2019年01月11日

人と人が支え合うこと(追記)。

先日書いた、『なぜ人と人は支え合うのか』という本を読んで考えたことの記事で、1つ大事なことを忘れていたので追記します。
それは、「自立」のことです。

「支え合う」ことと「自立」。
やはりその両方が重要です。

一見相反するかのように思われる2つの理念の共存を、僕がスッと納得できたのも、障害児教育の実践の中でした。

20代の初めまで、「自分は自分」という「我」に固執していた僕は、障害児教育の現場で子どもたちとかかわった時に頭をガツンとやられたのです。
肢体や知的な面での支援を受け続ける彼らにとって「自立とは何か?」。
それが、「(訓練によって)自分で何でもできるようになること」だとしたら、彼らは生涯自立など叶わなくなります。
自立とはそんな限定的なものではなく、その第一歩は、「自分はこうしたい、という意思を持つこと」。そして、「出来る限りそれを伝えられること」なのです。
そしてその後は、思いを叶えるために、「見えづらい遠くを見たい時にメガネや望遠鏡を使う」ように、「高いところの物を取りたい時に台やはしごを使う」ように、社会的な支援や他者の助けを受けるだけのことなのです。


この考え方は、おそらく今の特別支援教育では当たり前になっていますが、僕が現場にいた時はまだ過渡期にあったと思います。
自分でできることを増やす「訓練」が、障害児教育の大きな要素でした。
(ただ、実は「訓練」も最近僕は少し見直しつつあります。頼まずに自分でできることの喜びも、当然大きいからです。要は、限られた時間の中で何を優先していくか、ということ。ケースバイケースでしょう)

とにかく、重要なのは、「私が私として、何を求め、何を願い、何をしたいか」を誰もが表現できること。
それを決定し、色々な手段で叶えようとする精神が、「自立」なのだと僕は思います。



面白いのは、重度障害者の方が実家や施設を飛び出して一般社会で「自立生活」を送ろうとし始めると、それまでよりずっとたくさんの「支え合い」が必要になる点です。
また、『こんな夜更けに〜』の主人公である鹿野さんが、社会保障制度が整わない中でボランティアを自ら募って「自立生活」をしていた時代に比べ、現在はかなり手厚く(例えば24時間有償の介助を使えるとか)なったものの、一方で以前は避けられなかった「介助者と被介助者が対等であることとは?」というぶつかり合いがなくなり(雇用関係になるため)、結果、人間としてのつながりも薄れがちになったのでは、というあたり。

「遠くを見る時に眼鏡を使うように障害者も支援を受けて自立する」と先述しましたが、人に何か手伝ってもらう時は眼鏡をかけるように簡単にはいきません。
お互いに心があるのですから、当然眼鏡をかけるのとは違う難しさが生じます。
そこと向き合っていくことも、「自立」の1つかのかもしれません。

きっと、ストレスなく暮らすことだけが良いのではないと思います。
明確な答えなどない中で、自己主張し合い、手探りしながら、互いに悩みながら「落としどころを見つけていく」ことが人を成長させるような気がします。


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すべての人が、誰かの助けを借り、支えられながら生きています。
一方で、誰かのある部分を助け、支えながら暮らしています。
「こう生きたい」
「こう生きよう」
という意思を持ちながら、けれども支え合っていることを自覚していたいとあらためて思いました。



「まとめ」というわけでもないのですが・・・
自然に近いところで自給的に暮らす日々では、まさに無数のイキモノとの「支え合い」を実感します。
「自分は一人で生きている」なんて、天に唾を吐くようなものだとわかります。

同時に、常に自己決定が必要です。
自分で学び、考え、自分で決めて実践する、その繰り返し。
けれど、その「決定」のための要因がほとんど、自分以外の要素(「他のイキモノの様子」や「天候」など)だったりするのも、なかなかフクザツで面白いところです。

「自立」と「支え合い」。
それらはきっと、混じり合って存在する僕らの暮らしの軸なのです。

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  〇場所 エコビレッジライフ体験塾(当別町金沢147-1)
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 〇日時 2月2日(土)10:00〜16:00
 〇場所 ハイジ牧場(長沼町長沼町東9線南2)
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posted by イトウ at 10:52| Comment(0) | 思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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