2017年04月01日

醬油プロジェクト2017(後編)。

3月前半、醤油講座用に麹づくりを2度やって、まずまずの醤油麹が出来ました(出来上がり約11kg分)。
まあ大変だったけれど、「腕が上がったなー」なんて思った今年の春でした。
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・・・が、講座の中で実演として種キリした分(今年最大量のいっぺんに7kgくらい)で大失敗!!

醤油講座が無事に終わってホッとして、いい気になって酒を飲んで寝てしまったのです。
本当は手入れをしなければならない時間も放置したまま・・・。

翌朝、「ハッッッッッッッッ!!」と目覚めて、青くなりました。
目を開けると同時に布団を飛び出し、保温器へ。
麹をさわると・・・ポッカポカ。
ていうか、保温器のトビラを開けた途端に、プ〜〜〜ンと納豆の臭い。

「やっぱり!」
麴に手を入れると熱いくらい(ということは40℃は軽く超えています)で、指先に嫌〜〜な粘りが・・・。

完っ全に、やられていました。
塊の中心部は特に熱を持っていて、まさに納豆。ネバネバです。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ、もうダメだあ!」
「せっかく大量に仕込んだのに・・・!!」
この時点で僕はほぼ諦めていました。
もうこの麹はダメだから、もう1回仕込まなきゃ、と。
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・・・そう。
そのくらい納豆菌てヤツは強いのです。
もちろん納豆菌を投入したわけではなく、空気中にいる野生の納豆菌さんです。

ほぼ自家栽培の上質なダイズとコムギ、3kgずつ。
ああ、なんてもったいないことを・・・。
あまりに惜しいので、中心部の完全納豆状態(約30%)を取り除き、残りでそのまま製麴を続けることにしました。
もちろん納豆臭は全体に広がっていて、ネバネバもかなり残したまま・・・。
まあ、ダメもとで・・・。
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(だってもったいないから!)

まずは麹(いや、納豆?)を薄く広げ、納豆菌の活動を抑えるためにグッと低温(20〜23℃)を維持。
納豆菌は40℃くらいが大好きでバリバリ増えていきますが、20℃くらいでは停滞するはずだから。
逆に、麹はやや低温でも時間をかければ勢力を伸ばしていくだろう?!と考えたのです。
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(保温器が26℃になっているのは、麹が発熱してるため。風を送って冷ましています)

今度はしっかりと管理しつつ、丸2日。
なんと、あれほどひどかった納豆臭が消えていき、ネバネバもなくなっていったのです。
そして、残った70%ほどが・・・

やったーーー!!
ちゃんと醤油麹になりました!!!
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奇跡の大復活です!!!
(と、大喜びしましたが、これは奇跡でもなんでもなく、常に勢力争いをしている「微生物の世界」において当然の摂理。マッチする環境があれば、それに相応しいものが増え、他の種を淘汰していく、というだけのことなのですね。微生物相手のシゴトで僕らが出来ることは、つまり「適切な環境づくり」しかない!ってわけです)


出来上がった4.7kg程の醤油麹を仕込みます。
水はマオイの名水。塩はいつもお世話になっている「天日海塩・お塩ちゃん」です。
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おお〜なかなかいい麹に仕上がってますねー。
もちろん前半、納豆にやられたダメージは雑味となって残るかもしれませんが、それなりに元気を取り戻したので、ちゃんと醤油造りに必要な酵素をつくってくれていると思います。
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そして・・・
「このままでは終われない!」
と、もう1回醬油麹の製麴にチャレンジしました。
慢心が招いた失敗を今年のうちに払しょくしておきたかったのです。

「今度は集中して<上モノ>を造るのだ!」
(あ、何度でも言いますが、ホントは僕には麹はつくれません!僕がするのは「つくる手伝い」だけ…)
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もう残っていたダイズがスズマルだけだったので、初のスズマル醤油となります。

量はやや控えめ(仕上がり約3.3kg)なので、蒸すのも温度管理も楽ちんでした。
(・・・と、油断してはイケナイ!!)
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そうして手入れを続けること3日目・・・

今度はバッチリ、いい麹に仕上がりました。
よしよし、可愛いぞ。
やっぱり集中しないといい仕事はできないのですねー。
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と、いうわけで、思いの外何度も造ることになってしまった今年の醤油麹でしたが、さすがに4度も続けてやると、「塩梅」がわかってきます。
驕ってはイケナイ…という戒めも込みで、経験値が上がった感じがしています。
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さて・・・
今回仕込んだ諸味は、お世話を続けて、来年の秋に搾る予定。
今年の秋には、「2016年春に仕込んだ諸味」を搾ります。

さらに、来月末にはまたダイズを播き、7月末に昨秋播いたコムギを収穫し、10月末になればダイズの収穫。
そうしてまた、来春にはそのダイズとコムギで「仕込み」を行います。
(それを味わえるのは2019年の秋…)
醤油造りも、僕にとってはそういう「ぐるぐるめぐる農の仕込み事」として、暮らしに馴染んできました。
「特別なこと」じゃなくなってきたのが嬉しいなあ、と思う春でした。
久しぶりに、以前、醤油造りをしながらつくった歌を歌ったりしています。

<余談>
*久しぶりに自分のつくった歌を聴いて(見て)、「あれ?どうして搾る写真やできた醤油の写真とか使っていないんだろう?」と一瞬不思議になりました。
でも、すぐに思い出しました。
僕はその時(2012年春)、まだちゃんと醤油を完成させたことがなかった、のです。
2011年に始めた「醬油プロジェクト」は、初年度は失敗(納豆菌に惨敗)。
再チャレンジした2012年にやっとそこそこのモノ?が出来て喜んだばかりの頃につくった歌なのでした。
そういえばまだ、自家栽培のコムギも使っていませんでした(2012年に収穫した小麦を使い、2013年からはすべて自家モノになりました)。
こうしてあらためて歌詞を見ると、前年の原発事故の生々しさなど、その時の雰囲気を思い出します。
やっぱり歌もいいな。
最近つくってなかったけど、また歌もつくっていこう。

posted by イトウ at 19:27| Comment(0) | 発酵 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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