牛さんの観察や酪農の概要から始まり、20ℓほどの生乳を様々な乳製品に加工していく贅沢な講座です。
まずは、生乳の成分を確認。
エサによる違い、産地(つまり環境)による違い。それによって乳製品にも向き不向きが生まれてくるなんてことも、当たり前なのですがなかなか私たち一般消費者には考えが及ばないところです。
それぞれの地域ならではのチーズ、乳加工食品が生まれてきたのがよくわかります。
それでは、上部の脂肪分はバターに、脂肪の少ないところを、ヨーグルトやチーズに加工していきましょう。
残った部分は殺菌します。
必ずしも「殺菌」する必要はないのですが(実は前回は無殺菌でやりました)、諸々の理由で今回は30分ほどかけて低温殺菌しました。
加熱しながらの「裏話」。このあたりも、実はなかなか興味深いお話なのでした。
乳酸菌を加えて発酵させます。
そして、もちろん随時味見です。
参加者の皆さんには、「これでもか!」というくらい、変化していく過程のもの(でもそれはそれでちゃんと名のある乳加工食品)を味わっていただきました。
レンネットを加えると、変化は急激にすすんでいきます。
(お昼を食べるタイミングも、「お乳」次第なのです…)
カードをケースに入れて脱水。これはカマンベール用です。
こちらはモッツァレラ用。
牛乳がこんな形状になるのですから、不思議ですね。
この技術を経験によって見つけ出した先人の知恵に、あらためて頭が下がります。
(無数の失敗と偶然も積み重ねたのでしょうね)
ある程度水分の抜けたものに「カビのもと」を吹きかけて、お持ち帰りいただきました。
これは各々数週間お世話し、ご自分のカマンを味わっていただくのです。
今回も、搾りたての生乳から変化していく様子を、目と舌でたっぷり味わっていただけたのではないかと思います。
次回、同じ講座を3月半ばに行う予定です。ご興味のある方、是非いらしてくださいね。
さて・・・
うちに来たカマンちゃん。
前回(11月末)カビが生えはじめるのに2週間かかったのに対し、今回は4日目くらいからグングン育っていきました。
「おお!これは順調!」
と思ったのも束の間、その後は黄色く変色する部分が多く出て、ニオイも悪化…。
と言ってもこれは腐敗しているのではなく、バチルス系の菌が旺盛になっているとのこと。
こういうチーズもあるそうです(いや、でもニオイは…う〜ん…)。
まだ2週間ですが、食べてみることにしました。
内部はしっかりカマンちゃんです。
味も上々。黄色く膿んだよう(!)になっている部分も、削らずに恐る恐る食べてみました。
・・・はい。
大丈夫です。
「その部分」も不味くはありません。
「前回」と「今回」の違い、分析すると面白そうです。
まさに実学、こういう学びが一番楽しいですね。