタホナミとユメチカラが1.7kgずつ。
これは昨年の1/4くらいです。
初めて収穫した大麦も、選別するとたった1kgくらいでした。
何故こんなに少なかったのかと言えば、昨年秋(麦の播種後)にCoccoさんを畑で遊ばせてしまい、播いた粒をかなーり食べられてしまったから・・・(マヌケですねー)。

まあ、それでも、今年も何とか収穫できました。

採れた麦、ユメチカラは製粉してパンにします。
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キタホナミは来春仕込む醤油の材料になります。
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ちなみに、それで仕込んだ醤油を搾るのは、再来年の秋です。
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大麦は、・・・ちょっとした美味しい飲み物になる予定(笑)。



ただ、すべてを使ってしまうわけにはいきません。
今年の場合、半分近くはタネとなります。
(例年はもっと楽しめるのですが…)
「今日を生き延びるためのパン」は大切ですが、それと同じくらい、「明日に残すタネ」が重要、と僕には思えます。

そして先日、今年も何とか、9月中に麦を蒔き終えることが出来ました。

畑の土と混ぜて・・・
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バラまき・・・
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うっすら土をかけながら、踏み固めます。
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たったこれだけの面積ですから、来年そこそこ採れたとしても、せいぜい4〜5kgずつでしょう。
何度か食べればなくなってしまう量です。
ここにかけている労働時間をコンビニのバイトにでも費やして、その時給で買えば、何倍もの量の小麦を手に入れることが出来るはずです。

まったく、非効率極まりない話。
馬鹿だと思われても仕方がないと思います。

だけど、それでも僕は今年も播きました。
きっと来年も播くでしょう。



僕はよく、「一度くらいは体験してみて欲しい」と言います。
小麦のことに限らず、知識だけで知ってるつもりにならずに、どんなことでも一度くらいは手を動かし汗をかき体感してみて欲しい、と思って体験塾のプログラムをつくっています。

でも、もう少し本音を言うなら、「一度だけじゃ、ダメなんだ…」という思いが最近は強くなっています。
何故なら、一度くらいでは、実はその行為の本質はなかなかわかり得ないから。
さらに、残念なことに、人はあっという間に、どんどん忘れてしまうから。
そして何よりも怖いのは、ちょっと体験したことで、「わかったつもり」になってしまうから・・・。
他の誰のことでもなく、自分自身がそうなのです。
「わかったつもり」が一番恐ろしいことかもしれません。

地味でメンドクサイ作業ばかりですが、何度も何度も繰り返すことで、少しずつ少しずつ見えてくるものがあります。
一方で、やればやる程、わからないことも増えていきます・・・が、そんな「己の未熟さ」「自分のちっぽけさ」に気づけるのもまた、こういう行為の醍醐味なのかもしれません。

とにかく、毎年毎年同じことを繰り返しながら、だけどもほんの少しずつ自分の内側に「蓄え」が積まれて、違った景色を見ることができる、そんな螺旋を這い登るようなことを自分はしているのだな、と感じています。

こんなふうに、喜んだりがっかりしたり、時にはムナシクなったりメンドクサイと思いながら、1万年前の人も播いたのだろうか?
今の僕らは楽をすることばかりに一生懸命だけれど、数千年前の人たちは皆当たり前に喰うために体を動かしていたわけで、きっと僕等には感じ得ない喜びも持っていたのだろうな、とか考えながら・・・
僕は、今年も麦を播きました。
もう少し先の景色を見るために。



思い起こせば2年前の秋、ここに住むことが決まりかけた時(契約も済む前…)に最初にしたことも、麦播きでした。
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芝生だった場所を耕して、麦のタネを播きながら、僕は「ああ、これからここで自分は生きるのだ!」と決意していたように思います。

・・・来年はもう少したくさん採れますように。

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『秋山散歩。』
ネイチャーガイドの喜多としろうさんに案内していただきながら、うちの裏山を探索します。
秋の植物たちの様子を観察し、季節による変化を楽しみましょう。食べられるキノコも見つけられるかな?
〇日時 10月7日(土)13:00〜16:00
〇場所 エコビレッジライフ体験塾(当別町金沢147−1)
〇参加費 1500円
〇定員 12名


『今日採るタネが未来を創る〜明日のためのタネ採り講座』
タネに親しみ、「自家採種の意義」を考えながら、実際に10種類ほどのタネ採り実習を行う講座です。
あなたも「タネ友」になりませんか?
「まだ栽培はしていないけど、いつかやりたい」という方ももちろん大歓迎です。
〇日時 10月15日(日)10:00〜12:00
〇場所 エコビレッジライフ体験塾(当別町金沢147−1)
〇参加費 1500円(豆部の方1000円)
〇定員 12名


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2017年09月25日

大きな力。

残念なことに、今年も家の前の舗装道路の補修工事が始まってしまいました。
毎年春、秋の2回やっているようです。
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当然、工事をしている人たちのせいではないので、通りがかったら「お連れ様です」と声をかけますが、内心は、「ちっ、やめてくれよな!」と思っています。
そう。
道路に穴がぼこぼこ開いたりひび割れたりすると、僕は「よーし、このまま壊れっちまえ!」と思っているのでした。

何故なら・・・
家の前の道路、狭い道なのに、結構速い車が通るのです。
ガタガタの悪路なら、そんなに速く走らないでしょう。
砂利や土の道なら、速く走りたい車は来ないでしょう。
だから、「このまま舗装が壊れてしまえ!」と思っていたのでした。
そんなにどこもかしこもキレイな舗装にする必要ないもの。

この、家の前の道、僕らは歩くし自転車で走ることもあります。
子どもが時々散歩していたりもします。
だから、60kmくらいの車でも、すごく怖く感じます。
(僕はせいぜい40kmくらいしか出しません)

なのに、この道を70〜80kmくらい出して走り去る車も、日に何台も見かけるのです。
特に隣を走る国道で「ネズミ捕り」をしているときには、抜け道として使う車が多いように感じます。



だから僕は、徒歩の時は、出来るだけ道路の真ん中近くを堂々と歩くようにしています。
向こうから車が来ても、もしもスピードを出しているようなら(逆に)あまり除けません。
そうすると、しばしば怒ったように(むしろ)スピードを上げてすり抜けていく車がいたりもします。

そんな運転手は僕のことを「コイツ、頭オカシイんじゃないか!?」と思っているかもしれません。
でも、僕から言わせれば、「こんな道でそんなスピードを出すアンタこそ、狂ってるよ!」です。
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野生動物が轢かれているのを年に何度も目にします。
本当に、子どもが歩いていたって平気で飛ばしていく車、ゆっくりの車を追い越していく車もいるのです。

オカシイのは法的な部分。
隣を走る、整備された対面二車線の国道が50km制限なのに、この道は制限なし(つまり60kmまでOK)なのです。
もちろん交通量も少ないので、ここで取り締まりをすることもありません。

一度、町の警察署に相談に行きました。
せめて40km制限とかにならないものか、と。
が・・・
その時の警察官(年配のエラソーな人)が言った言葉に、僕は開いた口がふさがりませんでした。
「でも、まだ事故は起こっていないんでしょ?」

・・・どうやら、子どもが轢かれれば考慮されるようです。



北海道の車のマナーの悪さは有名ですが、そもそも「こんなに車がエラソーにしている社会ってなんなの?」と僕は思います。
自戒も込めてしばしば考えますが、<大きな力>を扱う時には、よほど慎重に想像力を働かせなければならないはずです。
車に乗って、ヒトという生物が本来不可能なはずの速度を得た時、僕らは気が大きくなって、きっと<ゆっくりと生きているもの>や<小さなもの>へ向けられるはずの目が失われてしまうのです。

車だけの問題じゃないでしょう。
鎌を持って手で刈るよりも、刈り払い機を振り回す方が(たくさんの作業ができるけれど)イキモノに対して乱暴になります。
スコップで耕すときには感じられる土の中のイキモノの気配が、耕運機を使う時には薄れていきます。
トラクターに乗れば、1匹のミミズの身体がちぎれることになど、意識は向かなくなるでしょう。
身の丈を越えた<大きな力>を持てば持つほど、僕らはエラソーな気分になって、暴力性への警戒が失われてしまいます。
(その行きつく先が、原子力発電や遺伝子組み換え作物なのかもしれません…)

・・・等々考えてしまうので、僕は、状況も考えずに馬鹿みたいなスピードを出す車に無性に腹が立ってしまうのでした。

「法的に40km制限にしてほしい」なんて思ってはいません。
そんなツマラナイ法はイラナイ。
この場所に人間が住んでいて、子どもたちや野生のイキモノが通ることもある・・・と想像してくれたらいい。そうしたら、<車>という身の丈を越えた道具(凶器)の扱い方にも節度が生まれるのでしょうに。
そう思います。

小さきもの、弱きものに向けるべき目を曇らせて、大して意識もせずに身の丈を越えた力を扱うことに慣れてしまった僕ら。
想像力と節度を忘れたその先にあるのは、どういう世界なのだろうなあ・・・。

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