特にうちの子は2歳前後が多いので、12月から1月にかけてはほぼ産まないような子も何羽かいました。
2月を迎え、節分を過ぎたころ・・・
だんだん卵の数も増えてきました。
毎年、コッコさんの産卵率の変化は、春の兆しを告げる一つのサインです。
さらに3月となり、雪解けもすすみ始めた3月4日の深夜。
「事件」は起こりました。
信じられないくらい大きなコッコさんの鳴き声や羽音が聴こえてきました。
僕は飛び起きました。
これは間違いなく、「野生動物の侵入」です。
大急ぎで鶏舎に行くと、大きな薄茶色のイキモノが、鶏舎の天井からぶら下がっていました。
「キツネだ!!」と判断し、僕は大声を上げて威嚇しました。
この冬、しばしばキツネがうろついているのを目にしていたのです。
身体の大きさ、尻尾の感じからも、キツネに違いなかろうと思ったのです。
そのイキモノ(キツネ?)は、僕の声と気配で、慌てて天井から上に消えていきました。
コッコさんが1羽、生きたまま咥えられていきました(羽音が聴こえました)。
ポリカの波板を貼っていた鶏舎の屋根に、大きな穴が空いていました。
僕は、その部屋のコッコさんを別な場所に移し、とりあえず布団に戻りました。
翌朝、すぐに確認に行きました。
屋根材の波板にはやはり、大きな穴が開いていました。
10年持つはずのポリカ。まだ5年目ですが、この場所の環境が厳しくてかなり劣化していたのでしょう。
僕が乗っても簡単にパキパキとひび割れる場所がありました。
(ちなみにこの冬はあまりに雪が多くて、鶏舎もほぼ屋根と地面が地続きになっていました)
屋根の穴を別な材で塞ぎ、また穴が開きそうなひび割れた場所を補強しておきました。
数日後に友人が作業を手伝ってくれることになっていたので、その時に屋根を全部張り替えてしまおう、と考えました。
それが、3月5日のことでした。
よく見かけるキツネと深夜の目撃が自分の中で合致してしまい、犯人がキツネだと信じ切ってしまった僕の対策(有刺鉄線、屋根に登りづらくする、屋根の補強等々)が甘かったのが原因なのですが、悲劇は続きました。
翌6日の朝も1羽、ヤラレていたのです。
今度は新しい穴、昨日よりもかなり狭い穴でした。
狭すぎて持ち帰ることは出来なかったのか、死体が1羽、転がっていました。
その日は昼前から遠出の仕事が入っていたので、出かける直前まで、また屋根の補強を行いました。
そして夜に帰宅した後、また心配になり、夜中に有刺鉄線を細かく張り直したり、再度屋根の補強をしたりしました。
が・・・
翌7日朝には、さらに小さな穴(5cm×5cm程の隙間)が開けられ、1羽の死体を発見しました。
キツネはまさかこんな隙間を抜けるわけはないし、おそらくキツネが踏み抜いた穴からテンが入り込んだんだろう…と僕は思いました。
諸々経験した今となっては、この展開は「アライグマ一択」なのですが、実は僕はアライグマは農作物の食害の経験しかなく、野生のそれを目視したこともなかったのです。
この付近にも居るっぽい、くらいには思っていましたが、鶏小屋をこじ開けて襲いに来るとは想定していませんでした。
7日も出かけなければならなかったので、深夜にまた、屋根の補強をしました。
今度は屋根ごとブルーシートで覆ったのです。
が・・・
8日早朝、またけたたましいコッコさんの悲鳴で飛び起きることになります。
駆けつけると、「ヤツ」はまだそこにいました。
キツネではなく、アライグマでした。
僕がイメージしていたアライグマの2回りほども大きなアライグマ。
瞬時にいろいろなことを考えました。
「また大きな声を出して追い出すか?」
「いや、今日も完璧な防護は出来ないかもしれない。コイツは今夜もまた来る」
「野生動物には噛まれたらマズいよな・・・感染症が怖いよな・・・」
「でも、今逃がしてしまえば、味をしめてこれから畑もずっとヤラレるかもしれない。猫や小さな子どもが襲われる危険もあるかもしれない」
「ここで暮らすなら、今、コイツを仕留めなくては・・・!」
そして僕は、対峙し、ニラミを利かせたまま、残っているコッコさんを別な場所に逃がして1対1になりました。
上から入ったことは分かっているので、必ず上に逃げようとするだろうから、その道を塞いで自分の足元に向かって来るように導線をつけました。
たぶん、時間にして2〜3分のことだったと思います。
僕はヤツを踏みつけ、骨盤と後頭部を押さえつけました。
何か所か噛まれましたが、組み伏せて、木槌で脳天を割り、絶命させました。
<後編につづく>
★『ぐるりの日々。』
ブログがあまり更新できていない代わりに、今年は動画でちょこちょこ記録を残しています。
今紹介しているのは、一連のアライグマ騒動についてです。
【ぐるりの暮らし】#70「春を迎えるコッコたち<前編>」〜厳しい冬を乗り越え、コッコさんの産卵率もあがってきました。嬉しい春!…でも、そんな喜びを覆いつくす出来事が起こりました。野生動物の侵入です。
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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
★イベント情報
ミニミニシアターぐるりの森『グリーンライ エコの嘘』上映会
〇日時 4月17日(土)@10:00〜 A13:00〜 B16:00〜
〇場所 ぐるりの暮らし製作所(当別町金沢147‐1)
〇参加費 1200円 *1ドリンク付き
『ぐるりの豆部2021〜タネまきからはじめる味噌造り』上映会
〇日時 5月23日(日)13:30〜16:30
〇場所 ぐるりの暮らし製作所(当別町金沢147‐1)
〇参加費 2000円 *1ドリンク付き
*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。

