2017年05月11日

<野>に近い場所で〜コンポストトイレ再始動。

久しぶりにコンポストトイレを始めて1か月半。ようやく、落ち着き場所が決まりました。
正確に言えば、置く場所は随分前に決めていたしコンポスト母材に用は足していた(普通に部屋で)のだけれど、トイレの箱と置くスペースの施工がだいたい終わったので、落ち着くべきところに落ち着いたのでした。

こんなふうに。
(まだ完成形ではありませんが)
P5100183.JPG
この家に越すことになって一番最初に造った<母屋接続型Coccoハウス&温室>に、さらに増設してトイレスペースを設けています。
良いところは、森の風と野鳥のさえずりとCoccoさんの気配を感じながら排泄できるところかな。
(雰囲気が野糞に近い?)
そして、キッチンからの生ごみを集めている堆肥場にもつながっている位置なので、トイレから取り出したものもすぐに堆肥として屋外スペースに積んでしまえるのです。


トイレ自体の仕組みはいたって単純。
固体と液体を分けるようになっていて、液体はそのまま薄めて液肥にします。
個体は木質母材の中で攪拌されて、分解されていきます。
P5100187.JPG
今入っている母材は、この攪拌できるタイプのコンポストにセットでついてきたモノですが、これでなければできないわけではありません。

大きい方を出した後は、後ろのハンドルを回して攪拌します。
この攪拌する仕組みがなかなか難しく、今回は既製品を使っています。
(もう少し機械に強くて鉄細工ができれば自分で造るのですけど…)
P5100188.JPG
<仕組み>自体は単純なのですが、コンポストはイキモノ相手のことなので、うまく分解してもらうためには母材の状態(微生物の生活環境)を調整してあげる必要があります。
固液分離していれば臭いはあまり気になりませんが、夏になると虫がわきやすくなったりもします。
それなりに<お世話>しながら、一緒に暮らすことになるわけです。

お尻のトモダチ、ラムズイヤー。
トイレを造っているとき、ご近所のお友達が苗をたくさんくれました。
うちにも生えていますが、嬉しいお届け物です。
P5110189.JPG
トイレの横にはもちろん、今たくさん生えている蕗の葉も採って置いてあります。


実は「分けた液体が上手くボトルに流れない」など構造上の改善点も若干あるので、使いながら直していこうと思います。
トイレ自体もシンプルすぎるのでもう少し飾りたいし、このトイレスペースにロケットストーブを入れて、調理の一部をここ(半屋内)で気軽にできるようにしよう、とも思っています。
なかなか面白いスペースになりそうです。



この家は、元の家主さんが住みやすく建てたもの(普通の近代的住宅)なので、僕らが住み始めた時にはすでに<完成形>でした。
現代的生活を送るのに苦労はないけれど、逆に、自分でインフラの整備や<僕等らしい暮らし>をつくっていこうと思うとき、なかなか融通が利かなくて不自由さや窮屈さを感じていたのも実際のところです(光熱費などのランニングコストも以前よりずっとかかりますし…)。

でも、まあ、置かれた環境で、楽しみながらやれることをやっていけばいいのでしょうね。
電気・ガス・水道が絶たれてもそこそこ暮らしていける程度の知と術はもうありますし。
トイレに関していえば、実は<野>で十分ですし。
大事なのは、小さな視点(自己の知的好奇心や満足)と俯瞰する目(社会的な意義や価値)の両方を持っていることかな。



以下はおまけです。

8年位前にコンポストトイレ実験していた時のこと。
段ボールコンポストタイプでやっていました。
『ウンコの問題、ウンコが問題』
(思考も試行も、今と大して変わりませんねー。まあ今はおおむね「試行」じゃなく「日常の一部」ですけど…)


以前使っていたGreenlyというコンポストトイレのこと。
『またウンコ出しました』


昨年の野糞にまつわる記述。
(刺激的な写真アリ(笑))
『美しき世界。』


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posted by 野良人イトウ at 08:53| Comment(0) | バイオトイレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月10日

またウンコ出しました。

まだ大丈夫だろう、と思っていたのですが、出しました、ウンコ
ちょっと重たくて、詰まってるなあ、と感じたもので…。



コンポストトイレの話、です。
昨年秋に一度内容物を取り出して入れ替え、その後冬場はほとんど(室温が低いと微生物が機能しないため)使用せずにいて、春に再開したばかりなので、まだ大丈夫じゃないかと思ったのですが。
ここ1週間ほど、ドラム(便槽)の内容物を撹拌するためのレバーの動きが良くなく、やたらと重かったり空回りするのでおかしいなーと思っていました。
壊れていたら厄介だなあ、と心配しつつ、とりあえず中を取り出してみよう、と今回実行に移したのです。

そうしたら…!!
DSCN4408.JPG
やっぱり、問題は装置ではなく、内容物にありました。
もう〜とにかく水分が多くてベッタベタの状態だったのです。

通常は、湿度60%くらいが適切かと思います。
そのくらいが、有機物を分解してくれる好気性の菌類が一番活躍しやすい湿度、と言われるのです。(生ごみ用ダンボールコンポストや自家製のボカシ肥を仕込むときも同じですね)
60%くらいだと、ベタベタはしません。湿ってはいるけど割とパサパサ、って感じです。
なので、今回のようなベッタベタ状態では分解がうまく進まないばかりではなく、重たすぎて装置が壊れちゃう…!というヤバい状態だったのでした。

あーウンコ、出してみて良かった
(まあ、ウンコというか、正確には半分は堆肥化してますけどね)

オモシロいなーと思ったのが、ニオイです。
いかにも「超ヤバい悪臭!」がしそうなビジュアル(なので節度ある大人の私は拡大写真は乗せませんでした…)だったにもかかわらず、そんなに悪臭はしなかったのです。
無臭、とまではいきませんが、ウンコのニオイでもぼっとんトイレのニオイでもありません。
「湿った土」「堆肥」のニオイに近いかな。

何故か
それをかんがえることは、今回こんなことになってしまった原因の究明でもあり、「使用する際のポイント」にもつながります。

アンモニア臭がしなかったということは、少なくてもドラムの中にオシッコは入っていなかったということ。(最初、間違ってオシッコ入れちゃう人がいて湿度が上がりすぎたと思ったのですが、そうではない!と確信したのです)
オシッコが混ざると、ホントにトイレは臭くなりますからね。
ウンコがゆっくり分解していく段階では、本当に「悪臭」というのはしないのです。
あらためて「個液分離」のスバラシサを感じましたね(これがデロデロのアンモニア臭するものだったとしたら・・・さすがの僕でも昨夜は涙で枕を濡らしたことでしょう)。

では、何故こんなに水分が入ってしまったかと考えると、オシッコをした後の水(で少し流すのです)が多すぎて、溢れてしまい、ドラムの中にこぼれたのだろう、と推測できます。
今度から「オシッコ流す水は、ゆっくり少量(100mlくらい)入れること!」と張り紙しておきましょう。
これで安心。解決です。



やや特定多数の方が使用される場所でコンポストトイレを導入するのは、実は厄介なことでもあったりします。
それでも、ウチに来る人はそれなりに「微生物による有機物の分解」という現象に理解のある方たちですが、そうでなければ滅茶苦茶な使い方、ルール外の使用法なんてことも起こって、せっかくの「ドラムの中の生態系」が壊されちゃったりもすると思います。

5月に、ウチのコンポストトイレGreenlyの生みの親である山本さんがいらっしゃった時に、「常識的と感じることも通じないユーザーさんが多くて大変…」というお話をされていました。
コンポストトイレを買うくらいだから、自分でモノをつくったり有機的な循環に理解ある実践的暮らしをしている方ばかりかと思ったら、そうでもないらしいのです。
僕の、今回の件程度のこと(「たとえばドラムの回りが悪い」とか、「どうも水が多すぎるけどどうしたらいいの」とか)でも細かく問い合わせてきて、しまいには「全部使用説明書に記載しろ」と要望してきたりする人もいるとか・・・。
そういうのに全部ご本人が回答されていたそうで、「メールと電話対応で1日が終わっちゃうの」と嘆いておられました。
製品として売る以上、そういう部分はコミで考えなくてはならないのでしょうけど、コンポストトイレであっても「消費者さまさま〜」なのかあ、それはムナシイなあ、と思わずにいられませんでした。
(ちなみに山本さんは、大変上品な雰囲気の女性でした。コンポストトイレに熱心な方のイメージが変わりますね。そういえば公開講座で行う糞土師伊澤さんの「ウンコ講座」に来る方も素敵な方が多いです)



さて、「中身」を取り出したトイレには、今回はオガクズを入れておきました。以前は自然林の根っこを粉砕したチップを入れたのですが(微生物豊富かと思って)、今回はなかったので「普通の建築材のオガクズ」です。
DSCN4410.JPG

それにトイレ付属品の「酵素液」を少々。
DSCN4412.JPG

以上で、作業は終了。取り出したものは、オガクズを多めに混ぜて、来春まで風当たりの良い場所で寝かすことにしましょう。



では、レバーの動き、ドラムの回りもすっかり良くなったトイレに、まずは「具」を足しておきましょうか。
DSCN4413.JPG

ちなみにこのトイレ、照明は50Wのパネルからの電気を12Vのまま使って照明しています。
DSCN4414.JPG


う〜ん、快適、快適。
安心、安心、です。

posted by 野良人イトウ at 05:53| Comment(0) | バイオトイレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月08日

糞を出す。

ウンコを出しました

いや、僕じゃないです。
いや、僕がやったんだけれど、僕が「ウンコした」って話ではないです。

コンポストトイレの「具」を取り出したのです。
DSCN1500.jpg

今年の春4月に昨年のを出してから、約半年。僕やここを訪れたたくさんの人たちのウンコが、「半分コンポスト」状態で出てきました(最近したウンコはやっぱりレアです…)。
こんな感じです。ポロポロのそぼろ状が大半で、3〜10cmくらいの塊もゴロゴロ。
ニオイは、ほとんどありません。
DSCN1502.jpg

春に母材を入れた時は、こんな状態でした。
RIMG0090.jpg

あっ、違った!
これは春に仕込んだ醤油麹の写真でした。
過去の写真探すと、結構似たようなもので、よく見ると麹だったり味噌だったりウンコだったりするんですよねー。
まあ、似て非なるものですけどねー。
とは言え、生態系的・エコロジーで考えれば大差ないですけどねー。
一応、間違えないようにしなくちゃ。

ほんとはこちらがもとの母材。
木質の破片にこの会社で育てた(ウンコ分解を得意とする)微生物群が入ってるみたいです。
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この後、春まで出来るだけ温かいところで寝かせて(つまり微生物に分解してもらって)、使えそうなら春の育苗に使います。
ちなみに4月に取り出したものもまだ使っていないので、来春の育苗用にします。
これをただの「汚物」としか見ないのか、それとも「生命の糧」「生命のつながり」「生命そのもの」ととらえるのかで、生き方・暮らし方が大きく変わってくるんじゃないかと僕は思っています。
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新しく入れた母材は、掘り起こした木の根を粉砕したもの(いただいたもの)に燻炭を混ぜました。おそらく、微生物豊富でウンコも分解してくれるんじゃないかと思っています。
2012-11-08 08.08.27.jpg

ただ、トイレの室温が10℃を上回ることは今期はもうないでしょうから、分解はあまり進まないはず。
温かくなるまでためておくだけの空間になります。
そして、氷点下になるとドラムごと凍ってしまうので、コンポストトイレは3月末までお蔵入りになります。

今期も大活躍してくれてありがとう、トイレくん
来年またよろしくお願いします。
(今後しばらくは野糞中心かなあ・・・)

最後に、トイレに置いてる僕のトイレ本。もう一つのトイレには絵本もあります。
どれもおススメ!
DSCN1503.jpg


posted by 野良人イトウ at 08:51| Comment(2) | バイオトイレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月28日

すごいんです!

うちに来た方にはたいてい自慢するし、このブログでも何度か報告していますが・・・
オシッコが、すごいんです!!

「すっごいたくさん出る!」
とか
「金色の光を放っていて・・・」
とかではありません。

エイヨウがあるのです。
なんとなく「排泄物」って、「不要」で「邪魔」で「キタナラシい」だけの「カス」と思われがちですけど、実に実にすごいものなんです。
なんか、もう、感動してしまうんです!

人間の尿は、約98%が水。約2%が尿素。その他、微量の塩素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン酸などのイオンを含んでいます。
この尿素は、肥料分で言えば窒素ですよね。

だから・・・ほら!!!
RIMG0164.JPG
おしっこを液肥として与えたのと水だけのを比べると、こんなに違うんです。
葉っぱの大きさ、色、これは完全に窒素分によるものです。
RIMG0167.JPG

自分のおしっこを薄めて肥料にするだけでこんだけ差が出るんだから、1億人のおしっこがあればどれだけ作物を育てられることか・・・
ああ、もったいない。

けど、逆に言えば、これだけの成分を<ゴミ>として<処分><浄化>するのに使うエネルギーは大変なものですよねえ。
一か所に集めたりなんかしたら、とんでもない窒素過多状態環境破壊も極まれり、です。

ゴミと宝物は表裏一体。
っていうか、人間が勝手に不要物扱いしてるだけのこと。
人間以外の生物が<己の排泄物や遺体>を当たり前に<他が生きる糧>にする中、人間だけが忌み嫌って見えないところへ隠してしまう・・・
そんなの嫌だなあ。

せめて自分の排泄物くらい、余所へやらずに自分の食糧生産に活かしたい!!
それが、イキモノとしてこの世界に生きるものの当たり前の行為では!?

・・・そんな思いで、日々おしっこを溜め、ウンコをコンポスト化するのでした。



ちなみに、昔のぼっとんトイレが超臭かったのは、ウンコもおしっこも一緒にしちゃうから。
臭いのは基本的におしっこなんですね。
もっと言えば、おしっこも本当は臭くはなくて、無菌のキレイな液体です。
おしっこの尿素が、そこらにいる菌によってアンモニアに分解されちゃうから臭くなるだけのこと。毎日薄めて使うなら、臭いだってありません。

だから、僕の排泄物利用は、実〜に快適で心地よいものなのです。
おしっこのすごさ、感じてほしいなあ!


posted by 野良人イトウ at 21:22| Comment(3) | バイオトイレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月25日

ウンコ摘出!?

冬を越したコンポストトイレの内容物を取り出しました。
トイレ側面に取り出し口があるのですが、ちょっとやりづらいので、直接手を突っ込んでカップで取り出しちゃいましょう。
大丈夫大丈夫、ウンコはトモダチ
っていうか、コンポスト化したものを取り出すのですから、すでにウンコではないのですね。
RIMG0089.jpg

ほお。
こんな感じになってました。
だいぶイイ感じです。
RIMG0093 (2).jpg

もともとはこんなでした。
RIMG0091.jpg

かなり分解されているとはいえ、まだ土に入れるには早い感じがします。
もう半年間寝かせてから、秋に畑に入れることにしましょう。
来年の育苗土にするって手もありますね。



そして・・・新しい具材を入れて、コンポストトイレ、再始動です。
今年もいっぱい出すぞ~。
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みなさんも、コモンハウスに来た際はお土産置いていってくださいね!
posted by 野良人イトウ at 22:18| Comment(0) | バイオトイレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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