2016年06月21日

ペレのふくができるまで。

先週土曜日は、『ペレのふくができるまで』という講座を行いました。ハイジ牧場さんとの合同企画です。
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自分の飼っている子羊の毛を刈って服を作ろうと奮闘するペレ少年のお話になぞらえてつけたこの講座は、お話のまんま、羊さんの毛刈りから始めて一つ作品まで作ってしまう「とことん羊毛」を味わうもでした(さすがに服はできませんけど…)。


朝9時から集まっていただき、さっそく毛刈りを行います。
「べえええ、べえええ!」と鳴く羊さん。ハイジ牧場の他の羊さんはすでに刈られてスッキリしている中、この講座まで暑いのをガマンしてくれてた2頭です。
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まずは講師である金澤さん(ハイジ牧場場長)が巧みな技である程度刈り上げて・・・
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(まるで服を脱いでいくみたいですねー)

参加者の方々も、恐る恐るバリカンで「ヴィィィィィーーーーーーーン!」
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Bifore&After・・・(ねえ、君どうしたの???)。
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2頭目はハサミでの毛刈りも体験。
刈りながら、羊という動物についてのお話をいろいろ聞かせていただきました。
今回はあえて「座学」を省き、体を動かしながらの学びを大事にしました。

これがフリース。
部位によって毛の状態も違うのがよくわかります。
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何故この時期に毛を刈るのか?
刈られた羊のこの後は・・・?
こうして、綺麗に製品化された羊毛から遡ってみることで、「生き物と共にある人間の暮らし」を追体験することができます。
金澤さんの話を聞きながら、あらためて「この時期しかできない体験だなあ」と貴重さを感じました。


刈った毛は、すぐに洗います。
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ただ、「洗う」という行為ひとつとってもいろいろなやり方があります。
汚れと油を「どうやって」「どの程度」落とすのか、人によって、また目的によって変わるのです。
マニュアルではなく、実際に体験しながら「原理」や「理由」を学ぶことを大事にしたいとあらためて思いました。

脱水中・・・。
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(あえて洗濯機を使わずに人力で)



午後から使うくらいの量の毛を洗ったところで、ちょうど昼食。
ハイジ牧場で育った美味しい羊肉をいただきました。
アイリッシュシチューと塩コショウのみで焼いたソテーです(伊藤作)。
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午後は、ナガヌマKingyoの池田博子さんの作品紹介からスタート。
池田さんは自分で飼っている羊の毛や栽培した和綿を紡いで作品をつくっている素敵な農家さんです。
http://ameblo.jp/naganuma-kingyo/
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池田さんから、洗った羊毛をほぐす「カーディング」という作業を教えていただきます。
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カーディングすると、羊毛、こんなに美しい状態になりました。
この状態までくれば、紡いだりフェルトにするのもやりやすくなるのですね。
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スピンドルを試したり・・・・
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糸車を廻して紡いだり。
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さっきまでひ羊さんの体を包んでいた毛が、「人の創り出すもの」に変わっていきます。
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最後の実習はフェルト加工。
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今回はコースターをつくってみました。
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できた作品の数々。どれも素敵です。
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100円ショップで毛糸もフェルトも買える時代。
洋服だって、数千円でそれなりのものが買えてしまいます。
ペレのように、「服がきつくなったから羊の毛を刈ろう」なんて考える人は、(少なくても今の日本には)いないでしょう。

でも、しばしば僕は、ある漫画の中でおばあさんが語る一つの言葉を思い出してしまいます。
「自分の楽”は必ず誰かが肩代わりしているの」

世界規模の生産・流通システムのことは想像するのも難しいし、どうしていいかもわからないけれど、数千円で買える服や100円ショップの毛糸の影に「自分の苦労の肩代わりをさせてしまっている誰か(もしくは何か)」があるかもしれないことをわすれてはいけないのだろうな、と思います。

そして、ガンジーさんが訴え続けた「チャルカ(糸車)の思想」のことも。
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これからも「自立」を目指す「暮らし方の知恵と技」を積み上げていきたいものです。


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★お問い合わせ・お申し込み
       エコビレッジライフ体験塾 伊藤伸二まで
       itogakiretatakoAyahoo.co.jp
          (*Aを@に変えてください)


posted by 野良人イトウ at 22:39| Comment(0) | 体験塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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