2020年06月09日

種と苗。

5月の末から6月の頭にかけて、今年もタネを播きまくり、苗を植えまくりました。


大豆やインゲン系など10数種類の豆。
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ウリ科のもの(ズッキーニ、キュウリ、カボチャなど)。
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ナス科のもの(ナス、ピーマン、トウガラシなど)。
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トマトや千成ヒョウタンには支柱も立てました。
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大豆も順調に芽が出ているし(欠株への再播種もしました)・・・
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4月末に植え付けたジャガイモもいい育ちです(あと2ヵ月で収穫!)。
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この時期は、とにかく1日の労働密度が高いです(笑)。
自分の畑に向き合える日は週に1〜2日程度、あとはちょこちょこスキマ時間で行うので、その日や後の天候も考慮しつつ、播いたり植えたりし続けています。
(暑すぎる日は定植は夕方に、寒いなら朝、とか。近々雨が降る予報ならとにかくタネ播きを優先するとか)

「作付け図」を手に、大地に絵を描くように、様々なものを植え付けて・・・
時々、少し高いところから全体を見たりもして・・・
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この絵がこの後、日々変容していくのもイメージしながらの作業。
この絵を仕上げるのは、植物であり、時間であり、自然です。
「僕」だけでつくっているのではない、というのが面白いところです。
(もちろん味わわせてももらうのですけど!)



さて・・・
「種苗法改定」がちょこちょこSNSで話題になっています。
今国会では流れたようですが、そのうちまた浮上するでしょう。

僕のところに流れてくる記事の立場は、おおむね「種苗法改定はトンデモナイ!」というもの。
でも、僕はなかなか自分の考えがスッキリしないままいます。
少なくても、「#検察庁法改正案に抗議します」のように、「これはマズイだろ!」と反対の姿勢を持つことは出来ないのです。

何故なら、反対の論拠のほとんどが、「それって60年前の議論じゃないの?」と思うようなものだからです。

まず、「これが通ったら、農家さんは毎年タネを買わなきゃならなくなる」なんて、大マジメに訴えている人も多いけれど、「いや…もうとっくに自家採種してる農家さんなんていないでしょ…」と思います。

僕自身は、今年もほぼすべての作物(70種くらいかなあ)は自家採種したものを育てていますし、僕の周りではそこそこタネ採りしてる人はいます。
でも、それは家庭菜園レベルでも一般的ではありません。
農家さんで自家採種してる人はそれなりにいると思うけれど、「営農用の品種」を採っている人は数字的には「ほぼ0」に近いと思います。

そして、「自家採種したら処罰されるようになる!」という意見について。
今回の改定案で規制対象となるのは、育成者(育種した人や企業)が種苗を品種登録した「登録品種」に対してです。
それ以外の「一般品種」(「在来種」や「品種登録されたことがない品種」「品種登録期間が切れた品種」)に対しての縛りはありません。
僕らが相手にしているのは、もちろん「一般品種」です。

で、「登録品種」のほとんどはF1品種です。
つまりそもそもタネ採りしない前提でつくられている品種(僕はF1から固定種を育種したりもしますが、それは「遊び」です)。



遡って考えましょう。
1940〜60年代、「緑の革命」と呼ばれる世界的な農業の変化がありました。
名前はカッチョいいけれど、要するに「固定種、在来種をつかうのをやめてF1品種にしたら、食糧危機はなくなるよ!」という名目でアメリカの巨大種子(または農業用資材)企業が、世界中にF1品種を売り出したのです。
「食糧問題が解決する」というのは建前で、「タネと肥料と農薬と資材をセットで毎年買ってね!」という農業の在り方を押し付けたわけですね。
で・・・簡単に言っちゃえば、貧困は消えず、世界中で経済格差が広がりスラムが増大し、地域文化と一体となって育てられていた在来品種が失われていきました・・・・という話。

僕らのいる世界は、すでにそういうところです。

でも、必ずしもそれは悪いことばかりじゃなく、特に先進諸国?においては農業にかける多くの人員が不要になって、その分工業やサービス業、今ならIT産業へと「社会的分業」がすすみました。

たぶん、F1品種が生まれなかったら、僕らはこうして日々ネットやスマホを使ってはいないでしょう。
「F1品種やそれをつくった企業は金儲けばかり考える悪い奴らだ」と決めつけるのは、とても偏った思考、歪な物語に思えます。
自分自身がタネ採りをすればいいだけのことです。


だから、今更「種苗法が改定されたら農家さんが当たり前にしている自家採種が出来なくなる!」と論じている人には、あまりに前提となる歴史や現状を知らなさ過ぎて議論にならないのでは・・・?と感じてしまいます。


一方で、農水省が今回の改定の一番の理由としている「優良品種の海外流出防止」という部分についても、疑問が残ります。
国内法を変えたってあまり意味がない気がするし、現行法のまま、海外でもちゃんと特許を取る方が先では?という気がするからです。

また、少なくても野菜についてはほぼ市場を占めているF1は、すでに皆さん毎年タネは買っているのだし、それなりに育種者としてのメリットは得ているはずだからです。

それを無理やりに法案を通して変える・・・というのには、何かもっと奥の部分に「腹」があるのかなあ、と思わないでもありません。
「もう少し突っ込んだ議論」が必要とは思います。
なので、今回先送りになったのは良かったと思います。


ただ、やっぱり、どんな事案についても「簡単に白黒決めつけずに、歴史や現状を学び、多様な意見を聴いて考えよう!」とあらためて思った次第です。

世界はフクザツ。
簡単じゃない。
だから、考え続ける。

その姿勢で、僕は生きたいです。

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      *リピート参加の方は割引あります

『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
『ぐるりの豆部』は連続講座ですが、次回の「豆腐づくり」は若干名の単発参加枠がございます。
  〇日時 6月28日(日)13:30〜16:30  
  〇場所 エコビレッジライフ体験塾(石狩郡当別町金沢147‐1)
  〇参加費 2000円 /小学生以下(500円)
  〇定 員  1〜2名(要予約)

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〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所(石狩郡当別町金沢147-1)
〇参加費 1200円(前日までに予約) 1500円(当日)
      *1ドリンク付き *小学生以下半額
〇定員 各回10名


*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。










posted by 野良人イトウ at 06:13| 北海道 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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