2018年11月18日

Coccoさんとの暮らし。

この子たちがウチに来たのは、一昨年(2016年)の3月。
とても健康的なピヨたちで、1羽も欠けることなく15羽全部元気に育ってくれました。
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産卵も早すぎる程で、満4ヵ月でぽろぽろと産んでくれるようになりました。
今まで飼ってきたCoccoさんの中でも、ほんと、優秀な子たちでした。
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その後もこのCoccoさんは、毎日10数個の卵をせっせと産んでくれました。
僕はそれをお友達に買ってもらったりして、彼女たちの餌代とお世話代に充てました。
(Coccoさんからお給料をいただいてる気分です)

最初の冬は8割くらいのペースで産卵が続きました。
2年目の冬はさすがに4〜5割程度に落ちましたが、それでも春にはまた、7割くらいの産卵率になりました。
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とにかく、元気によく卵を産んでくれる「優秀な鶏さんたち」だったのです。

が、実は気になることもありました。
満1歳になる前から、羽の突き合い(むしってしまう)が見られたのです。
ストレスがあったのでしょうか。
僕の経験では、1歳半くらいまでは皆キレイな毛並みのことが多いのですが…。



そして、今年の夏ころから、彼女たちの産卵率は急激に下がりました。
春には1日に10個ほどあった卵が、7〜8個になり、5〜6個になり・・・。
そして10月末には、日にせいぜい2つほどとなりました。
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おそらく、この冬にはほぼ産まないでしょう。



僕にとってCoccoさんは「家族」です。
毎日、どんなことがあっても餌と水をあげに行き、しばらく様子をみます。
そういえば、昨年の冬には彼女たちを守るためにイタチと格闘もしました。
可愛いし、大切な存在です。

でも、同時に、Coccoさんは「家畜」です。
飼っている理由は明確に、卵を得る為、です。
ウチにはニャンコもいますが、その2つのイキモノの間には大きな差があるのです。
ニャンコが怪我や病気をすれば、僕は病院に連れていきますが、Coccoさんにはそれはしません。
せいぜい弱った子を隔離するくらいです。
すごく身勝手な感じに聞こえるかもしれませんが・・・それが現実です。

Coccoさんは「生産動物」。
それが、僕にとっての線引きです。
(もっとも、その線引きは強靭なものじゃなく、いつも揺らぎはあります。病弱でたくさんケアをしたCoccoさんは情が移って別格になったりもします…)

この子たちは生産動物としてとても優秀で、早くから卵を産み、健康的にたくさん「生産」してくれました。
でも、その分ストレスもあったのか、「突き」も早くから始まり、群れとしての産卵率の低下も一気にやってきました。
まるで「更新期ですよ」と言うかのように…。
(つまり群れごと更新するタイミングであることが明確だったのです)

Coccoさんは家畜。

だから・・・
もう「生産性が低い」と判断したCoccoさんを僕は、〆ることにしました。

人間は、生きるために、そうやって1万年の家畜(そして栽培植物)とのつながりを続けてきたのだと思います。
それは、単純に善悪では分けられない、「人類史の現実」です。



とは言え、屠畜は何度もやっているけれど、気が重い行為です。
一人でやる気分になれずに、友人に声をかけ一緒に行いました。
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首をはね、羽を毟り、内臓を抜いて、肉を切り分けました。
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ガラはスープに。
翌日はチキンカレーをいただきました。



「<いただきます>は命をいただきます、なのだ」
・・・などと言っても、正直、実感は得られにくいと僕は思います。
言葉と知識だけが上滑りし、「わかった気分」に浸りがちな気がします。

だから僕は、時々屠畜をします。
僕にとって屠畜は、「人間の本来の立ち位置」を確認する大切な行為です。
ヒナの時から可愛がって育てた彼女たちを人間側の一方的な都合で殺すことは、とても気の重たいことだし悲しいけれど、「僕が日々食べている植物も動物も結局はすべて同じように人間が喰う為に殺している」のだという<隠された現実>に向き合い自覚するための、貴重な追体験です。

自分の「生」は、常に他のイキモノの「死」の上にあるのだという、この世界の理。
それを見失わずにいたい、と僕は思っています。
(キレイゴトはキライなのです)



Coccoさんは、いつもいつも、僕に大きな教えを説いてくれているようです。




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★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。

★イベント情報
 
今年の冬は、精力的に「ひょうたんランプづくり」したいと思っています。
現在いくつかの場所で開催予定です。
既に定員いっぱいのところもありますので、ご予約はお早めに。

『こぐま座でひょうたんランプをつくろう』⇦募集終了
  〇日時 11月27日(火)12:00〜17:00
  〇場所 こぐま座(長沼町東2線北9)
  〇参加費 5000円〜(こぐま座ランチ付き)

『ひょうたんランプをつくろう』
⇦募集終了
  〇日時 12月9日(日)13:00〜17:00
  〇場所 石狩郡当別町金沢147-1
  〇参加費 4000円〜

『あまほろでひょうたんランプをつくろう』

  〇日時 12月22日(土)12:00〜17:00
  〇場所 AMAHORO(旭川市東旭川町瑞穂177)
  〇参加費 5000円〜(あまほろランチ付き)

*他、詳細は未定ですが、1月19日(土)に小樽でも開催いたします。
*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。
posted by 野良人イトウ at 14:12| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは、拓殖短大卒の花好きのS本です。
数年ぶりにコメントになりますね…
 今でも偶にブログを見させてもらってますが元気にされてるようで安心してます。こちらも地元の造園会社に入って約8年半で…元気にしてますよ‼
 短大卒業からもそろそろ10年とあっという間でしたが今でもほぼ毎年沼田の若〇さんの所や2・3年毎に深川の梅〇さんや曽〇部さんに比布のK君の所へ遊びに行ってます…最近も6月の学校祭で6・7年ぶりに〇道先生とも会ってきました。皆さんも元気にしてますよ
 イトウさんの所へもブログを見る度にちょっと顔を出してみたいなとだいぶ思っていたのですが特にいつ頃が良いでしょうか…
Posted by 花好きのS本(久しぶりになります) at 2018年11月21日 23:31
こんにちはS君。ご無沙汰しています。
僕は深川近辺を通ることはあってもなかなか学校も寄れず、同期の人とも会う機会がありません。
皆さんお元気なのですね。
結構不規則に在宅しているので、「いつ」とはっきり言えませんが、事前にご連絡いただけたら調整は出来ますので。
Posted by イトウシンジ at 2019年01月25日 14:56
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