「自家採種したタネを交換しあえる場をつくりたい。地道にタネ採りしてる人たちに会って交流したい。多くの人と自家採種の意義を共有したい。」という思いで始めた「タネ交換」も今年で5年目。リピーターさんやはじめての方、毎年少しずつ輪が広がって、これまでで一番多くの方に参加していただきました(内輪の話ですが、12月に会場を予約したとき、ギリギリで2部屋分確保できたのでした。良かった…)。
僕が交換用に準備したのは、コリアンダーやコマツナ、ニンジン等7種ほど。
今回はこんな感じのラベルとパッケージにしました。
自分の連絡先と採種年月、採種回数を記載しているのがポイントです。
いよいよ当日です。
元塾生さんたちの「ゆるビレ」メンバーが早く会場入りして準備を手伝ってくださったおかげで、余裕を持って受付開始を迎えることができました(いつも本当にありがとう!)。
昨年まで「交換会」前に講演をしていただいていた坂本一雄さんが体調不良で療養中のため、今回は前半、映画の上映を行いました。
環境活動家のヴァンダナ・シヴァさんが様々な観点から自家採種の意味をお話している『いのちの種を抱きしめて』。坂本さんの不在は残念でしたが、この映画もこの会に相応しいものであったと思います。
(会場的にはもう少し大きな画面が欲しかったけれど…)
映画の後は会場を少し配置替えして、「交換会」を行います。
タネをお持ちになった方が40名近くいたため、どうしようか迷ったのですが、いつも通り交換前に一言ずつの自己紹介をしていただきました(一人30秒でも20分…!)。
限られた時間内で密度の濃い内容を求めて進行しなければならないイベントの場合、時間配分はとても重要です。
2時間半の枠で20分もの自己紹介時間を設けるのは実は勇気(笑)がいるのですが、この会には必要な時間だと僕は判断しました。
何故なら、「タネの交換」はただの「物質のやりとり」ではなく、「物語の邂逅」だからです。
その人がどんな思いで土に向かい、播いているのか。
採種されたタネが、どんな背景を持っているのか。
来られた方の肉声をみんなで共有した上で、交流の時間を始めたいと僕は思ったのでした。
「種が欲しい」だけならば、種屋さんでお金を出して買えばいいのです。
この場は、タネを介した「人のかかわりの場」なんだ、と僕自身があらためて確認させてもらいました。
さあ、交換タイムです。
はじめは恐る恐る声をかけあう人たち・・・。それが次第に生き生きと、タネを交換し栽培やタネ採りへの思いや情報を交わすように「場が温まっていく」感じが僕は好きです。
多くの方が、とても見事にデザインしてお持ちくださりました。
「タネが大事にされている」ことが伝わってきますね。
最初はタネを持ってきた方の時間。途中からは、これから始めたい方も含めた交換の時間となります。
タネがない方には「何でもいいから手作りのもの」をお持ちいただいています。あくまでも「交換」の場なのです。
参加者の皆さんの熱気で包まれた、あっという間の40分。
「まだまだ話し足りない。交換も続けたい」という雰囲気の中、終了時間となりました。
ご参加くださった皆さん。本当にありがとうございました。
いつも以上に充実した時間になったのは、その場を盛り上げてくださった皆さんのおかげです。
また来春、丁寧に育てた証のタネを持って、この場に来てくださいね。
(まあ、その前にいろいろお会いできたら嬉しいですけどね)
僕が今回受け取ったタネ(以外もあり)の数々。
たくさんの人の思いが溢れています。
責任重大。大事に育てなくちゃ。
このレポートの最後に記して起きたいことがあります。
それは、福岡正信自然農法コミュニティの矢島さんのご好意。
以前、僕がこの催しを行っているのを偶然知ってくださった矢島さんが僕にハッピーヒルという稲のタネ(籾)を送ってくださいました。そして今回、わざわざ参加者の人数分パッケージしてハッピーヒルを再度送ってくださったのです。
「わら一本から世界を良くしていこう」と唱えた福岡さんが育種したハッピーヒル。
バケツ田んぼでも陸稲でも良いですから、是非播いて、このタネと共に福岡さんのご意志を広げて欲しいとのことでした。
矢島さんの思いも、参加された皆さんに伝わったことと思います。
ありがとうございました。
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