2018年02月24日

タネ友集う、2018年春。

2月18日(日)は、タネ交換会『ひとつぶのタネのチカラ』でした。
僕にとって大事なこの恒例イベントも7年目となります。

さて・・・
事前の準備は結構大変です。
交換前に上映する映画を決めて手配したり、配布物を作成したり(今回は上映時間に合わせて映像の編集も…)。
イベント告知をして、参加者さんのお申込みを確認し、お一人ずつと連絡を取り合うのも意外と時間がかかります。
会場に展示するもの(タネ見本や発芽の様子)の準備も、1か月くらい前から計画的に進めなくてはなりません。
が、実は今回は、播種したスプラウトの生育が思わしくなく、少し古めのタネを使ってしまったモヤシも日の目を見ませんでした。
P2150161.JPG
(タネという生命のための発芽環境、保存環境・・・こんなことからも、タネについていろいろ考えさせられますね)

おっと忘れてはイケナイ、自分の交換用のタネも準備しなくては。
今回は、トマト2種に長ナス、食用ヒョウタン、食用ホオズキ、エゴマなど10種類ほどをパッケージしました。
P2180178.JPG


当日です。
会場の準備や受付は、参加者でもある友人たちが手伝ってくれました。
(いつもありがとうございます!)
P2180187.JPG

P2180179.JPG

P2180180.JPG

プログラムの最初は映画上映。
今回上映したのは『OPEN SESAME』という、自家採種を大切にする人たちの取り組みの様子(主にアメリカ)をまとめたドキュメンタリーです。
映画の中で出てきた「タネが持つ物語」という言葉は、今の自分にとってもキーワードなので、「普遍的な考え方なのだな」と嬉しくなりました。
P2180199.JPG
この、映画上映の時間枠は、イベントを始めた当初は恵庭の自然農法家・坂本一雄さんにお話ししていただいていました。
坂本さんのお話を聞きたくていらっしゃる方も多かったのではないかと思います。
坂本さんが他界された後はこうして映画の上映を行っていますが、より深い学びの時間として今後どうするか考えていきたいと思っています。

続いて、昨年より始めた「実践紹介」の時間です。
今年は長沼町の「うたりん農園」平野ご夫妻と、あいの里の「ふぁーまーと農夢」佐藤さんに、取り組みを紹介していただきました。
P2180204.JPG
平野さん、佐藤さん、ありがとうございました。
(短い時間でスミマセンでした)

そして、いよいよ「タネ交換会」です。
輪になって座り、まずは自己紹介をしていただきました。
30名強に一言ずついただくのでかなりの時間がかかってしまいますが、この一言があることで、交換もぐっとスムーズになるのではないかと思っています。
P2180209.JPG

フリータイムです。
待ってましたとばかりに、各自自由に動き回り、交換したり栽培談議に花を咲かせたり・・・。
P2180210.JPG

P2180213.JPG

あっという間に30分が過ぎ・・・
P2180217.JPG
・・・交換終了。
会場の関係で2時間ほどの枠に盛りだくさんの内容にしているので、どうしても毎年「もう終わり?!」「ちょっと時間が足りないよ」という雰囲気になってしまいます。
来年はなんとかもう少しゆっくり交換していただけるような時間枠で設定したいと思います。

ただ、「話し足りない!」という声に応えるために、今年は事後のランチ交流会を設定しました。
会場を移動して美味しいランチをいただきながらの2時間は、なかなか濃い時間となったのではないかと思います。
P2180218.JPG

長〜い1日がおわり・・・交換したブツを広げてみました。
いろいろなタネ。
タネがない方から受け取った品々。
P2210236.JPG
僕が渡した子たちが元気に育ってくれることを祈りつつ、託されたタネたちをしっかり育てることを決意しました。

あらためて思うのは、「交換っていいなあ」ということ。
「欲しいものを得る」ことが目的なのではなく、「交換すること」自体に意味があるような気がするのです。
それはつまりコミュニケーションの価値です。
タネを介して、タネを大事に思う人たちと出会いかかわりを持つ・・・「タネ交換会」の真の価値は、そういうところにあるのかもしれません。

もちろん、「いただいたタネ」は大事なのですけどね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
3月までは随時、味噌や醤油仕込み、ひょうたんランプ制作などの出前講座も承っています。

★イベント情報

『My醤油を仕込もう』(受付終了)
  〇日時 2018年3月18日(日)13:30〜15:30
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇内容 ・お醤油の話
      ・醤油の仕込み
      ・醤油麹づくりの実演 ect...
  〇参加費 2500円
  〇定員 12名

『樹から生み出すバターナイフづくり』
  〇日時 3月25日(日)13:30〜16:30
  〇場所 当別町金沢147-1
  〇参加費 3000円(1ドリンク、おやつ付き)
  〇定員 12名
  〇講師 草刈万里子さん

*お問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページにて承っています。

posted by イトウ at 10:21| Comment(0) | 体験塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月17日

オクサレ様、万歳。


例年、秋に収穫したヒョウタンたちは、すぐに穴を開けて水に浸けておきます。
本当は寒くなる前にキレイにしてしまいたいのだけど、北海道ではどうしても秋のうちに腐植はすすまず、腐ったワタを抜いて洗う作業は春に行っています。

今回は作業はさらに遅れ、1月に家の中で穴あけを行い、茶の間の片隅や風呂場などに水漬けしたバケツを保管することになってしまいました。
P1190219.JPG

きっちり封をしていても、なんだかニオって来るようになったこの頃(そう!ヒョウタンを腐らせる時のニオイってスゴイんです!!)、思い切って風呂場で「洗い」を行いました。

ニオうだけあって、いい感じの腐れ具合です。
水をかければ、簡単にワタやタネが取り出せます。
P2130146.JPG

換気扇を廻し、風呂の残り湯で流しながら、タワシで一つひとつ磨いていきます。
P2130153.JPG

P2130150.JPG
今回はビニル手袋をつけて行いました。
以前素手でやったら、何日も完全にはニオイが取れずに参ったことがあったのでした。


まあ、この、「ニオイ」というやつばかりは、文字で伝えきれないのですが、嫌気性発酵というかドブというか、ウ〇コというか・・・(いやウ〇コはウ〇コでも、あまり新鮮じゃない感じの公衆トイレの…(苦笑))

とにかくそんな「スゴーイニオイ」が作業現場の風呂場には充満し、もちろん僕の服や髪にもニオイ成分は付着し、僕が通ると家人が「うわーん、オクサレさまが通るよー・・・」と力なく笑うのでした。
P2130155.JPG
*洗ってすすいでも、ヒョウタン自体のニオイはなかなか取れないのです・・・。


「今の家の風呂場で出来るのはせいぜい千成ヒョウタンまで!」と判断し、大ビョウタンはまだそのままです。
それでも、乾燥中の家の中には、何とも言えない「臭気」が漂っています。
怖いのは、その中にいるとどの程度クサいのかがよくわからなくなること。

「もうそれ程クサくないんじゃないか・・・?」
と思って外出し、リセットされた嗅覚で帰宅すると、やっぱりしっかりクサいのでした。



まあ、そんなヒョウタンですが、僕は大好きなのです。
このフォルム、質感。
人類が最初に意図的に育てたのはこの子たちだったんじゃないか、と思うくらい、僕らの傍らで役立ってきた植物。
着果している様子も可愛いのです。
P8160583.JPG

実が大きくなってぶら下がるさまも、ああ見事!
PA011365.JPG

このビョ〜〜ン、も好きですねえ。
P8110544.JPG


ドロドロヘドロのオクサレに包まれたものを洗って乾燥させて、創り出されたものたちは、「再生」を感じさせる美しさを持っています。
P9060981.JPG



そして・・・
オクサレさまですら、僕には愛しいものに感じられます。
だって、「何かが腐る」という現象は、浄化していく過程ですから。
「現象」と言ってもただ勝手に起こるのではなく、これもまた、小さなイキモノたちの「生命活動」そのものです。
彼らは、腐らせ(または発酵させ)、食べて出して増えて死んでいきます。
ただそれだけ。
ただそれだけだけれど、その繰り返しによって、この世界は浄化され、生命は繋がっていくのです。

全てが繋がり、生まれ変わりっていく。
素晴らしい世界の理を、僕はオクサレさまの作業をしながら、そっと心の奥底で感じたりもするのでした。



雪が解けて暖かくなったら、残りのヒョウタンを洗ってあげようと思います。
今日は、今回洗ったヒョウタンを持って、豊浦町での「ひょうたんランプづくり」です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
3月までは随時、味噌や醤油仕込み、ひょうたんランプ制作などの出前講座も承っています。

★イベント情報

『My醤油を仕込もう』
  〇日時 2018年3月18日(日)13:30〜15:30
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇内容 ・お醤油の話
      ・醤油の仕込み
      ・醤油麹づくりの実演 ect...
  〇参加費 2500円
  〇定員 12名

『樹から生み出すバターナイフづくり』
  〇日時 3月25日(日)13:30〜16:30
  〇場所 当別町金沢147-1
  〇参加費 3000円(1ドリンク、おやつ付き)
  〇定員 12名
  〇講師 草刈万里子さん

*お問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページにて承っています。

posted by イトウ at 07:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月13日

冬山散歩に出かけよう。

2月3日(日)は、『冬山散歩〜春を探して』でした。
この企画の発端は、毎回「裏山散歩」の講師を務めていただいている喜多さんと昨年行った、少し長めのスノーハイク。
それがとても面白くて自慢していたところ、「私も行きたい!」という声があったので今回、ミニツアーを企画してみたのでした。

結構冷えた節分の朝、8時半に集合し、準備。
スノーシューをつけて、我が家の裏から山に入ります。
P2030063.JPG

山を登りながら、木の冬芽観察です。
多くの木が葉を落としているこの季節、僕らにはイマイチ樹種がわからないのですが、枝ぶりや冬芽を見ると同定もさほど難しくありません。
講師の喜多さんが、枝のつき方、新芽や葉を落とした後の特徴を丁寧に教えてくれました。
ポイントさえわかってくれば、彼ら(木々)は実に多くのことを僕たちに伝えてくれているのですね。
P2030064.JPG

「こんにちは!!」
P2030065.JPG

目を凝らしてみれば、いろいろな表情で迎えてくれています。
P2030076.JPG

少し急な勾配を登りきって、標高200m強の稜線をしばらく歩くと・・・
P2030070.JPG

この山の主のエゾヤマザクラとご対面。
P2030075.JPG

そこからは、樹々の間や林道をずんずん歩くこと約2時間。
2018-02-03 11.26.25.jpg

目標地点の「中小屋温泉」に辿り着きました。
P2030087.JPG

皆さん、お疲れ様でした!!
P2030093.JPG

温泉でのんびりと休憩した後は、いよいよこのツアーの裏ハイライト、鉄道です。
札沼線の「本中小屋駅」で汽車を待ちます。
P2030097.JPG

・・・来ました!
1両の「列車」、ではなく「汽車」。
P2030099.JPG

ガタンゴトン・・・。
約7分の鉄道の旅です。
P2030101.JPG

車窓から、スタート地であるウチが見えました。
P2030102.JPG

こうして「3時間歩いて温泉に行って鈍行鉄道で帰ってくる旅」が終了。
この季節ならではの遊びにお付き合いいただき、ありがとうございました!
P2030104.JPG



ちょうど翌日が立春。
厳しい寒さと雪はもうしばらく続きますが、確実に春は近づいています。
春を感じて新芽を出す樹々のように、たくましく冬を乗り切りたいですね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
3月までは随時、味噌や醤油仕込み、ひょうたんランプ制作などの出前講座も承っています。

★イベント情報

『ひとつぶのタネのチカラ〜タネの交換会と学習会』
  〇日時 2018年2月18日(日)9:45〜11:45
  〇場所 札幌エルプラザ 環境研修室1,2
  〇内容 ・『OPEN SESAME〜The Story Of Seeds』ミニ上映会
      ・自家採種したタネ交換会
  〇参加費 800円
  〇定員 30名

『My醤油を仕込もう』
  〇日時 2018年3月18日(日)13:30〜15:30
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇内容 ・お醤油の話
      ・醤油の仕込み
      ・醤油麹づくりの実演 ect...
  〇参加費 2500円
  〇定員 12名程度

『樹から生み出すバターナイフづくり』
  〇日時 3月25日(日)13:30〜16:30
  〇場所 当別町金沢147-1
  〇参加費 3000円(1ドリンク、おやつ付き)
  〇定員 12名
  〇講師 草刈万里子さん

*お問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページにて承っています。
posted by イトウ at 12:55| Comment(0) | 体験塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

<タネ友>の輪へようこそ!


今年もタネ交換会『ひとつぶのタネのチカラ』を行います。
開催日は、2月18日(日)です。
P2250225.JPG
自分で自家採種をするようになって数年経ったころ、「この輪をもっと広げたい!」という願いで初めました。
今回で、7年目になります。

当初は、故・坂本一雄さんの講演とセットで行っていました。
1時間弱の講演でお話していただく内容について、毎年、数週間前から(ちょうど今頃の時期!)結構な時間をかけて相談したことを思い出します。
僕にとっても大事な学びの時間でした。
DSCN6901.JPG

坂本さんが来られなくなってからは、タネにかんする映画の上映などを行っています。
今年は、『The Story of Seed〜OPEN SESAME』という映画。
様々な<種アクティビスト(タネを大事にして活動する人たち)>を追ったドキュメンタリーです。
MV5BMTc4NDc3MDU4Nl5BMl5BanBnXkFtZTgwNTg5NDA5NTE@._V1_UY268_CR9,0,182,268_AL_.jpg
*当日は30分ほどの短縮版を上映します。

また、昨年からは新しい試みとして、<事例紹介>の時間も設けています。
これも、ずっとやりたかったことでした。
自家採種をされている農家さんや家庭菜園の方、また児童会館でのタネ採り学習などについて、少しずつお話していただきました。
今年も参加者さん数人にお願いする予定です。
P2250244.JPG

さて、<タネ交換会>です。
「今年もたくさん採りました!」という方も、「今年はちょっとだけです」という方も、「私は豆だけなんですが…」という方もいらっしゃいます。
「これから始めたいので、まだタネはないんです」という方も、(ちょっと遅れてですが)物々交換の品を持って輪に加わっていただきます。
P2250264.JPG

エコビレッジライフ体験塾のタネ交換会は、自由に動き回れるように<お弁当屋さんスタイル>です。
自慢の種を並べて、「よろしくお願いします!」
P2250284.JPG

交換会が始まってしまうと、その<場>は僕の手を離れて、皆さんの熱が渦巻く空間となります。
1時間弱の交換タイムはあっという間です。
P2250287.JPG

「そろそろ終了でーす!」と僕が叫んでも、なかなか終わらない交換交換・・・。
P2250313.JPG
会の終了後にも、廊下で話は続いていたりします。
*なので、今年は事後に場所を変えて「ランチ交流会」を行うことにしました。



7年前、この会を最初に開催した時に気づいたのですが、<タネ交換会>は「タネの交換を通して、人がつながるコミュニケーションの空間」なのですね。
そのつながりを僕は、<タネ友>と呼んでいます。

昨年の<交換>によって、タネ友さんから集まった宝物たち。
P2270374.JPG

今年も、たくさんのタネ友さんの熱量で、交換会が皆さんにとって良い時間となりますよう、現在準備中&参加者募集中です。


そして・・・
(あまり大きな声では言えないのですが)主催する者としての本音が、実はあります。
ちょっとキツイ表現かもしれないけれど、それは、「タネが欲しい人が集まる会になったら嫌だな」ということです。

もちろん「自家採種に関心があります!」「これから始めたい!」って方も歓迎しているのですが、一度参加してたくさんタネを受け取ってしまったら翌年には「もうあるからいいや」とお考えになる方には、ご遠慮いただきたいな、とも思っています。
「この会をやってて良かった!」「ありがたいな!」と感じるのは、たとえば「去年はもらうばかりだったけれど、今年はたくさん分けられるものを持ってこれて嬉しい」という声を聞いた時です。

「欲しい」という人たちばかりが集まる場よりも、「あげたい」と思う人がたくさん集う方が、きっと気持ちの良い時間がそこに流れるだろうな、と思うのです。
だから、どんな方でも歓迎はするけれど、今年はタネを持たずに参加される方には「是非、受け取ったそのタネを播いて育てて、来年は<託す人>になってくださいね!」とお願いしたいです。

タネ交換会は、毎年参加して下さって、快くタネを託して下さる方々によって維持されているのですから(たぶんその方々は、すでにご自分で十分なタネを採取していらっしゃるはずなのに、です)



『ひとつぶのタネのチカラ』は、<タネ友>が集う場。
栽培を愛す人たちの情報交換、交流の場。

そこに集まるタネには、一つひとつ、採った人の思いや継がれてきた物語があります。

だから、申し訳ないけれど、「タネが欲しい」という思いだけの方はご遠慮ください。
(タネが欲しいだけなら、野口さんやたねの森さんで買えばいいんだよね)
「自分のタネを誰かに託したい」もしくは、「タネを受け取ったら、今度は自分が渡す人になろう」という方たちによって、今年も豊かで気持ちの良い場になることをこころから願っています。

*そう!「発酵」と同じで、僕にできるのは「仕込み」と「環境を整えること」だけ。後は、願うばかりなのでした・・・!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
3月までは随時、味噌や醤油仕込み、ひょうたんランプ制作などの出前講座も承っています。

★イベント情報

『ひとつぶのタネのチカラ〜タネの交換会と学習会』
  〇日時 2018年2月18日(日)9:45〜11:45
  〇場所 札幌エルプラザ 環境研修室1,2
  〇内容 ・『OPEN SESAME〜The Story Of Seeds』ミニ上映会
      ・自家採種したタネ交換会
  〇参加費 800円
  〇定員 30名

『My醤油を仕込もう』
  〇日時 2018年3月18日(日)13:30〜15:30
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇内容 ・お醤油の話
      ・醤油の仕込み
      ・醤油麹づくりの実演 ect...
  〇参加費 2500円
  〇定員 12名程度


*お問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページにて承っています。
posted by イトウ at 10:11| Comment(0) | タネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

僕らの存在をつくるもの。

「見る」こと、「聞く」こと。

僕等は通常、その2つの行為でほとんどの「情報」を得ます。
見聞きした情報を脳で整理し、言葉に置き換えて膨らませたり決断したりした後、自分の行動の指針にしていきます。

次々と入ってくる「目と耳からの情報」。
それによって僕らは、自己の存在を確認し、アイデンティティを維持している。
・・・そんなふうに僕は考えています。


映画を観てきました。
『もうろうをいきる』
視覚と聴覚、その両方を失った人たち(「もうろう」と呼ばれます)を紹介するドキュメンタリー映画です。
P1270239.JPG



まず、映画本編にも登場していた「もうろうの大学教授」福島智さんの詩の一部を記します。

    [指先の宇宙]

   ぼくが光と音を失ったとき、
   そこには言葉がなかった。
   そして世界がなかった。

   ぼくは闇と静寂の中でただ一人、
   言葉をなくして座っていた。



まさにそうなのだろうな、と僕にも想像できます。
目と耳からの情報を失うということは、「世界がなくなる」に近い状態になるのだろうと思うのです。
「世界がなくなる」は同時に、「自己を喪失する」にも近いような気すらします。
光と音から遮断された世界。
笑顔も、素晴らしい景色も、文字も絵もなく、音楽も笑い声も楽しい会話や議論もない世界。

そんな世界で生きる<もうろう>の人々の存在、在り方は、「(それでも)何故人は生きるのか」という大きな問いへの答えを示してくれるような気がするのでした。



「答え」の一つは、先ほどの福島さんの詩の続きにありました。

   ぼくの指にきみの指がふれたとき、
   そこに言葉が生まれた。

   言葉は光をはなちメロディを取り戻した。
   ぼくが指先を通してきみとコミュニケートするとき、
   そこに新たな宇宙が生まれ、
   ぼくは再び世界を発見した。



<もうろう>の人たちにも言葉はあります。
指先で会話する「触手話」という方法。
相手の指に触れ、その動きで情報や想いを伝え合うのです。
もちろん、指以外にも相手の体に触れ、ハグしたりすることでコミュニケーションをとることが出来ます。

相手の指に触れ、「かかわり」が生まれた時、福島さんは「再び世界を発見した」と言っています。
世界を取り戻したということは、きっと「自己を取り戻した」「自分の存在が再現した」ということです。

ここに、「人がなぜ生きるのか」の答えがあるように感じます。
「コミュニケーション」「誰か(何か)とのかかわり」によって、人は人として自己を認識するのでしょう。
逆に言えば、「自分だけ」では、決して人は自己を保てないのだと思います(その対象は人間に限らないとは思いますが)。


20歳頃(だったかな)、何かの本で「自己のアイデンティティは自分の内にあるのではなく、無数の他者の視線によって構成される」という言葉を目にしました(正確じゃないけどそんな感じ。誰の言葉だったかは忘れてます)。

でも実は、その当時の僕にはあまり響いてこず、「けっ、何言ってやがんだ。俺は俺だ。人の目なんか気にしないし、左右されない。人と自分を比べて生きるなんて御免だ。俺は俺として俺らしく生きてりゃいいだろう。それが俺のアイデンティティだ!」くらいに思っていたものです(恥ずかしいけど、若かったからね)。

でも、今ならすごくよくわかります。
そんなに鼻息荒くするほど、「自分」なんて大した存在じゃないですし。

どんなに頑張ったって、自分一人では存在し得ないということを僕は「農ある暮らし」の中で実感してきたように思います。
それは衣食住を自分で生み出せるかどうか、というような話ではなく、日々食べているモノがすべてイキモノであり、「食べる」ということ自体が濃密なコミュニケーションなのだということ、そして僕の身体に住む無数のイキモノがいなければ僕自身では消化することもできない、ということ。
気づかないうちに、多くのイキモノに守られながら、そして彼らに何かを提供しながら「僕ら」は生きています。

生態系の中で「個」は常に無数のかかわりによって存在しているのだという、当たり前のことを僕は暮らしの中で少しずつ実感し、「誰しも自分のみでは生きられないのだ」という現実が僕の自我を随分落ち着かせてくれたのでした。


さらに、勤め人をしていた時にかかわっていたハンディキャップを持った子どもたち、旅の途中で出会った人々、体験塾を通してつながるようになった仲間たち等々、とのかかわりによって今の自分が出来ていったのだとも実感します。
良いことばかりじゃなく、嫌なこと、不快なかかわりも含めて、それら全部が、日々自分を再構築してくれているのだと思う時、「我」というものは、他者とのかかわりによってしか成立しないのだとつくづく感じるのでした。


人間は「必要に応じて関係性(コミュニケーション)を持つ」のじゃなく、「コミュニケーションを取ることで人間であり続ける」のかもしれません。
実は、それは生態系の中のイキモノたちと同じです。
生きるということは、多様なコミュニケーションを持つこととほぼ同義。
生態系の環をつくり上げるために個が存在しているとも言えます。

かかわりあい、何らかの手段で意志や想いを伝え合う(もしくは食べたり食べられたり…)。
見えずとも自分とかかわりあう存在を感じる。

コミュニケーションによって僕らの存在は具現化し、他者に伝わった「何か」がまた別な何かにつながっていく。
連綿と続く「つながり」「コミュニケーション」。

きっと、それがこの世界の有り様です。

・・・なんてことを、映画を見た後、味噌を仕込んだりしながら僕は考えていたのでした。
P1150187.JPG
(味噌樽の中の「彼ら」との関係性も、僕をカタチづくる大事な要素です)


最後に、福島さんの詩の続きを。

   コミュニケーションはぼくの命。
   ぼくの命はいつも言葉とともにある。
   指先の宇宙で紡ぎ出された言葉とともに。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★暮らしを学ぶ・暮らしで遊ぶエコビレッジライフ体験塾では、各種講座・イベント行っています。
3月までは随時、味噌や醤油仕込み、ひょうたんランプ制作などの出前講座も承っています。

★イベント情報

『冬山散歩〜春を探して』
  〇日時 2018年2月3日(土)8:45〜15:00
  〇場所 当別町金沢147−1
  〇内容 ・裏山での冬芽の観察
      ・中小屋温泉までのスノーハイク(札沼線にて帰還)
  〇参加費 1500円
  〇定員 10名程度

『ひとつぶのタネのチカラ〜タネの交換会と学習会』
  〇日時 2018年2月18日(日)9:45〜11:45
  〇場所 札幌エルプラザ 環境研修室1,2
  〇内容 ・『OPEN SESAME〜The Story Of Seeds』ミニ上映会
      ・自家採種したタネ交換会
  〇参加費 800円
  〇定員 30名

*お問い合わせ、お申込みは、HPのお問い合わせページにて承っています。
posted by イトウ at 07:28| Comment(0) | 思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
<a href=体験塾ロゴ.jpg" src="http://itogakiretatako.up.seesaa.net/image/E4BD93E9A893E5A1BEE383ADE382B4-thumbnail2.jpg" border="0">