2019年02月23日

タネ友集う、2019春。

2月も半ばとなり、今年も「タネ友の季節」がやってきました。
そう。
恒例の、タネ交換会『ひとつぶのタネのチカラ』を2月16日に行ったのです。


前日、配布プリントや会場の展示物など、主催者としての準備を一通り確認し終えました。
「さあ、寝ようか…」となる直前に気づくいつものパターン。
・・・自分の(交換用の)タネの準備を忘れていました。
これがなくてはタネ友の輪に入ることが出来ません。
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当日朝。
おつき合いの深い友人たちに、会場設営など手伝っていただき・・・
(この、お手伝いがなければできないのです。いつもありがとう)
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参加者の皆さんを迎えます。
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こうして・・・
今年も定員の30名を超える方々がお集まり下さり、『ひとつぶのタネのチカラ』が始まりました。
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初めは映画の上映です。
今年は、多国籍企業の種子支配の現状から自家採種の大切さを訴える『種子(たね)〜みんなのもの?それとも企業の所有物?』を観ていただきました。
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本来はゆっくり映画の感想シェアや質疑の時間を取れれば良いのですが、限られた時間で行っているのでここではそれぞれ思いを持ち帰っていただくことにしましょう。


次は、「事例紹介」の時間です。
この枠では、何度もご参加されているタネ友さんに、栽培の様子やタネ採りで気をつけていることなどを紹介していただいています。
今回はまず、長沼町のSloth+farmさん(伊藤さん)。
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そして、美唄市よりご参加の清水自然園さん(関田さん)。
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今回は両氏とも農家さんでしたが、どちらも丁寧に作物と向き合っていらっしゃる無農薬・無肥料栽培のお2人でした。
貴重なお話、ありがとうございました。


いよいよメインの「タネ交換会」です。
僕たちのタネ交換会では、まず参加者さん全員に自己紹介していただいています。
大人数なので、それだけでもかなりの時間がかかってしまうのですが、この全員の声を聞かせていただく時間は重要だと考えています。
お名前、栽培地、取り組んでいること、そしてもちろん「持ってきたタネ」のこと・・・。
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各々、トレイなどの上に交換用のタネを配置して、交換しやすく用意をしてきていただいています。
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交換タイム。
「タネを交換する時間」なのですが、本質的には「タネを介して行われるコミュニケーションの時間」なのだと思います。
「このタネはどんなふうに育ちますか?」「これはとても美味しいトマトですよ!」「発芽が少し心配だから多めに播いてね…」etc...
・・・あっという間の数十分です。
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(実は今回、交換時の写真を一枚も撮っていませんでした。たくさんの人とお話したいと、つい夢中になってしまったためです。そんな濃密な時間なのでした。この1枚は、Kさんに送っていただいたものです)


イベントは会場の関係もあって、どうしても終わりの時間に縛られます。
「もう少し続けたい…」「せっかくだからもう少し話しできたら…」という声が例年多いので、会場を移してランチ交流会を行いました。こちらにも20名以上の方がご参加くださいました。
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会場はエルプラ近くの「博多ぶあいそ別邸」さん。
箸置きに素敵なサービスがありました。記念になりますね。
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こうして今年も、気持ちの良いタネ友さんに囲まれて『ひとつぶのタネのチカラ』を行うことが出来ました。
ありがとうございました。
帰宅後、お一人ずつのお顔とお名前を思い出しながら、交換したタネや品物を手に取りました。
種蒔きが楽しみになっています。
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さて・・・
僕らのタネ交換会も今年で8回目となりました。
「同じことを飽きずにやるね」と思う方がいるかもしれないけれど、僕にしてみれば毎回決して「同じ」ではないし、新鮮な気持ちで臨んませてもらっています。
体験塾としては、年初めの大事なイベントという意味あい。
百姓としては、今年の栽培の動機づけ。
そして、人間が生きていく上で人とのつながりが重要であることタネ一粒の背景にある物語など、様々なことを確認できる場だと思っています。

また、「タネが欲しい」という思いよりも「タネを分け合いたい」という思いを大切にして続けていきたいですし、珍しいタネ、美味しい品種を分けるだけでなく、珍しくない当たり前の(誰でも持ってるような)タネも交換し合いながら、互いの畑を豊かにしていけるような場であって欲しいと思っています。

会場では、最後にこう挨拶させていただきました。
「また来年、是非ここでお会いしましょう」

共感していただける方がいらっしゃるので、続けていられます。
来てくださるタネ友さんあっての、このイベント。
来年もよろしくお願いいたします。
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posted by イトウ at 14:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月06日

言葉と精神性。

椅子をつくっています。
素材は、昨年秋の台風で倒れてしまったイヌエンジュの樹。
木育やグリーンウッドワークをやっている友人・草刈さんに教えてもらいながら、ゴッホ風の椅子をつくっているのです。

家でパーツをつくり、時々集まって組み立て作業などを行います。
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先日、おおむね組み終わり、後は座編みをすれば完成です。
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さて。
最近あらためて、「ブリコラージュ」という言葉に惹かれています。
自分の考える「暮らし方」や「モノづくり」にピタリと当てはまると感じるからです。
この生木を使った椅子づくりも、その場その場で試行錯誤しながらやっていく感じがブリコラ的。
道具も、(僕はまだ借りたり買ったりしたものを使うことが多いけれど)自分でつくる人が多いようです。

「ブリコラージュ」
その場で手に入るあり合わせの道具や余り物の材料なんかを使ってモノをつくること。
プロの職人仕事というより、日曜大工的に行う雑多な手仕事。
(この言葉を紹介して社会の有り様にも当てはめたレヴィ・ストロースの『野生の思考』が僕はとても好きです。)

この、体験塾のタペストリーも、ブリコラージュによってつくられました(M氏作)。
素材はすべて身近に散らばっていたもの。
織り機も自作でした。
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エコビレッジライフ体験塾の精神性を具現化しているようで、僕はこのタペストリーが大好きです。



この「ブリコラージュ」みたいな「しっくりする言葉」が、僕にはすごく大事に思えます。

例えば同じような行為を指す言葉としては、「DIY」があるのだけれど、僕はこの言葉は苦手です。
だって、「Do it yourself」です。
一般に「自分でやろう」なんて訳されるけれど、「yourself」ですから「自分でやれよ」じゃないですか?
歴史的には、第2次大戦後にロンドンで生まれたスローガンのようです。
もしも市民の自発的なムーブメントなら、「Do it ourself」だと思うのだけれど・・・「yourself」。
命令です。余計なお世話、です。

こういうところ、すごく気になります。
だから、僕はDIYじゃなく、ブリコラージュの精神でいきたいと思うのです。



ちなみに「自給自足」なんて言葉も好きじゃないです。
「自給」はたくさんしたいけれど、それで「自足」はしたくない。
自分だけじゃ足りないところが沢山あるから、人とのかかわりが大切になります。
気持ちと物の交換をすることが出来、経済の輪に入ることが出来ます。

だから、しばしば「イトウさんは自給自足を目指してるんですよね?」なんて聞かれたりしますが、「いえ、まったくそんなの目指してません!」と答えています。
細かいようだけれど、これは結構、精神性として重要な部分なのです。


何て言うか、こういう言葉の使い方、自分がこだわる部分を丁寧にしたいと思います。
(あまり関係ないですが、棟方志功が「版画」じゃなく「板画」にこだわった、って話も好きです)

あと、例えば「エゾ」
RisingSunRockfestival in EZOが始まった時、「かっこいいなー」と思ったものですが、冷静に考えると場所を指すなら「蝦夷地」です。
そして何より、「蝦夷」って、中央の人々が東北や北海道の民を「異民族」としてどちらかというと差別的に使われていた言葉だと思うのです。決して当事者が使ってはいません。
それを「ちょっとエキゾチックでカッコいい?」的に名乗るのって、随分精神性がトンチンカンだよなあ、と思うのです。
時々名前に「エゾ」を入れている団体を目にしたりするので、大丈夫かなあ?と心配になります(目指してるものと合うのかな、と)。


このブログで何度も書いてるので細かくは書きませんが、「自然農」「自然農法」という言葉にも、違和感が大きいです。
「自然」や「農」について知る程、考える程に相反すると感じるので、僕は使いません(「自然栽培」はいよいよビジネスチックなものを感じるので使いません)
名づけた福岡氏、川口氏らの想いは僕なりに理解していますが、今となっては「良いコトしてる」みたいな誤解につながるデメリットが大きいように思いますし、わざわざ「自然」を使う必要なんてなく、あえて使うなら「有機」で十分だと思うのです。
(でも、「有機」よりも「自然」の方が良いのだ、と勘違いしてる人も多いので、時々困ってしまいます)



こういう「言葉と意味することのズレ」はそこら中に転がっています。
人それぞれこだわりは違うでしょうし、大してこだわりもなく発せられる言葉の方が多い気もします。

で、僕は、結構「言葉のチカラ」を信じているので、それ故、あまり言葉自体を信じません。
時間をかけて行為を見て、人が発する言葉の「真意」を咀嚼していきながら「共通言語」を構築するのには、実は結構時間がかかると考えています。

出来合いの、わかったつもりの言葉ではなく、「自分たちの血肉の通った言葉」を獲得していくにも、野生の思考が必要だし、それもまさにブリコラージュ的な行為ではないかなー、と思うのでした。


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『My醤油を仕込もう〜大地からの一滴を味わう発酵講座@A』
味噌とはちょっと違う醤油の仕込み。何が違うの?醤油ってどうやってできるの?
発酵や醤油について学び、自分の醤油を仕込む講座です。
  〇日時 @3月24日(日)13:30〜15:30(←募集終了)
      A4月7日(日)(←募集中)
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇参加費 2500円
  〇定員 12名

『竹編みをはじめよう』<募集終了>
竹工芸技能師の山根広充さんを講師に招き、「四海波」という伝統的な花籠を制作します。
  〇日時 3月17日(日)@9:00〜12:30 A13:30〜17:00
  〇場所 当別町金沢147−1

『ひとつぶのタネのチカラ〜タネの交換会と学習会』<募集終了>
  〇日時 2月16日(土)9:15〜11:45
  〇場所 札幌エルプラザ 環境研修室1,2

*すべてのお問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページ、もしくはEmail、Facebookのメッセージにて承っています。
posted by イトウ at 21:21| Comment(0) | 思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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