毎月の購読は決して安いものではないけれど、何にも縛られずにこれだけの内容を伝えてくれる媒体は今や少ないし、大手のメディアも入らない地域の現状を報せてくれるフリーのジャーナリストを支えることにもつながると思っている。
(2011年の1月にも、原発が危険な現状を特集していて、その2か月後にフクシマの事故があった…)
だから、先月『DAYS〜』の<休刊>を知って、かなりがっかりした。
そしてその数日後・・・
広河隆一氏への「告発」を目にした。
それからずっとモヤモヤしている。
広河氏の暴力、ハラスメントは当然許されない。
『DAYS〜』でも、幾度となく女性への性的搾取や暴力を取り上げてきただけに、「なんだ、お前もやってんじゃん」という声が上がるのも仕方のないことだと思う。
本当に悔しい話だ。腹が立つ。
でも、何だか広河氏に対しての「がっかりした」「お前もかよ」という批判の声を見ながら、妙な違和感も感じていた。
いや、もちろん僕も同じ気持ちを持つのだけれど、一方で「あり得ない話じゃないよな」とも思った。
それは、「人間だから」という意味で。
(どうやら広河氏の女好きは業界では知られていたらしいけど、僕はそんなことは知らなかった)。
広河氏は反体制の代表格の一人だけれど、だからと言って当然完全な人間なわけではなく、歪みもあれば間違いも犯す存在だ。
今回のような間違いを犯すことだって、可能性は常にあったろうと思う。
でも、いくら編集長だからって、そんな暴力的なことが明るみに出ずに隠されるとしたら(しかも何件も)、それは「構造的な問題」じゃないか?
広河氏の性欲や親父的ハラスメント体質よりも、そっちの方がずっと闇の深い問題に思えた。
あんなに貴重な、存在価値のある雑誌なのに、『DAYS〜』はどうなるんだろうか。
広河氏は編集長を解任されたらしいけれど、編集部はどんな状況なんだろうか。
そう思っていたら、2月号が届いた。
「最終号となる3月号にて、この件を検証して報告する」とあった。
この雑誌の性格的に、ただの「スミマセンでした」では済まないだろうけれど、どうせ紙面を割くならば、広河氏を裁く視点じゃなく「こんなハラスメントや暴力行為が何年も明るみに出ずに継続された構造」をちゃんと伝えて欲しいと思う。
そして、僕にはおしどりマコさんの寄稿文以下の辺りが一番しっくりきた。
すごい人なんかこの世にはいなくて、ずるいところも性欲もある普通の人間しかこの世にはいなくて、
誰かをヒーローのように思うこと、神格化することは、ものすごく社会をダメにすることの一端だと思いました。
誰かまかせの社会にすることと同じだと。
すごい人なんかいなくて、普通の人がみんなそれぞれせっせと頑張ることでしか、社会はよりよくならないのだと。
人間は誰もが間違いを犯す可能性を持つ。
組織は必ず不健全な体質に変わっていく。
それを前提とし、自覚することで、はじめて正していく機会を持てるんじゃないだろうか。
僕が広河批判を見て感じた違和感は、それが「正しい側(と思いこんでいる側)」がら発せられているように感じたからだった。
僕らは正しくなんてないよね。
だから、互いに「行為」に対して改善を求めるくらいしかできない、と思う。
今よりも少しでもマシになっていくために。
真心ブラザーズの『拝啓、ジョンレノン』は、1996年に出た曲だ。
阪神大震災とオウムの地下鉄サリン事件があった、その翌年。
ジョンレノンを「現実見てないダサいおじさん」「バカな平和主義者」と歌うこの曲を聴いた時、僕は社会人になったばかりだった。
で、この曲にヤラレた感覚は、今でも僕の思考の基盤になっている。
誰かを特別視したり(良くも悪くもね)、崇めたりしない。
カリスマ的な人に対しては(どんなジャンルでも)疑ってかかる。その周辺の人々含め。
オウムの事件だって、狂った奴ら、悪い奴らが起こしたわけじゃない。
彼らは皆、普通の人。
普通の人が、時に人を殺し、時に人を救う。
それだけのこと、だと思う。
万能の、世界を救ってくれるヒーローだって、もちろんいない。
小さなことしか出来なくても、やるのは自分。
スゴイ誰か、じゃない。
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前回の除雪の話も面白いです。雪に対すると云うよりも生きて行く荷物の話。荷物と言ったら負荷のようですが荷物は負荷でも果報でもなく、生そのものなんでしょう。積もった雪は常に私に除雪という心理的圧迫を加えてきます。
だけどこの雪国が好きなんです(沖縄と比較してではなく、此処でしか生きたことがないのに)
でも、こうして見てくださる方がいるのは嬉しいです。ありがとうございます。