2020年03月31日

科学する心。

半年くらい前に、池澤夏樹さんの『科学する心』を読みました。
なんで今更そのことを書くのかというと、今、まさに、とても重要なのがこの「科学する心」だと思うからです。
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内容は、昭和天皇裕仁くんが力を注いでいた「クラゲの研究」の話に始まり、「料理」や「映画」など身近な話題から「宇宙」「AI」「原子力問題」といった割と大きく複雑な話まで。
子どもの頃から科学が大好きで理系の大学にすすんだものの、挫折して文筆の道に進んだという池澤さんが、面白いと感じたことを幅広く綴っています。
(面白いのだけれど、内容が結構難しいしやや読みづらいので、おススメする相手は選ぶかな…)



半年前に読んだときに、箇条書きでメモしておいたことをいくつか記します。

・言ってみれば、道路沿いの施設しか記載されていない地図をもってハイキングに出るようなもので、行く手に何があるかわからない。事故が起こるというのは、いきなり深い森に追い込まれ、西も東もわからぬままさまようようなものだ。
(これはフクシマの原発事故に対しての記述。幸運が重なって?最悪の事態は逃れたけれど、「専門家」たちは起こり得る事象のほんの一部しか対応策を考えていなかったのです…)

・先が読めないまま、高速で走っている。カーブの先が見通せない。この車にはブレーキがない。
(これは農業に対しての記述。少し農の歴史を学べば感じることだけれど、やはり「タネを播く」というのは禁断の果実でした。加速していくしかないジェットコースターに乗っているようなものです。狩猟採種時代には、貧富の差もほぼなかったと言われます)

でも・・・
上記のことって、実は「文明社会」自体に当てはまる・・・な気がしますね。
「今」世界で起こっている惨事もまた、「カーブの先」に待っていた出来事なのだと思います。


夏樹さんは、こうも書いています。
・科学が日常から遠くなってしまった。
・科学の進歩の一方で、すべてがブラックボックスになった。
・科学は、知識ではない。
・五感をもって自然に向き合う姿勢なのだ。


深く共感します。
(残念なことに)社会は、個人が「科学的な思考」を持つことから遠ざけるように発展してしまいました。

何の知恵も技術も感性も持たずに、指先で居住空間の温度調整をし、エネルギー摂取を(とりあえずは)出来てしまいます。
自分でやっている気分になっているけれど、それは実は「依存し与えられているだけ」の状態です。
現代の暮らしは、生存に対する「安心」や「安全」を圧倒的に社会インフラに依存することで成立しています。

僕のブログでも10年以上前から繰り返し書いてますが、それは「自己家畜化」の道でした。
人間の文明は、ひたすらに「自己家畜化」の道を突き進んできたのではないでしょうか。

その対照的な在り方の一つが、レヴィ・ストロースが50年前に提唱した『野生の思考』なのだと思います。



閑話休題。

2月24日に、タネ交換会『ひとつぶのタネのチカラ』を行いました。
少し迷った末の開催でしたが、僕自身もまだ、今よりずっと緊張感は低い頃でした。

イベントの最初の挨拶で、僕は「ウイルス感染が広がっていますが、正しく恐れて対処したいものですね」とお話しました。
そして、その時も「科学的であることって大事ですよね」ということを言いました。
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よく考え、観察し、状況を踏まえ、随時更新していく。
それが、「科学的な心」です。


「この考えが100%正しい!」
なんていうのは、まったく非・科学的です。
そんな風に言う人は、どんなにエライ研究者さんでも「科学的な人」ではありません。

「今のところ、客観的情報(調査・統計)で、この線が濃厚」という判断が、現時点での科学的見解。
それは、「明日には、もっと確からしい情報によって変わり得る」可能性を常に持っています。



僕は、2月末頃から、「自分が感染者であること」「感染源になることを出来るだけ避ける」ことを考えるようになりました。
手洗いをいつもより多くし、アルコール殺菌もしばしばし、人前では出来るだけマスクをしています。

ヨーロッパの状況を見たり、日本政府がまったくマトモな対応をしていないこと(情報発信含め)がはっきりしてからは、特に気をつけるようにしています。
(こういう時に、信用性0の政権であることの妙を感じますね…)

以前よりずっと気をつけていますが・・・でも、あくまで「できるだけ」です。
基本的には、いたって普通に暮らし(講座もそれなりに開催し)、精神的にも大してストレスなく穏やかに暮らしています。
(いつだって数か月暮らせる程度の備蓄・自給があるからかな…)

家族は保育園や外勤で常に外部と濃厚接触しているので、100%感染を防ぐなんてそもそも無理ですし、それを求めることは他者にどんどん不寛容になるでしょう。
「出来るだけ気をつける」しかないと、今でも思います。
だって、今の状況、何か月も続きますよ、きっと。

そして、残酷なようだけれど、死ぬときは死にます。
(できることは、「確立を下げる」ことだけです)


それよりも大事なことがあります。

暮らしは、止められません。
ニュースやスマホにくぎ付けになってノイローゼになってる暇など、ないのです。



「家畜」は、与えられ、お世話し続けられなければ、病んで、死にます。
最初からそういうイキモノです。
それだけのことです。

「野のイキモノ」から何を学ぶか。
きっと僕らは、そういう岐路にいるのだと思います。
貴重な機会です。



もう1冊。
レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』。
ここからも少し引用します。
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・人間を超えた存在を意識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。
・わたしはその中に、永続的で意義深い何かがあると信じています地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。



科学的な思考は、本来、とても謙虚なもの。
「打ち勝つ!」とかではなくて、状況から謙虚に学んでいきたいものですね。

以前書いた『沈黙の春』についての記事が、今の状況でも同じ思考で対応できる気がするので、載せておきます。
【賑やかな春を求めて。】

Youtubeでも日々の様子をお伝えしています!
 今回のテーマは「育苗」
なるべく定期配信していますので(週イチくらいだろうけど)、チャンネル登録などして見ていただけると嬉しいです(知らない方にも目につきやすくなるようなので…)。


北海道で【ぐるりの暮らし】#12 「育苗」が始まりました〜ナス、ピーマン、トマト、キャベツ…。タネの特性を考えながら、播いています。

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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報

『農的養蜂のススメ〜農的暮らしとミツバチ』
実はとても身近で、なくてはならない存在なのに、意外と(具体的なことは)知らないミツバチのこと。
石狩で養蜂をされているJayanand Goyaさんに、ミツバチの視点、養蜂家から見た自然との共生、暮らし方等についてお話していただきます。

 〇日時 4月11日(土)14:00〜15:30
     *12:15よりミツバチを扱った映画の上映も行い、Goyaさんにちょっと解説もしていただく予定です。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所(当別町金沢147‐1)
 〇内容 ・ミツバチという生き物について
     ・養蜂の1年
     ・農的な暮らしとミツバチのかかわり etc...
 〇参加費 2000円(*1ドリンク付き)
 〇講師 Jayanand Goyaさん


映画『世界でいちばん美しい村』上映会
雄大なヒマラヤの大自然、その懐で慎ましく暮らす人々。こどもたちの輝く眼差しと明るい笑顔。
2015年、大地震直後のネパールを取材したことをきっかけに製作されたドキュメンタリー映画を上映します。

 〇日時 5月3日(日)@10:30〜 A14:00〜 B17:00〜 *3回上映
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
     (石狩郡当別町金沢147-1)
 〇参加費 1200円(前日までに予約) 1500円(当日)
     *1ドリンク付き *中学生以下半額
 〇定員 各回15名


『裏山トレース〜<春>春の野草を味わおう』
図鑑を片手に裏山を歩き、特徴をおさえて名前を確認したり、食べられるものを選んだりしながら、山頂近くにある大きな桜の木を目指します。下山後は、採取してきた食べられる野草を簡単な調理で味わいます。是非、身体で春を感じてください。
*ちなみに、この日は「札沼線」の最終運行日です…!

 〇日時 5月6日(水) 10:00〜14:00
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾/ぐるりの暮らし製作所
       (当別町金沢147−1)
 〇参加費 1800円
   *おむすび、食器等ご持参ください。
 〇定員 12名


『オサムさんの刃物教室』
米バークレーで20年以上「日本の刃物やさん」をしていたオサムさん(現・こぐま座料理人)に様々な刃物の違い等を教わり、「砥石のこと」や「研ぐコツ」「刃物の扱い方」を習いましょう。

 〇日時 5月16日(土)12:00〜15:00
 〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
 〇参加費 3500円*こぐま座ランチ付き
         *こぐま座内刃物関係特価販売アリ
〇講師 弘山監さん
〇定員 8名


『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
手前味噌の仕込み、今年は「大豆の栽培」から始めてみませんか?
自分でタネを播く。お世話をして、収穫する。そんな「手間」の中で、いろいろな気づきや学びが生まれます。
味噌だけでなく、毎回、様々な「大豆の加工品」づくりも行います。また、「栽培の基礎」や「農的な暮らし」になどについて、体験的に学んでいただく講座です。

 〇第1回の日時 5月24日(日)13:30〜16:30  
      *2回目以降の予定 A6月後半 「豆腐造り、大豆の観察・管理など」
               B8月半ば 「石臼きな粉づくり、大豆の観察、土壌の話」
               C10月半ば 「納豆づくり、大豆の収穫」
               D11月末 「味噌仕込み」
       *2回目以降の日程は、近日決定しますが、それも参加者さんのご都合も含め、調整しながら決めていきます。
 〇場所 エコビレッジライフ体験塾(石狩郡当別町金沢147‐1)
 〇参加費 10000円(全5回分)/小学生以下(2000円)
       *1回目の単発参加2000円
       *通しでの参加の方を優先させていただきます
〇定 員  12名(要予約)

*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。










posted by 野良人イトウ at 10:49| 北海道 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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