僕は、卵を産んでもらうためにCoccoさんを飼っています。
飼い始めたのは、8年前くらい。
その前の年から、東川のファームレラさんにお邪魔させてもらいながら鶏さんについて勉強して、春にヒナを買いました。
Coccoさんはその後、入れ替わりながら、だいたい常に15〜20羽くらいいます。
良く産む子も全然産まない子もいるけれど、それなりの数の卵が得られるので、お友達に買ってもらってますが、基本は自給用。
だから、卵の生産率は「それなり」でいいかな、と思っています。
(買って下さる友人へも、こちら(Coccoさんと僕)の都合の良いときに不規則にお届けさせてもらっています。)
「それなり」でいいかな、と思うのですが、Coccoさんは頑張り屋さんで(というか、「頑張る」ように育種されているので)、せっせと卵を産んでくれます。
日照量が足りなくなって気温も下がる11月〜2月はどうしても少なくなりますが、それでも厳しい寒さの中、身を削って産んでくれますし、春が近づくにつれ、さらに産卵率は上がります。
嬉しい反面・・・僕は、「そんなに頑張らなくていいよ」と思ってしまうのでした。
だって、たくさん産む元気なCoccoさんは、実は早くに体が衰えて死んでしまうから…。
卵は本来、繁殖のためのもの。イキモノ的には、年がら年中毎日産む必要などありません。
そしてある個体(♀)が一生のうちに産める卵の数だって決まっているはずです。
それをできるだけ短期間で「効率よくたくさん産ませる」わけですから、産めば生むほど早く老化が進んで、早く死んでしまうのも当然なのだと思います。
だから、せめて心地よく飼ってあげたいし、楽しい思いをさせたいなあ、と思って、畑を散歩させてやったりもします。
畑を自由に駆け回り、土や草や虫をつつくCoccoさんを見ていると、こちらも嬉しくなってしまいます。
でも・・・僕が彼らを「自分の都合で飼い殺しにしている」という事実が変わるわけではありません。
どんなに頑張っても、僕ら人間は「家畜」と呼ばれるイキモノを蹂躙している…それが「農」や「飼育」の本質であり、そこから目を背けるべきではないと僕は思っています。
さてさて、3月の末になって、チャボたちも産卵を再開してくれました。
夏の終わりから半年間産まなかったので、「もう産まないかなあ」「ペットとして飼うしかないか…」と思っていたのですが、彼らにとっては産卵の季節になった、ってことなのでしょう(と言っても、温めもしませんけど)。
チャボも小さな卵も可愛くて素敵です。
・・・春は産卵の季節。
そして、毎年春になると、あるスイッチが入ってしまう子がいます。
この春、僕が気付いたのは3月29日でした。
「ん・・・?」
左端の産卵箱にいるCoccoさん。
彼女は毎年このくらいの時期になると「母」スイッチが入ってしまうのです。
僕は彼女をママコッコさんと呼んでいます。
あまり知られていないことですが、今の鶏さんは卵を温めません。
温めれば次の卵を産まなくなるし、卵という生産物(商品)が困ったことになってしまいます。
品種改良(←もちろん人間にとって)を繰り返した結果、今の鶏さんは基本的には産みっぱなしなのです。
身動きできない小さなケージでひたすら産ませる近代的養鶏場だけでなく、平飼いと呼ばれる飼育でも同じこと。
それは、生産動物である今の鶏さんの悲しいサガなのです。
が、そんな中でも、時々「本能」のスイッチが入ってしまうことがあります。
うちのCoccoさんでもたまーにそういう子が現れます。
このママコッコさんは、年に数回、本能に目覚めて「抱卵」を始めてしまうのでした。
エサを食べにちょっとだけ離れたところを確認したら・・・やっぱり10個ほどの卵を抱いていました。
すぐに戻って、また抱き始めます。
愛おしそうにくちばしで反転させたり、羽で抱き寄せたりしています。
表情も変わってきます。
彼女を見ていると、僕はなんだか神々しさすら覚えるのでした。
エサも水もロクに摂取しないので、トサカが白くなっています。
抱き始めてからすでに2週間を過ぎました。
鶏の抱卵期間は約3週間。
上手くいけば、来週の後半にはピヨコが孵化します。
どうなることやら。
楽しみなような、不安なような。
(でも、孵化してもその後がいろいろ大変なのです…)
*Coccoさんには常にいろんな学びや気づきをいただいて、それをここで記したりもしています。
ちらっと去年のことを見直してたらこんな記事も書いていたので、リンクします。
「近づいたり、離れたり」
ここで書いたポッポコさんは、昨年春の終わり、静かに息を引き取りました。
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