2019年05月23日

本能、行ったり来たり。

今年も、3月末に「恒例行事?」が行われました。
ママコッコさんの抱卵です。
P3242221.JPG

「なんだ、当たり前のコトでしょ?」と思う方も知るかもしれないけれど、今の一般的な鶏さんは、卵を抱きません。

そもそも流通しているほぼすべての卵は、小さなケージでひたすら「産卵マシーン」として、食べるか産むかしかできない鶏さんが産んだものですし、数少ない平飼いの鶏さんであっても、有精卵であっても、温めることはしません。

抱卵して温めれば、食用としては卵が変化しちゃうし、温めている間1か月以上も卵を産まないのですから、「生産的視点」で考えれば非常に不便なのです。
だから、品種改良され続けて出来た今の鶏さんが「卵産んでおきながら温めない鳥」という、イキモノとしてはちょっとおかしな性質なのは仕方のない話なのです(ニンゲン的には・・・)。



そういう現実に対して、僕はどうこういうつもりは全くなく(「トンデモナイことだ!」などと憤る正義の人?も時々いますが、仕方のないことだと思います)、だけれど、やっぱりママコッコさんのような姿を見ると、気持ちがほっこりしてしまいます。

僕のミニ養鶏歴は10年ほどですが、これまで本気で抱卵した子はママコッコで2羽目です。
彼女の存在は、とても貴重です。



今回の抱卵は、3月後半に始まりました。
正確な日はわかりませんが、3月22日に「おや?もしかして、また抱いてる??」と気づきました。
顔が完全に「私、やってます!」という母鳥モードになっています。

そうなると、他のCoccoさんが産む卵も次々と温めちゃうので、分けておかなくてはなりません。
「抱卵用」に日付をマーク。
大急ぎで「別室」を用意。
(一緒にしておくと、ヒナが生まれてもすぐに他の鶏に突かれて殺されてしまいます)



そして、約3週間
ママコッコは餌も水もそこそこに、ひたすら卵を温め続け・・・


4月10日。
「あ、いる!?」
P4100228.JPG
これまでのヒナは、生まれてすぐは白っぽくて、だんだん色が黄色から茶色に変わっていくのですが、この子は珍しく最初から濃い茶色です。
ウチで生まれてるヒナもこれで6代目ですから、いろいろな血統が混じっていて、こんなのも現れるのですね。


その後、数日のうちに3羽が続き、ヒナは計4羽となりました。
P4210300.JPG

P4240323.JPG

卵は12個温め(させ)ていましたから、「今年は結構ヒナ、生まれるんじゃないか?」と期待が膨らんだのですが・・・

そこまででした。

ママコッコさん、4羽生まれたところで、どうやら抱卵モードは「解除」してしまったようです。
寒さに弱い生まれてすぐのヒナはちゃんと温めてあげていますが、卵はもう放置。
生まれそうだった子もいたのですけど、もう知らぬ顔です。
P4220305.JPG

P4230315.JPG



「産んだ卵を温めて孵化させる」ことが、鳥というイキモノの本能であるなら、今の鶏は「本能を失くしたイキモノ」かもしれません。
まれに現れる、ママコッコさんのような鶏は、「本能を取り戻した鳥」ように見えます。
人によっては、その「母性」に感心し、「愛」などを感じるのかもしれません。

けれど、実は、話はそう単純ではないのでした。



結局ママコッコは、今年も途中で抱卵をやめました。
じゃあ、生まれた4羽を大切に育てるのかと言えば・・・ヒナのことなどお構いなしに床やエサを足でひっかきまわした挙句、殺してしまったりもします(今年も1羽のヒナが、蹴られて首を折って死にました)。
自分のことを優先したり、だけどもヒナを守ろうとしたり、一貫性がないようにも見えます。

きっと、ママコッコの本能は、本人もよくわからぬまま、マダラに発現しているのでしょう。
「本能」は、どんな(品種改良されたような)イキモノにも奥底にちゃんとあって、それは自然の中とは様相を変えて現れるのかもしれません。
例えばCocco同士の突きとか、ヒナ殺しだって、彼らなりの「本能」がそうさせているように見えるのです。

結局のところ、僕らがどんなに「自然に近い飼い方をしよう!」と取り組んだところで、やればやる程「どこまでいっても<人為的な行為>でしかない」ことを痛感させられるのです。
人間の考える「愛」だの「母性」だの「優しさ」だのとはまったく別世界に「本能」はあるのだ、と思い知らされます。

自然や、自然に近いところで生きるモノたちを見ていると、「生命が種を維持していく本能」は、人間のちっぽけなセンチメントを笑い飛ばすように、時に残酷に、時に大胆に、時に抜けめなく機能していることを感じさせられるのです。

「見事だなあ」と圧倒させられます。



そして・・・僕らは、「どんなに努力しても、結局は身勝手でちっぽけな人為でしかないのだ」とわかった上で、それでも少しでも納得できる「共生関係」を探りながら生きるのです。
センチメントを抱えて。
P5210521.JPG

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報

『ぐるりの豆部〜タネまきから始める味噌造り』
タイトル通り、タネまきから始め、育てた大豆を収穫して味噌造りまで行う講座です。毎回(全5回)、大豆の加工品づくりや栽培についてを学びます。また、通し参加を基本とし、田んぼの活動や様々な「農的暮らしのコミュニティ」を体験していただきます。
  〇日時 5月26日(日)13:30〜16:30
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇参加費 10000円/全5回(お子さまのご参加、初回の単発参加も可能です)

『ペレのふくができるまで〜まるごと羊毛講座』
朝一番に羊の毛刈りを行い、その毛を洗ってキレイに整えて、「ワタ」状態にします。その素材を使って、紡いだりフェルトの加工をしたり…「ちょっと羊飼いな1日」を体験していただきます。「モノの成り立ち」を感じていただきながら、制作も楽しんでいただく講座です。
  〇日時 6月16日(日)10:00〜16:00
  〇場所 ハイジ牧場(長沼町東9南2)
  〇参加費 3500円

『小さなマイハウスをつくろう〜小屋づくり基本講座』
年に1棟、参加者の皆さんと一緒に、ミニマムな暮らしをイメージしながら「住まえる小屋」を建てている「小屋づくり講座」。「日曜大工の技を身につけたい、上達したい」という方から「物置小屋くらいは自分で建てたい」「いつかはセルフビルドを…」という方まで、「つくる」ことの好きな方ならどなたでも歓迎いたします。
  〇日時 7月6日(土)、7日(日)、20日(土)、21日(日)
  〇場所 エコビレッジライフ体験塾(当別町金沢147−1)


*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。
posted by 野良人イトウ at 21:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

<a href=体験塾ロゴ.jpg" src="https://itogakiretatako.up.seesaa.net/image/E4BD93E9A893E5A1BEE383ADE382B4-thumbnail2.jpg" border="0">