2013年07月02日

暮らしを、関係性をデザインしよう。

体験塾2013第4回目のプログラムは6月29日、余市町のハル農園にて行いました。

ハル農園を訪れるのは皆さん初めてなので、いつもより少し早い9時半に集合していただいて、しばし見学。案内は、ハル農園を切り盛りする農場長の笠小春さんです。
果樹栽培の難しさなど、実感のこもる話しぶりにみなさん耳を傾けていました。
DSCN4253.JPG
「大変だねえ…」「一粒を大事に食べなくちゃ」「値段の理由がわかるね…」


10時からは、今日の本題がスタート。
今回のテーマは『パーマカルチャーとエコビレッジデザイン』です。
講師は、パーマカルチャーセンタージャパンでも講師を務めていらっしゃる建築家、山田貴宏さん。

DSCN4255.JPG
午前中は講座、『関係性のデザイン〜パーマカルチャーについて』でパーマカルチャーの基礎を学びます。通常、何10時間もかけて学ぶパーマカルチャーのエッセンスを2時間でわかりやすくまとめていただきました(山田さん、ありがとうございます!)。
初めて「パーマカルチャー」に触れた方、「デザイン」という言葉の持つイメージと農的暮らしなどが最初は結びつかなかった方もいましたが、特別な考え方ではなく、すでにあるものの「関係性」を整理し配置し直すこと、「多機能性」を生かすことなど、実際の暮らしの中でも自然とやっていることに近いのだとわかり、多くの方が身近なものとしてとらえ始めたようでした。

お昼は恒例の、持ち寄り「らんらんランチ」。
いつにも増して華やかな食卓です。
コミュニケーションを深めるランチの時間もまた、塾の重要な1コマとなりつつあります。
DSCN4258.JPG


DSCN4262.JPG
午後は、『エコビレッジデザイン演習』ということで、余市のハル農園を舞台に「エコビレッジをつくるとしたら…」と考えるグループワークを行いました。
まずは敷地内を探索して「資源」探し。土地にあるモノ、環境、状況、すべてが見方によっては資源となりますが、それを見つけるのにはちょっとした訓練が必要です。いつもとは違う目、思考で景色を観察します。
そして、その「資源」を単体で使うのではなく、他と「関係性」を持たせ、多目的に活用することがポイント。もちろんこれらはパーマカルチャーの考え方に基づいています。
「う〜ん…」と頭をひねりながら、散策を続けます・・・。
DSCN4264.JPG

屋内に入って、今度は見つけてきた資源を具体的な「システム」にまとめます。これは4〜5人のグループに分かれて行いました。この手のグループワークは初めてでしたが、短時間でなかなか密度の濃い話し合いが繰り広げられました。
DSCN4271.JPG
「これはここと結びつけられそう…」「テーマをエネルギーにして…」「水の利用はこうしたら…」

話し合いの後は、もちろんそれを発表しあいます。
DSCN4273.JPG

ハル農園に建設予定のエコビレッジの計画を山田さんから解説していただいたりもしました。
DSCN4279.JPG



今回最後のメニューは、「ミニ講座」。参加者が講師となって自分の興味のあること、得意なことなどを発表し合う時間です。
1発目はYさん。
講座名は『伸び悩み初心者が語る、これで良いのか?ジャズの楽しみ』です。
DSCN4283.JPG
「体験塾に関係ないテーマかも?」とおっしゃっていましたが、どうしてどうして、これが深いところで関連してきたりもします。要は、いかに上手くコミュニケーションを持つか、ということ。そのために必要なのは何か?ということ。ジャズのセッションも、エコビレッジライフも同じですね。

続いてTさんの講座、『手作り酵素と米ヌカ乳酸菌』
Tさんが日常行なっている発酵生活をいろい紹介してくださいました。
DSCN4287.JPG
僕もそうですが、農的暮らしには欠かせない発酵。いや、この世界になくてはならない微生物のはたらき。そんなものにも思いを馳せるひとときでした。


今回も大いに盛り上がった体験塾通年コース。早くも全10回の中盤となり、参加者のつながりも深まって面白くなってきました。

そして次回はいよいよ「小屋づくり」です。
みんなで体を動かして、形あるモノをつくりあげましょう!

posted by 野良人イトウ at 22:28| Comment(0) | 体験塾2013 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月25日

体験塾B「農とエネルギー」。

先週末は体験塾の宿泊プログラムでした。

22日(土)のメインテーマは「エネルギー」。プロジェクトデザインセンターの岩井尚人さんを講師にお招きして、『これからのエネルギー』についてお話ししていただきました。
とは言っても、原発の代替の再生可能エネルギーとか新技術の話などではありません。
元電力会社社員で、早期退職して現在は正反対とも言える活動をされているのですから、「電力会社の裏話」「いかにヒドイ会社か」なんて話題も出るんじゃないかと仄かに期待したりなんかもしたわけですが、そんなことは一切なく、淡々と現在のご自分の活動やエネルギーに対する考え方を伝えてくださいました。
その姿が岩井さんの人間性を表しているなあ、信頼できる方だなあ、と僕は感心してしまったのでした。
DSCN4157.JPG
そんな岩井さんのお話はほとんど「省エネ」や「いかにロスをなくすか」という視点。
大規模な設備投資などをするのでなく、自然の摂理を取り入れつつ、無駄にしているエネルギーを上手く使えば40%は無理なく電力消費も下げられるはずだというのが岩井さんのアイデアで、それはそのまま地域の中小企業の仕事づくりにもつながるものでした。
とある道内企業でのエネルギー消費40%減を成し遂げた理由が「主に掃除」だなんて、ビックリかつ目からうろこの話もたくさん飛び出しました。


岩井さんの講座の後は、表に出て自給エネルギーの実習(ロケットストーブ、ソーラークッカー等)や畑の様子の観察です。
DSCN4173.JPG

DSCN4160.JPG
1カ月前にみんなで播いたダイズの種が何故発芽したりしなかったりするのかの検証なんかもしました。丁寧な観察、これが栽培する者にあるべき基本的な姿勢なのだと思います。よーく見て考えると、タネ自体がいろんなことを伝えてくれますよね。


夕方からは、ごはん係と庭の草取り係に分かれて作業。
ごはんは餃子など。ワイワイしながら包むのが楽しい、素敵な時間です。
DSCN4189.JPG

DSCN4188.JPG

そしていよいよ夕食。
お腹いっぱい手作り餃子(皮やラー油まで)を食べて、大満足でした。
DSCN4195.JPG
語らいの時間を重ねるごとに、関係性も深まっていくのを感じます。



翌朝は、6時から田んぼの草取りへ・・・。
DSCN4209.JPG
短時間ではありましたが、朝のこの時間に田に入るというのはまた気持ちの良いものです。


朝食の後は、畑の実習。
DSCN4221.JPG
ジャガイモの土寄せや菜類の間引きなどの作業の後は、坂本一雄さんの畑の講座です。
今回のテーマは『共生する作物』。畑で、作物がどんな共生関係を持っているのかをお話ししていただきました。
微生物や虫、雑草との関係、そして作物同士(コンパニオンプランツ)の関係。自然を真似ながら50年畑をつくってきた坂本さんならではの言葉に、みなさん聴き入っていました。

DSCN4232.JPG

「農」と「エネルギー」。
分野は異なれど、大切になる発想や視点はおそらく同じです。
まずは良く見て、本当に必要な人為を見定めること。そして規模や程度を丁度良いものに保つこと。自然から学ぶこと・・・。
参加された方が、それぞれの場で学びを生かしてくださるはず。それが何より楽しみですね。


posted by 野良人イトウ at 23:26| Comment(0) | 体験塾2013 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月13日

賑やかで華やかな週末A


暑い日が続いています。
今週末には久しぶりにまとまった雨が来るそうなので、とにかくすべて播いてしまわなければ、と家にいる時間のほとんどを畑で過ごしております。


そうこうしてるうちに間が空いてしまいましたが、先週日曜日は体験塾の公開講座でした。
昨年から継続して行っている企画、村上朋子さんを講師に招いてこぐま座さんで行うハーブ講座です。今年は『魔女が教える癒しのハーブ』と題して、「リラクゼーション」をテーマに健康的で豊かな毎日を過ごすためのハーブの活用を学んでいます(今回は、前4回行う講座の初回でした)。

札幌の魔女こと村上朋子さん(朋さん)は看護師でもあります。なのでもちろん、「健康」や「病」というものにたくさんの知識と経験をお持ちです。そんな医学的な視点も交えながら語る朋さん。彼女の発するエネルギーを受け取るのも、このハーブ講座の醍醐味です。
2013-06-09 11.55.52.jpg


「ハーブの効用」というと、どうしても「このハーブは○○に効く」とか、「この成分が〇〇する」という情報に目がいきがちですが、「そういうものじゃない」と朋さんは言います。
「成分を抽出した薬に比べ、ハーブは植物体。当然、いろいろな成分を含んでいるので、比較的体にやさしいことが多い。けれど、薬効は同時に毒にもなり得るのだから、自分の体に合うのかどうかをよく知らなくてはならない」
朋さんの言葉に、ハーブティを飲みながら耳を傾ける参加者の皆さんも深くうなずいていました。
2013-06-09 11.14.45.jpg


今回は今年の初回なので、用意した苗を中心にじっくり「植物としての特徴」などを学びながら、苗の植え込み作業などを行いました。
植えたハーブは、タイム、オレガノ、カモミール、フェンネル、セージ、レディスマントル、各種ミント、バジル等々・・・30種類ほど。
2013-06-09 14.15.57.jpg


そして、昼食はもちろん、この講座の目玉でもある「ハーブランチ」。
毎回、これを楽しみに参加してくれる方もいるくらいです。
2013-06-09 12.37.57.jpg

2013-06-09 12.53.01.jpg

2013-06-09 12.56.47.jpg

体が喜ぶゴチソウを堪能した後は、また植え込みの実習を行いました。
この先、今回植えた苗たちがどう育っていくのか楽しみですね。
殺菌効果も高いタイムはもっと増やして、「ハーバルベッド」にしていく予定です。タイムのベッドに寝転んでお昼寝したら、きっとすっきりリフレッシュできますね。



僕自身も、昨年、朋さんからハーブの扱い方や楽しみ方を教わって、暮らしが少し変わった気がします。
自分で育てたハーブを暮らしに活かす楽しみは、暮らし自体に色を添えてくれるし、自分の心や体に目を向ける機会も与えてくれるのです。
きっと「ハーブの効用」は、「植物が持つ薬効成分」というより、そういう「暮らし全体から自分を整えること」が大きいのでしょう。

『魔女が教える癒しのハーブ』、次回は7月7日(日)です。
今回植えたハーブを使って行う「フレッシュハーブ料理づくり」を行う予定です。
posted by 野良人イトウ at 20:29| Comment(0) | 体験塾2013 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月05日

ハーブ講座までもう少し。

いつも貧乏暇なしでバタバタしていますが、今週は特にあわただしく時間が過ぎます。
8日(土)の田植えの準備、9日(日)のハーブ講座の準備。
それに、もちろん畑に種まき、定植どんどんやってかないといけない時期です(畑起こして整地するのが一番大変なんだよな〜…あ〜背中が痛い…)。
雛の世話、新しい鶏舎づくりもあるし、さらにそれなりにカイロや学童の仕事や打ち合わせなどもありまして(おかげさまで)。
とにかく、「今の時期はしょうがねいや!」と気合い入れてやっています。


さてさて、ここでの告知を忘れていました。
9日(日)から始まるハーブの講座です。
以下、ご案内です。

=================================
今年も、「札幌の魔女」こと村上朋子さんを講師に招き、楽しくて美味しいハーブ講座を開催します。
今回のテーマは、「癒し」「リラックス」。
ハーブを暮らしに活かして、健康的で気持ちの良い毎日を過ごしましょう。
魔女講座2013.jpg

◆開催日時と主な内容
 第1回 6月9日(日)「ハーバルベッド」(ハーブの育て方等)
 第2回 7月7日(日)「フレッシュハーブ料理」
 第3回 8月11日(日)「ハーブトニック」
 第4回 9月22日[日)「安眠。リラックスグッズ」
         *開催時間はすべて11:00〜14:00です

◆開催場所
 レストランこぐま座(長沼町東2線北9番地)
                tel:0123-88-1765
◆参加料金
 4000円/回(毎回昼食代を含みます)

◆定員 15名
      *単発参加も可能です

◆お問い合わせ・お申込み
 エコビレッジライフ体験塾(伊藤)
    tel : 080-6065-6098
  e-mail : itogakiretatako@yahoo.co.jp
     *こぐま座へのお申込みでも結構です
posted by 野良人イトウ at 05:29| Comment(0) | 体験塾2013 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

初のお泊り2013

先週末の体験塾の活動について、「早いとこブログに載せなきゃ!」と思いつつも、この時期、「パソコンになんて向かってられっか!」という衝動は激しく強く・・・スイマセン、なかなか記せませんでした。
タネ播き、定植、畑起こし、ヒヨコの世話、苗の管理等々・・・「今やらなきゃいつやるの!?」って作業に追われていたのです(まーあとはカイロとか学童とかね)。

というわけで、やや時間が経ってしまいましたが、先週末は体験塾の通年コースの第2回目でした。
2回目と言っても前回は「プレオープン」って感じでしたから、実質今年のメンバーが決定して初回の活動日だったのです。


残念ながら4名お休みがいたので、9名での初日。まずは軽く自己紹介した後、早速畑へ出ます。
今回の畑の実習は、「ジャガイモの植えつけ」と「ダイズの播種」。家庭菜園ではメインにはならないものかもしれませんが、どちらも「食の自給」には欠くことのできない作物であり、特にダイズは後の加工までつなげる体験塾の主幹作物です。
2013-05-25 13.35.31.jpg

2013-05-25 13.48.42.jpg

2013-05-25 14.20.27.jpg

畑の活動時間が終盤にさしかかった頃、一台の車が現れました。
次の活動、「コミュニケーションワークショップ」の講師、斉藤ちずさんの登場です。

劇場コンカリーニョを切り盛りするちずさんは、ご自身も役者としての経歴を持ち、たくさんの演出を手掛けてきた方でもあります。そんなちずさんならではの、自己を解放し表現を引き出す演劇的手法(ちずマジック)によって、参加者の間がグッと近づいていくのがわかりました。
2013-05-25 16.45.01.jpg

2013-05-25 17.04.59.jpg

笑い溢れる密度の濃い2時間を過ごした後は、夕食の準備。
体験塾は、単なるセミナーや講座ではない、「コミュニティ(大家族)体験」の場でもあります。
特に今年は図らずも3名のちびっこまでいて、ますます「雑多でオモシロイ空間」になりそうな気配です。
とにかく、「みんなで準備して、みんなで食べる」・・・それが体験塾の「体験」の一つなのです。
今回の夕食は、まだちょっと寒い夜に嬉しいお鍋。
2013-05-25 18.51.14.jpg

夕食後の温泉、そして(ちびっこが疲れ切って熟睡した後の)大人の交流会(でもそう遅くならずに寝ましたが)。・・・こうして「初のお泊り」の夜は過ぎていきました。



2日目のプログラムは、8時半から始まります(小学校並みに早い?!)。

塾長イトウの講座『作物栽培の基礎知識』は、単なる家庭菜園や農業技術ではない、その前提となるべき「生物学的・生態学的な視点による栽培」をテーマとしています。
「畑」という空間は、「自然」とどう違うのか。
「作物」は、どういう「生物」なのか。
それを踏まえた上で、各々の感性や理念を持って栽培技術を選択していってほしい、という思いで設定している講座です。
2013-05-26 08.59.18.jpg

講座後は、再び畑へ。
2日目の畑の実習は、トマトやキャベツ、レタスの定植です。
これらの作物は、4月半ばの「見学会」から、鉢上げなど少しずつかかわっていただいたもの。

順調に生育した苗をいよいよ畑に植えこんでいきます。
トマトは3種類。「北のしずく(大玉)」「北のしずく(ミニ)」「サンマルツァーノ」。
2013-05-26 10.44.59.jpg

キャベツとレタスは今年も混植。
2013-05-26 11.06.10.jpg

2013-05-26 11.32.53.jpg


作業が終わるや否や、昼食です。
「ちょっと詰め込みすぎたかなー」と反省したくなるほど慌ただしく、荷物をまとめていただき、感想のシェアもそこそこに田んぼ経由で「恵子ガーデン」へ。
恵子ガーデンは、畑の講師である自然農法家・坂本一雄さんが手がける畑です。
無肥料(もちろん無農薬)をつらぬく坂本さんの奇跡のような畑には、今や年間何100人もの見学者が訪れるとのことです。
2013-05-26 15.03.47.jpg



こうして、あっという間の慌ただしき2日間が終わりました。
「ゆっくりじっくり過ごしてもらおうか」と思いつつも、「アレもコレも伝えたい!体験してほしい!」と欲張ってしまうのがイトウの悪い癖。
そんな混沌としたプログラムにおつき合いいただいているみなさん、本当にありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします。
(だけどもちろん、最後にはご満足いただくつもりですよ!)

・・・張り切り過ぎたのかテンパりすぎたのか、帰宅後にはあっという間に眠りに落ちたイトウの週末でした。お疲れ様、ふうー!


posted by 野良人イトウ at 22:13| Comment(0) | 体験塾2013 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
<a href=体験塾ロゴ.jpg" src="https://itogakiretatako.up.seesaa.net/image/E4BD93E9A893E5A1BEE383ADE382B4-thumbnail2.jpg" border="0">
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。