2019年09月13日

暮らし続ける技術。

今年の「プチサバイバルキャンプ」は9月7日(土)〜8日(日)に行いました。
折りしも昨年の台風&大地震・停電からちょうど1年。
「もしも」に備えて暮らすことの重要性を思い出すのにぴったりの時期でした。


前日から当日朝までは雨でした。
「サバイバル」と銘打っていても、そこまでキツイことをする気もないので、「実施は天候次第だなー」と思っていました(実際、昨年は8月末の予定が荒天で延期し、9月末に実施。その間にあの災害があったのです)。

9月7日昼。
地面は濡れ、湿度はかなり高い状態ですが、気温はまずまず。
外で遊んだり、キャンプするには悪くない日です。

今回のとりあえずのルールは、「ガス、電気、水道を使わない」こととしました。
本当は排泄も「野」か「コンポストトイレ」限定にしようか迷いましたが、水洗トイレはOK。
あくまでみんなが楽しめる程度の「プチサバイバル」です(本音では、こういう機会に「野での排泄」を経験しておいてほしいんですけどね…)。


最初に行ったのは、恒例となっている「ロープワーク」です。
ロープ名人のケージさんに先生になっていただき、巻き結びやもやい結び、本結び、トートラインヒッチなどを練習しました。
IMG_20190907_160114.jpg
今はテントなんかも改良されて、技術がまったくなくても張ることができるので、ロープワークができなくてもキャンプも楽しめますが、1本のロープを何かに結び付けてピンと張れるだけで、実はずいぶん便利なのです。


今回は、「箸づくり」もしてみました。
山に落ちている枝で・・と考えていたのですが、前日からの雨で使いづらかったので、小屋を建てた時の杉板を削ることにしました。
ナイフを使えることも、生き残る上では重要な技術です。
P9070774.JPG
10分ほどで、なかなか素敵な箸が出来ました。


そしていよいよメインワークの「火おこし」
きりもみ式やマイギリ式でいいところまでいきましたが、今回はあまり時間がなかったので、火種を生むことは出来ませんでした(例年、マイギリ式で着火させています)。
あと30分もあれば着いたと思うのですが、とても湿度が高かったこともあり、早めに諦めました。
何故なら、こういう時、火が点く前に暗くなることが何よりも怖いからです。
と、いうわけで、今回はあきらめてマッチ・・・ではなく「メタルマッチ」で着火。

あっという間に火がつきました(メタルマッチは、火花を飛ばして火口に火を点けるもの)。
P9070776.JPG
箸を削った削りカスもあったので、一気に炎が大きくなりました。



この後は、たくさんあった廃材などを燃やしながらの焚火です。
ご飯を炊いたり、肉や野菜を焼いたり・・・。

夏の終わり一夜、遅くまで飲み、食べ、語らいを楽しみました。
P9070780.JPG

スウェーデントーチやドラム缶風呂も・・・。
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寝るのは好みの場所で・・・
小屋で寝る方や野宿の方・・・

これは、朝。
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朝ごはんを食べるのにも、火おこしから始めます。
メタルマッチで点けて、少しずつ火を大きくして・・・
こんなふうに、時々思い切り焚火を楽しむのも、火とともに文化をつくってきた私たちに必要な時間なのでしょう。

棒パンや、残ったご飯での五平餅など。
じっくり2時間近くかけて朝ごはんを楽しみました。
P9080787.JPG


そんなこんなの「プチサバイバルキャンプ」。
今年もお陰様で楽しい2日間でした。

翌日はドラム缶風呂の後片付けです。
本当は、山から水を引いて、ここに五右衛門風呂をつくりたいのですけどね。
P9100800.JPG



「サバイバル」という視点を僕が意識したのは、2011年でした。
311を経て、社会インフラに依存しきった暮らしの脆さがあらわになったものの、実質あまり変わらないのだろうな・・・と感じる中で、せめて自分にできることを取り組もうと考え、翌2012年の体験塾・通年コースのプログラムに「プチサバイバルDAY」を組み込んだのです。

ただ、サバイバルの技術は、「非常時を生き延びる」こと以上の価値があるのだとも思っています。
そこには確実に「科学的な思考」を要するからです。

自然の仕組みを知り、太陽や熱の仕組みを知ることなしに、火を扱うことも非常時の正常な判断をすることもできません。
普段はどうしても社会インフラが不変で万全のもののような錯覚に陥ってしまいますが、決してそんなことはないと思います。

火を熾し、ご飯を炊く。
安全な水を確保する。
通信や明かりの為の最低限の電気を生む。
大地に抱かれて衛生的に排泄する。

・・・その程度のことは、当たり前にできる。
それが、自立した人間としての基盤のような気が、僕はします。

野山などの自然の中でサバイブするブッシュクラフトなどももちろん面白いですが、インフラが途切れた都市部で自立して暮らし続けるためのサバイバル技術を身につけておきたいものです。

もう少し工夫は必要ですが、年に1度くらいは「プチサバイバルキャンプ」、続けていこうと思います。

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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報

竹編みをはじめよう<初級・中級>
竹は、私たち日本人にとって大昔からとても身近な存在でした。暮らしの道具や工芸品、建材、そして食品など、生活になくてはならないものだったのです。
今回は、竹工芸技能師の山根広充さんを講師に招き、たっぷりと竹に触れていただきます。
 〇日 時 9月28日(土) @9:00~12:30 A13:30~17:00
 〇場 所 当別町金沢147-1
 〇参加費 @3200円 A3400円(各1ドリンク付き)
 〇定 員 @Aともに7名ずつ
 〇講 師 山根広充さん


『裏山トレース〜秋のイキモノ』
ネイチャーガイドの喜多としろうさんに案内していただく、恒例の「裏山探索会」。
季節を変え、同じコースでイキモノの様子、痕跡、変化を辿るので、今回から『裏山トレース』という講座名に変更しています。
今回は「秋編」。夏が終わり、これから冬に向けう準備をしている植物やキノコなどの様子を観察します。
標高120mほどの山を登りながら、秋の澄んだ空気を楽しんでいただけたらとも思います。
 〇日時 2019年10月6日(日)13:30〜16:30
 〇場所 当別町金沢147-1(エコビレッジライフ体験塾)
 〇参加費 1500円
 〇講師 喜多としろうさん


『明日のためのタネ採り講座』
「当たり前にあるけれど、タネっていったい何?」・・・というところからスタートし、タネをについて「生物的視点」や「社会的視点」など様々な角度から考えてみましょう。
タネに親しみ、「自家採種の意義」を考えながら、10数種類のタネ採り実習も行う講座です。
 〇日時 10月13日(日)9:30〜12:00
 〇場所 当別町金沢147‐1
 〇参加費 1500円
 〇定員 10名


『味わう!世界の発酵食〜臭いはホントに美味いのか』
小さなイキモノの力を借りて、食べ物をより美味しくするワザ「発酵」。
ただ、世界にはなかなか近づきがたい「奇妙な発酵食品」も数多く存在します。
「臭い!」・・・でも「美味い!?」・・・そんな不思議な発酵食品を嗅ぎ、味わってみることで、あなたの食べ物・食文化に対する視点や奥行きもきっと広がるはずです。
 〇日時 10月27日(日)12:00〜15:00
 〇場所 当別町金沢147‐1
 〇参加費 2500円

*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。
posted by 野良人イトウ at 17:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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