ハル農園を訪れるのは皆さん初めてなので、いつもより少し早い9時半に集合していただいて、しばし見学。案内は、ハル農園を切り盛りする農場長の笠小春さんです。
果樹栽培の難しさなど、実感のこもる話しぶりにみなさん耳を傾けていました。
「大変だねえ…」「一粒を大事に食べなくちゃ」「値段の理由がわかるね…」
10時からは、今日の本題がスタート。
今回のテーマは『パーマカルチャーとエコビレッジデザイン』です。
講師は、パーマカルチャーセンタージャパンでも講師を務めていらっしゃる建築家、山田貴宏さん。
午前中は講座、『関係性のデザイン〜パーマカルチャーについて』でパーマカルチャーの基礎を学びます。通常、何10時間もかけて学ぶパーマカルチャーのエッセンスを2時間でわかりやすくまとめていただきました(山田さん、ありがとうございます!)。
初めて「パーマカルチャー」に触れた方、「デザイン」という言葉の持つイメージと農的暮らしなどが最初は結びつかなかった方もいましたが、特別な考え方ではなく、すでにあるものの「関係性」を整理し配置し直すこと、「多機能性」を生かすことなど、実際の暮らしの中でも自然とやっていることに近いのだとわかり、多くの方が身近なものとしてとらえ始めたようでした。
お昼は恒例の、持ち寄り「らんらんランチ」。
いつにも増して華やかな食卓です。
コミュニケーションを深めるランチの時間もまた、塾の重要な1コマとなりつつあります。
午後は、『エコビレッジデザイン演習』ということで、余市のハル農園を舞台に「エコビレッジをつくるとしたら…」と考えるグループワークを行いました。
まずは敷地内を探索して「資源」探し。土地にあるモノ、環境、状況、すべてが見方によっては資源となりますが、それを見つけるのにはちょっとした訓練が必要です。いつもとは違う目、思考で景色を観察します。
そして、その「資源」を単体で使うのではなく、他と「関係性」を持たせ、多目的に活用することがポイント。もちろんこれらはパーマカルチャーの考え方に基づいています。
「う〜ん…」と頭をひねりながら、散策を続けます・・・。
屋内に入って、今度は見つけてきた資源を具体的な「システム」にまとめます。これは4〜5人のグループに分かれて行いました。この手のグループワークは初めてでしたが、短時間でなかなか密度の濃い話し合いが繰り広げられました。
「これはここと結びつけられそう…」「テーマをエネルギーにして…」「水の利用はこうしたら…」
話し合いの後は、もちろんそれを発表しあいます。
ハル農園に建設予定のエコビレッジの計画を山田さんから解説していただいたりもしました。
今回最後のメニューは、「ミニ講座」。参加者が講師となって自分の興味のあること、得意なことなどを発表し合う時間です。
1発目はYさん。
講座名は『伸び悩み初心者が語る、これで良いのか?ジャズの楽しみ』です。
「体験塾に関係ないテーマかも?」とおっしゃっていましたが、どうしてどうして、これが深いところで関連してきたりもします。要は、いかに上手くコミュニケーションを持つか、ということ。そのために必要なのは何か?ということ。ジャズのセッションも、エコビレッジライフも同じですね。
続いてTさんの講座、『手作り酵素と米ヌカ乳酸菌』。
Tさんが日常行なっている発酵生活をいろい紹介してくださいました。
僕もそうですが、農的暮らしには欠かせない発酵。いや、この世界になくてはならない微生物のはたらき。そんなものにも思いを馳せるひとときでした。
今回も大いに盛り上がった体験塾通年コース。早くも全10回の中盤となり、参加者のつながりも深まって面白くなってきました。
そして次回はいよいよ「小屋づくり」です。
みんなで体を動かして、形あるモノをつくりあげましょう!